
――自己紹介をお願いします
柚木ゆきこと言います。「柚木」と書いて「ゆき」と読みます。執筆を始めたのは7年前ぐらいだと思います。
当初は小説家になろうで『転生したらスライムだった件』(伏瀬、マイクロマガジン社)とか『無職転生〜異世界行ったら本気だす〜』(理不尽な孫の手、KADOKAWA)が人気があったので読み始めて、徐々に自分もこういうものが書きたいなと思ったので書き始めました。
――『転スラ』がきっかけとのことですが最初はずいぶん方向性が違ったんですね
そうですね、最初に「短編で物語をなにか書いてみよう」と思ったときに思いついたのは童話でした。そのあとにいろいろ読み始めて、現代ファンタジーの短編のようなものを書き、ランキングをチェックして、異世界恋愛で「婚約破棄」系のものが流行り始めたので書きたい! と思ったんです。
異世界恋愛を書き始めたらそればっかりになっちゃいました(笑)。好きなのは異世界ファンタジーなんですけど何があるかわからないですね。
――では契約作品のご紹介をお願いします!
『追放された巫女姫は、竜人に溺愛される』という異世界恋愛作品を連載しています。
元々は小説家になろうにアップしていたんですが、途中で書くのをやめてしまったんです。今はそれを改稿して連載しています。
――作品の見どころを教えてください
ちょっとネタバレかも……。ヒーローのイーサンを仕事ができて、人当たりもいい「イケメン」として書いているんですが、恋愛面がポンコツなんです。なのでその二面性は面白く書けていると思います。イーサンだけじゃなく主人公のコトハも含め、キャラクター全員の会話や雰囲気を楽しんでもらえたらいいなと思っています。
――ありがとうございます。ネオページにはどういう経緯で来てくださったのですか
担当編集さんにDMをいただきました。2024年の7月くらいだと思います。まだサイトがオープンしてなかったんですよね。検索しても会社概要しかでてこないような状態だったので「なんだろう?」と思いました。様子見してたら契約作家になりましたって人がちらほらXにいて、サイトも公開されたので自分も契約連載をやってみようかな~と。
――サイトがない状態のDM、すごく怪しかったと思うのですが……
まあ……たしかに?(笑)。私は怪しいとか疑うというよりもなんだろう? って感じでしたね。ほかの人がぽつぽつ呟いていたので契約作家っていうものがあるのか~と気楽に構えていました。
――サイトがオープンして、使っていただいて、今の感想はいかがですか
ありがたいなと思ってます~。契約して、原稿を担当さんに見てもらって。イーサンがポンコツなのって担当さんにアドバイスをもらったからなんですけど、自分の作品に意見がもらえるって嬉しいですね。あとは単純に小説を書いてお金がもらえるってすごいことだと思ってます。
――担当編集との関係や雰囲気はどうでしょうか
最初は提案ベースのお話を良くしていました。最近は褒めていただくことが多くて嬉しいです。この場面いいですね! とか。執筆はすごく自由にやらせていただいてますね。作家さんによってきっちり話す方もいるみたいですけど。
――原稿を取り立てられたりはしてないですか
あはは、それはないです、大丈夫です!(笑)。締め切り間近に原稿提出したときも、きっと他に担当している方もいるのに2~3日以内に返事いただいてるので助かっています。私としては良好というか、楽しくやらせていただいてます。
――原稿料についての感想などあればお伺いしたいです
ウェブ小説って趣味で書いて無料で公開するじゃないですか。私も元々そうだったのでありがたいな~とは思いつつ、あまり頓着はないので、今まで貰った分は貯めてますね。今は欲しいものとかも特にないですし、配偶者が家計を支えてくれています。
――他にお仕事などはされていますか
今はしてないです。執筆を始めたのは仕事を辞めてからなんですが、その時に投稿サイトっていうものがあることを知りました。それでウェブで小説を読み始めて、私でもなにか書けないかな? と思いました。『転スラ』みたいなのは書けないですけどね。いろいろやってみたんですが、結局小説を書くのが一番楽しかったので、今があるという感じです。
――楽しく活動をして、幅を広げるためにネオページも使ってくださってる、という感じでしょうか
そうですね、あとは担当さんがついてくれたら、自分の作品をもっと良いものにできるんじゃないかと思ったんです。1人だと息詰まることもあるでしょうし。ほかの方は作家コミュニティみたいなものに入っていたりもしますけど私は入っていないし、相談できる人がいたらいいなと思いました。
――いざ契約作家になってなにか変化はありましたか
正直に言うと……あまりないです(笑)。2020年頃に短編をコミカライズをしていただいているんですが、自分がプロだ! という自覚はあまりないんですよね。だから私の中では、契約作家=特別だ、みたいな感覚はあまりないです。
――Xのアカウントのアイコンはコミカライズの際のヒロインのイラストでしょうか
そうなんです~! なので紙になったものを手にとったりもしたんですが、あまり実感がないんですよね。
――なんだか欲がないですね……?
小説を書いているので、やはり自分の執筆した小説で書籍化って思いが強いんだと思います。小説がコミカライズ化した時もめちゃめちゃ嬉しかったのですけど……それがあったから、より小説の出版にこだわるようになったのかもしれません。
――では今後の夢は「小説として書籍化」でしょうか
そうですね。まずは「作家」として小説を出版した上で、その後の展開……コミカライズ、アニメ化していったら嬉しいですよね! まずは小説出版が目標です。
――柚木さんから見た今のネオページはいかがでしょうか
色々と精力的に活動してらっしゃいますよね。いずれ商業展開まで広げようとしていることとかは理解しています。ただそういうビジネスのことは私は素人なのでうまくいきそうかどうかとかはわからないです。
でもプラットフォームがあって、作家が作品を載せるのはタダじゃないですか。契約連載していない作品も書いてますけど、それも更新を続けたいですし、長く活動できる場として頑張ってほしいなと思ってます。
ライバル企業もあるし、大手企業でも不祥事はあるし、難しいことも多いとは思うんですけど……。
――期待に応えられるよう頑張ります……! 続けて活動についてですが、スランプになったりはしませんか
実は丸3年くらい書けない時期がありました! ただそれは環境の変化によって忙しくなってしまったからなんです。自分が超人だったらあれもこれもできるのになあ、って何回も思いました。
――生活スタイルの壁が大きかったんですね
そのときはそうかもしれません。ただ、一番長い長編が、たぶん20万文字くらい書いたものがあるんですが、それを書いていたときはもうこれ以上のものは書けないかもしれないって思いました。
――燃え尽き症候群みたいなものでしょうか
いえ、完結させてからじゃなくて書いてる途中で、私って何が書きたいんだろう? って筆が進まなくなってしまったんです。それで一旦書くのをやめてしまいました。
――そのときはどうやって復活したんですか
読者さんが感想を書いてくれたんです! 基本的には優しい言葉をいただくことが多いんですよね。そういうのを見ていたらもう一回書かなくちゃ、って思いました。
――活動を再開してから、モチベーションの維持はどのようにしていますか
最近の執筆はスマホとかパソコンを開かないと作業ができないじゃないですか。でも逆に言えば開いてしまえば出来る、ってことでもあると思うんですよね。私は書く気が起きない、何を書けばいいかわからないって日はとにかくサイトとかを開いて自分の作品を読み直します。そうするとちょっと直そうかな、とか思ってそこから1,000文字くらい書けてしまったりしますね。
――読み直していると筆が乗るんですね
そうですね~あと私は午前中のほうが調子がいいタイプなので、午前中を中心に執筆します。家事を終わらせてから、少し運動して、さあ書くぞ! という感じで。最近はあまり運動出来てないんですけど(笑)。
――とても健康的ですね! どのくらい運動されるのでしょうか
ランニングマシンを使うんですが、5,000歩くらいは歩くようにしてます。その間にYoutubeを見たりして、さあ書くぞって切り替えると3,000文字くらいサクサク書けるようになります。体を動かすと、頭の働きが良くなるみたいで。人によっては難しいかもしれないですけど、もし書けなくて行き詰ってる方は体を動かすのおすすめです!
――超・インドア派の作家さんたちにぜひおすすめしたい方法ですね
最初はダイエット目的だったんですけど意外と続くものですね(笑)。最近は具合が悪いこともあったので少しセーブしてますが、やっぱり健康って大切だなと思います!
――ご家族の方は柚木さんの活動についてどう思っておられるのでしょうか
応援してくれてます! 最近は本屋さんに商品がなくても、電子書籍の売り上げが印税として入ってくるじゃないですか。なので、小説家として本を出せたらもっと稼げるんじゃない? という風に思っているみたいです(笑)。自由にやってみればいいと思うよ、って言ってくれますね。
――活動をしていて、なにか感動した経験などはありますか
うーん、そうですね。2つあります!
さっきコミカライズした話をしたじゃないですか。Xのフォロワーさんが増えて、その中に書籍化作家さんがいるんですが、その人がコミックス読みましたって言ってくれたんです。書籍化するような人が私の作品見てくれた! と思って嬉しかったです。
もうひとつは、小説家になろうさんで『薬師の弟子シーナは、追放された今が一番楽しい』という作品を不定期で書いているんですが、同じ方がその作品をすごい読んでくれているらしくてDMを送ってくださったんです。
そのとき、その作品が下火というかあまり更新できていなかったんですよ、『巫女姫』のほうで手一杯になってしまって。でもメッセージ貰って「書かなきゃ!」って思いました。
――逆に落ち込むことはないですか
最近はあんまりないです。でもどうしようもないと感じた経験はたくさんありますね。褒めてもらうのも指摘をもらうのも嬉しいしありがたいことがたくさんあります。
――柚木さんは読者さんがモチベーションに繋がっているんですね
そうなんです! 誰であれ見てくれる人がいるのってとっても嬉しいことだと思います。だからこそ途中で放り投げないで完結させなくちゃって思いますし……停滞してる作品もありますけど(笑)。今後も頑張ります!
――現在、注目しているジャンルはありますか
最近の流行りだとやっぱり異世界恋愛じゃないかなあと。女性の作家さん多いですよね。自分が書いているのも恋愛ものだし。
個人的な好みだと異世界ファンタジー、現代ファンタジーが好きです。魔法ってロマンがありますよね~!
――ネオページでは好みの作品は見つかりましたか?
たくさんは読めていないんです……。でも好きなのはあります! 四季訪さんの『ダンジョンショップ~趣味でダンジョンの中で店を出していたらいつの間にか迷宮七不思議に数えられてました。』が好きです。1話の文字数が少ないのもあって、サクサク読めちゃいますね。面白くて一気に読んじゃいました。
――その作品のおすすめポイントはありますか
いい意味で、ちょっと変態チックというか(笑)、そういうシーンもあるんですよ。でもそれが面白いんです! 人によっては、というところがあるかもしれませんが結構攻めてる感じがするのがいいですね。文体が軽くて、主人公がアッサリしていて、わかりやすい・読みやすい・嫌悪感無く読めるのが素晴らしいなと。コメディパートも「それわかるな~、ふふふ」みたいなのがたくさんあって楽しいです。
――他の作家さんと交流したりはしていますか
SNSでの交流はあります。最近はあんまりお話できてないですけど。ネオページの契約作家さんたちともよくお話したりします。執筆に全然関係ないこととかも普通に雑談で。だれかとおしゃべりするとネタが降ってくるのでいいですよね。話の中からアイデアを見つけたりできますし。
――最近ふってきたネタがあれば教えてください
戦闘系書いてみたいなって思いました! なので『魔法少女おばあちゃん』のほうで挑戦しています。『巫女姫』は恋愛なので、甘いのと辛いの交互に……みたいな感じで書いたりします(笑)。
――お好きなもののジャンルがとても広い印象です
えっ、そうですか? 元々は少女マンガが好きです。CLAMPさんや、種村有菜さんの作品とか。りぼん、ちゃお、なかよしあたりはよく読んでいました。要素として恋愛もある、くらいの内容のほうが好みだったのでマーガレットとかはあんまり読まなかったですね。なので、そういう雰囲気のものを目標にしているんですが、思っている通りに表現するのって難しいですよね……。
今はとにかく『魔法少女おばあちゃん』を完結させたいです。
――最近はどういう作品が好きですか
最近はもう『悪役令嬢の中の人』(まきぶろ、一迅社)ですね! ストーリーがスカッとするし、マンガもめちゃくちゃいいです。白梅ナズナさんの絵がマッチしていて素敵ですよ。小説のモブキャラをマンガではたくさん描写していて、小説とマンガで2回楽しめますね。
あと、『悪役令嬢転生おじさん』(上山道郎、少年画報社)のようなハイテンションのコメディ作品も大好きです。
『ダンジョンの中のひと』(双見酔、双葉社)が好きです。こっちは絵柄がゆるいですが、結構グロテスクなシーンとかもありますね。主人公たちキャラクターの掛け合いが本当に魅力的でやっぱりキャラがしっかりした作品は面白いです。特にウェブ発の作品はサクサク読めるからついそればかり読んでしまいます。
――キャラクターの魅力=作品の魅力ですよね
本当にそう思います! 『転スラ』なんかは主要キャラクターが多いのに、影が薄いキャラが少なくて、見分けがつくようになっていてすごいですよね。
――まだネオページを使っていない方に向けて一言お願いします
作家にとってはネオページ様のサポートは非常に有難いサービスだと思います。
事前に「第三者に相談できる・助言をいただける」という環境は、自分で作ろうとしても、なかなか作れるものではありません。それを提供してくださるネオページ様には感謝申し上げます。
やはり一度編集者様のチェックを通しているからでしょうか、ひとつひとつの作品のレベルが高いように感じております。読者の皆様には是非、是非、作家様と編集者様が協力して磨き上げた作品を読んで欲しいです。きっと読了後の満足感が違うはずです!
――柚木さんのファンへ一言お願いします!
読者の皆様が、私の作品を読んでくださった事が一番嬉しいです。また、その際いただけるコメントやいいねなどのリアクションのひとつひとつが、私の執筆の活力となっております。
個人的に今後は異世界恋愛だけでなく他ジャンルの作品にも挑戦していきたいと思っております。皆様に楽しんでいただけるよう、今後も精進していきますので、是非これからもよろしくお願いいたします。
――今後のご活躍も期待しています! 本日はありがとうございました
追放された巫女姫は、竜人に溺愛される
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