作家インタビュー:七瀬みお——「キャラたちを幸せにするんだ」という気持ちで書いてます。ネオページ編集部

――まず、自己紹介をお願いします。

七瀬みおと申します。現在は、『悩める王太子の癒し係~貧しさゆえに身売りをしたら、お忍びの王子様に買われました。』という作品を連載しています。 

好きな作家は江國香織先生で、最近だと凪良ゆう先生の作品も好きです。どちらもキラキラした素晴らしい文章を書かれる作家さんだと思っていて、文章から受ける印象のようなものを自分の作品にも取り込めたらいいなと思いながら執筆活動をしています。

 

――執筆を始めたのは、ご家族との過ごし方が変わったのがきっかけなんですね。

そうなんです。子どもの進学を機に 1 人の時間が増えたので、学生時代に書いていた小説をまた書き始めました。

2020 年のコロナ禍で自宅に篭っていたので、執筆環境はよかったと思います。


――作品の中身についてもお聞きしたいです。

タイトル通りです(笑)。

ヒロインのレティアが貧しすぎて身売りをしたら、お忍びで城下に来ていた王太子ラエルに買われました、という。

絶望的な状況で助けられたのでひそかに想いを寄せてしまうんですが、彼女には心の支えにしていた人物がいて、その想いの板挟みになりながら……といったストーリーです。身分を偽った王太子との恋物語でいわゆるロマファンなんですが、レティア自身の成長物語としての面もあります。


――恋愛と成長の 2 軸で楽しめる作品ということですね。

はい、そういうものを目指して書いています。

 

――異世界恋愛作品は男女が 1 対 1 である作品が多いですが、この作品は男のライバル キャラも登場しますよね?

そうですね。えっと、すみません、緊張してうまく言葉が出てこなくて……


――ゆっくりで大丈夫です!

すみません!  深呼吸します、ふう。

ヒーローのライバルキャラは二人いて、複数のイケメンたちから迫られるヒロインっていう羨ましい設定で一度書いてみたかったんですよね(笑)。

特にカルロスはラエルの親友であって恋のライバル的なポジションなんですけど、魔術を使える点でヒーローと同列に置いて、ラエルにとっては強敵というか、そんなイメージで書いています。


――もだもだするシーンがあると、胸キュンシーンも際立ちますね。

そうですよね! ロマファンって書籍だと 1 冊換算でだいたい 12 万文字くらい だと思うんです。

ネオページの契約連載は 30 万文字書く予定なので 3 冊分くらいの量 になるじゃないですか。シリーズものではない30万文字のお話に厚みを持たせるために設定を複雑にしたり、人物を掘り下げたりしながらストーリー作りを頑張っています。


――キャラ設定や複雑なストーリーに七瀬さんのこだわりが垣間見えそうな気がします。

 どうかな、見てもらえたら嬉しいですけど(笑)。


――初めて書いた作品のことは覚えていますか?

ライトノベルだと2020 年に書いた22万文字の長編ですね。それまではWeb小説ってものをそもそも知らなくて、 紙ではなくネットで書けるらしいというのを知ってWebで書き始めました。

その時初めて「TL原作募集」という文字を見て、キービジュアルに惹かれて応募してみよう……でも、え、TLって何だろう? から始まったんです。

調べてみて驚愕でした、昭和の人なので(笑)。結局書いたものはTLっぽくならなかったですけど。


――ネオページにはどういった経緯で来てくださったのでしょうか? 

X で DM をいただきました。ネオページで契約しませんか、というような感じの。

書いた文字に対して原稿料がいただけるって今までそういうものがなかったですし、サイトがまだなかった頃で不安もあったりして最初は見送りますとお返事しました。

その後、ベータ版をリリースしたのでサイトを覗きに来てくださいって再度お知らせをいただいたんです。

すでに結構な数の作家さんが登録していましたし、プロットとキャラシートを提出したら、当時の担当さんの他にネオページの編集長さんからコメントをいただいたんです……びっくりしました、恐れ多くて。契約の最後の一押しは「編集長さんがプロットを褒めてくださったこと」でしたね。


――サポートプログラムについて、思っていることがあれば教えてください。 

作家って孤独じゃないですか、1 人で作業しますから。担当編集さんがついてくださるのって凄くありがたくて、担当さんと二人三脚のように感じられるのが嬉しいです。

 私の担当さんは、ここはどうしよう? って悩んでいるところは的確に 「こうしたらもっと面白いんじゃないか」とアドバイスくださるので、ちゃんと見てくださってるんだなって感じます。


――編集部メンバーを褒めていただけて嬉しいです!

こちらもたくさん褒めていただいてるので! 褒めてもらえるとやっぱりモチベーションに繋がりますよね。


――逆に困っていることはありませんか?

そうですね、私生活がごたついたりして原稿を待っていただく事があるので……それに甘えている自分に対して思うところがありますね。もっとしっかりしてよ私! みたいな。担当さんとのやりとりとかで困ったことはないですよ!


――「原稿料をもらってもいいのかな」と思っていらしたそうですが、実際原稿料を受け 取ってみてどうですか。

いつも最低限の文字数しか提出できてないですけど、原稿料はありがたいです。いただいたお金は本を買うのに使ったり、生活費の一部にあてたりします。


――本って高いですもんね……。

そうなんですよ! だから原稿料で買っちゃおうって思えるようになったのはいいですね。


――最近読まれた作品があれば教えてください。

実はモキュメンタリーホラーが好きなんです。貴志祐介さんの『さかさ星』(貴志祐介、 KADOKAWA)を読みました。結構ぶ厚いんですけど、最初から最後までガッツリ「呪い」の話でした。

最近はインプット目的で異世界恋愛を読んでいることが多いかもしれません。琴子さん、友麻碧さんの作品なんかを読みます。好きな作家さんの本だから、と選ぶこともありますけど SNS で見かけて面白そうな作品を手に取ってみたりとか。


――たくさん読んでおられるんですね。

インプットした分、ちゃんと書きなさい! って感じですよね(笑)。


――ネオページ上で読まれた作品はありますか。

契約作家さんの作品ですか? ロマファンの作品は勉強目的で読ませていただくことが多いです。

例えば日蔭スミレさんの『忘却の愛は呪い咲く~死に戻って魔女に なりましたが猛獣騎士の旦那様から溺愛されています~』を拝読しています。 

あとは初瀬叶さんの『追放された聖女は第二王子と下剋上を目指します!』とか。他にも面白い作品をたくさん読ませていただいています。


――読者としてもたくさん使っていただけて嬉しいです!

はい、ブックマークがいっぱいになってます!


――開発チームにブックマークの拡張を依頼しておきますね。

ぜひぜひ! ネオページさんの本棚は綺麗だし、すごく見やすいです。


――ネオページのいいところ、ほかにもあれば教えてください。

他と比べてってことですよね? そうですね、5 年くらい活動していていろいろなサ イト使わせていただきましたけど、表紙が見やすいのがいいですね。

特に契約作家はネオページさんが専用表紙を作ってくださるじゃないですか。 バナーでも表紙が大きく取り上げられたりして、内容が想像しやすいのがいいですよね。

 

――逆に困っていることはないですか。

コメントがすこし見づらいかな、と思ってます。どの作品の、どの話についたのか、 プッシュ通知なんかが実装されたら嬉しいです。

連載していない作品は頻繁にチェックするわけじゃないので、コメントを見落としてしまうことが多々あります。


――機能面での課題、というところですね。

そうですね。応援していますので、お願いします!

 

――七瀬さんのお話に戻しますね。執筆のモチベーション維持はどうしていますか。

「キャラたちを幸せにするんだ」という気持ちで書いてます。書くのを止めたら「この子たちはどうなっちゃうの?」ってなるので。

自分の作品の続きを読みたくても、自分にしか書けませんから(笑)。


――愛が深いですね!

それでも気分があがらない時はインプットだけしたりします。他の方の作品を読む と、私もこういうの書きたいなって思うシーンがあるので。そこから執筆につなげていく感じです。


――スランプになったことはありますか。

去年 1 年間、ライターズ・ブロックになりました。ちょうどコミカライズのお話をいただいたりもしていて、いい時期だったんですが新しいものは書けなくて。 

無理してもどうにもならないので、あきらめて韓流ドラマを見漁っていたらネタが浮かんで、コミカライズ作品の番外編が書けた事で「私まだ書けるやん!」って。生還できて良かったです(笑)


※ライターズ・ブロック――主に執筆に関して、作家が新しい作品を生み出す能力を 失ったり、創作上の低迷を経験したりする状態のこと。


――書きたい気持ちは諦めず、体を休めたのがよかったんでしょうか。 

そうですね。やっぱり休息が必要なこともあるんだと思います。


――お子さんがいらっしゃるそうですが、おうちで過ごされることが多いのでしょうか。

そうなんですよ。週1、2回ジムには通っていますが、コロナ禍のお篭もり生活を経てからは自宅に引きこもるタイプです。


――執筆以外の趣味もインドア派ですか。

本当に余裕があるときだけですけど、1人旅は結構好きですね。


――どこか印象深い旅行先はありますか。

鎌倉が好きなんですよ、前世はここに住んでいた!って思うくらい。地元でもなんでもないんですが、故郷に帰ってきたみたいな気持ちになるんです。


――もしかしたら武家のお嬢様とかだったかもしれませんね!

もしそうだったら面白いですね(笑)。


――桜や海など、観光スポットがたくさんありますがどういったところに行かれるのでし ょうか。

私は神社やお寺が好きですね。良いお寺もたくさんありますから。できる事なら自分の骨は長谷寺で永代供養して欲しいです。


――ギャップがあっていいですね。

書いてるものが中世ヨーロッパなのにお寺が好きってあんまり結びつかないですよね(笑)。


――続いて、七瀬さんが注目しているジャンルを教えてください。

悪役令嬢モノに注目しているんですけど、自分では書けないんです。元気のある女の子っていうのが上手く書けなくて。ざまあする相手にまで気を使ってしまって、あんまりスカッとした展開にできなくて。


――相手キャラに対して優しくしすぎなのではないでしょうか?

そうなのかな(笑)。中途半端な悪役令嬢キャラだと読者のヘイトを集めてしまうんじゃないかって、「気にしすぎて書けない」がループするという。

でもこれからもっと盛り上がるジャンルだと思うので頑張りたいとは思っていて、わがままな聖女の話なんかも書いています。元気いっぱいな女の子を書きたいです!


――ぜひ素敵な作品をお待ちしています! 今後の七瀬さんの夢はなんですか。

そうですね、連載中を含めて長編2作品をコミカライズしていただいていますが、もっとコミカライズできたら嬉しいです。自分のキャラクターが絵になって動くので、 私は書籍化よりもコミカライズの方が嬉しいかもしれません。


――ご自身でも絵を描かれるとおっしゃっていましたが別の方の絵だと感じるものも違 いますか。

全然違いますよ! プロの漫画家の先生はすごくしっかりと作品のイメージを読み取ってくださって、文章を漫画にしてくださるんです。凄いです、本当に。

紙書籍化もしたいという気持ちはありますけど、今の自分では、まだ足りないところだらけだと思っています。自分のスキルをもっと磨かないと。でもいつか叶えたい夢としては紙書籍も出したいです、頑張ります!

 

――七瀬さんからみてネオページの活動状況はどのように見えますか。

そうですね、最初はなにもわからなかったですし、会社のマネタライズはどうするんだろうとか、 原稿料も私たちがいただいてばかりだなと。でも水面下でいろいろ頑張ってくださっている、というのは感じています。文学フリマの協賛をなさっていたり、実績を作っているところなんだろうなって。

書籍化させようってなったらネオページには素晴らしい作家さんが大勢おられますし、出版社に売り込める作品はたくさんあるんじゃないかな。


――作家同士の交流や関係性はどうでしょうか。

SNS で交流しているとアットホームな感じはしますね! 私は X のアカウントが 2 つ あるんですけど、1 つがネオページ用、1 つが作品の告知用なんです。

でも告知用のアカウントってフォロワーが増えてもリアクションがほとんど返ってこないんですよね。 

ネオページの作家さんと交流しているほうのアカウントは、告知するといいねやリポストをしてくれて、それだけでも気持ちやモチベーションが上がりますし、私もネオページ作家さんを応援したいって思えるんです。

 

――ユーザーさん同士が仲良くしていただけているみたいで嬉しいです。 

編集部の人がそういう空気を作ってくださっているというのもあると思います。


――七瀬さんのファンの方に一言お願いします。

まずは読んでくださって本当にありがとうございます。10 万文字を書いてやっと全体の 3 分の 1 なんですが、胸きゅんシーンを後半にぎゅーっと詰め込んでいきます。遅筆ですが頑張って書きますので、ぜひご期待ください!


――これからネオページを使ってくださる方に向けて一言お願いします。

まずサイトを一度、ぜひ覗いてみてほしいです。使いやすさとか良い面がたくさん見えると思います。

もし外から見て「ネオページってなんだろう」「怪しくないかな」 って感じているなら気になっている証拠だと思うので、ぜひ登録して、使ってみて、 体験してほしいです!  楽しいですよ!


――今後のご活躍も期待しています! 本日はありがとうございました!


悩める王太子の癒し係~貧しさゆえに身売りをしたら、お忍びの王子様に買われました。 悩める王太子の癒し係~貧しさゆえに身売りをしたら、お忍びの王子様に買われました。 異世界恋愛 | ロマファン 七瀬 みお 14.6万字 溺愛身分差ハッピーエンド ブックマークブックマーク 読む


上部へ移動