
今回はネオページ契約作品がコミカライズ!けんゆう先生にお話を伺いました。
けんゆう先生ご自身について
――まずは自己紹介をお願いいたします。ペンネームの由来も教えてください。
「けんゆう」と申します。ペンネームの由来は本名です。正確に言うと、本名の漢字をひらがなに直したものです。
私はもともと韓国のサブカルチャー全般を考察することが好きで、趣味が高じて、「けんゆう2G(ツージー)」という別名義で、韓国のアニメーションや特撮作品の翻訳・評論活動を長年やっておりました。
ところが、2025年から急に思い立ってWebに小説投稿を始めたところ、とある先輩作家さんとお話しする機会を頂いた時に、「けんゆうセカンドジー」さん、と呼ばれてしまいまして……。気が弱いから、その場で訂正することもできず……。
以後、小説活動では「2G」はコッソリ削って、シンプルに「けんゆう」と名乗ることにしました。やっぱりWeb小説は、読みやすさが第一。まずはペンネームから、読みやすくしておこうと。
――小説を書き始めたきっかけを教えてください。
短編は、小学校3年のころから書いていました。星新一のショートショートや、江戸川乱歩『少年探偵団』シリーズを読みふけるうちに、自分でも創作するようになりました。高校では文芸部に所属しましたし、大学では自主映画製作サークルで、短い脚本を書いていました。
本好きだったのと、生来の負けず嫌いの性格が相まって、他の人の作品を見ると、「自分だったらこうする!」っていうのを、どうしても書きたくなっちゃう性分ですね。
ネオページ様でも、『その攻略対象、私が全部いただきますわ!』という悪役令嬢テーマの短編で、第7回テーマ別短編プチコンテスト最優秀賞を頂きました。短編、得意です。
長編初挑戦は、今回コミカライズ化の運びとなった『温泉マニア令嬢の異世界湯けむり革命記』。ですが、これを絶対に当てたかったので、長編投稿の練習を兼ねて書き始めた『白雪姫の姉は辺境で静かに暮らしたい〜毒親魔女とゾンビ妹が騒がしいので、怠け者公爵との激甘スイーツ生活を死守します!〜』という作品のほうが、先に書き上がりました。
――普段はどのような流れで執筆されていますか?(執筆時間やプロットの作り方など)
プロット至上主義ですね。かっちり作りこんで、それに沿って本文を書いていきます。パソコンよりも、スマホでポチポチ書いていることが多いですね。フリック入力がまだできなくて、執筆速度が遅いのが悩みどころです。
――執筆中に欠かせないもの(飲み物・音楽・アイテムなど)はありますか?
ひとりで静かに集中できる環境が欠かせません。そこでお風呂です。自宅のお風呂に、スマホを持ち込んで書いています。
フランス革命の指導者でマラーという人がいて、一日の大半を浴槽に浸かりながら執筆をしていたそうです。私も近いものがあります。私はスマホの充電が切れたら出なきゃいけないので、マラーほどの長風呂はできませんが(笑)。
――オフの日はどのようにリフレッシュされていますか?
やっぱりお風呂に浸かって何も考えずにボーッとするのが、一番のリフレッシュですね。近場の銭湯に行ったり、温泉に出かけたり。家風呂と違ってスマホは持ち込めませんから、メディアデトックスにもってこいです。
――これまで影響を受けた作品や作家がいれば教えてください。
大学では英米文学を学びましたし、韓国のライトノベルや漫画からも、大きなインスピレーションを得ています。影響を受けた作品は数え切れません。1つだけ挙げるとすれば、夏目漱石の『坊っちゃん』ですね。小学校1年の時、生まれて最初に読んだ小説が、『坊っちゃん』だったんですよ。まさに、道後温泉が重要な舞台として出てくる話です。しかも漱石は松山の町を、そして文明開化後の日本を、「江戸っ子」にとっての「異世界」として、違和感たっぷりに書いている。異世界松山で温泉グルメを満喫して、マドンナでちゃっかり目の保養もして、悪役を成敗する。そして家では、最高のメイドさんが待っている。今の私の作風に、思いっきり影響を与えてるような気がします。
――先生ご自身も温泉やお風呂はお好きですか?お気に入りの温泉地や入浴スタイルがあればぜひ教えてください。
お風呂が大好きで、「温泉ソムリエ」の資格も取りました。でも実は、長い人生の中では、引きこもって風呂キャンセルしていた時期もあったんですよ。だから、風呂好きと風呂嫌い、両方の人の気持ちが分かるつもりです。
お気に入りの泉質はラジウムやラドンを含んだ放射能泉。私が住む愛知県では、猿投(さなげ)温泉が有名です。
「温泉ソムリエ」的にあまり推奨できる入浴スタイルではありませんが、個人的には、熱いお湯に肩まで浸かるのが好みです。
『温泉マニア令嬢の異世界湯けむり革命記』について
――『温泉マニア令嬢の異世界湯けむり革命記』はどのようなきっかけから生まれた作品なのでしょうか?
直接のきっかけは、娘とのバカ話です。「こんな異世界転生はイヤだ」というテーマで、創作小話をお互いに言い合ってたんですよ。「異世界に行ったら、お風呂がない世界だった。異世界、クッサ!」というのが、ウケましてね。「それ、書いて!」と言われたので、書くことにしました。まあ、娘には逆らえませんからね。
――「異世界×温泉」というユニークなテーマは、どのように思いつかれましたか?
まず、18年前のことになりますが、韓国出身の漫画家・Tiv先生の作品で『アンニョン!-we are peanuts-』という漫画を読んだんですよ。その中に、韓国の女子高生の当時のお風呂事情が紹介されてたんですね。日本との違いに、軽くカルチャーショックを受けました。それから「お風呂」の文化的な意味について、深く考えるようになりました。
それと、先に挙げた『坊っちゃん』もそうですが、日本文学では伝統的に「温泉」を、「この世」と「あの世」の境界の象徴として描くことが多かったわけですよ。志賀直哉『城の崎にて』もそうだし、ノーベル文学賞を取った川端康成の『雪国』だってそうでしょう。
私たちにとって、「お風呂」「温泉」とは、果たして何なのか。そういう問題意識は、ずっと持っておりました。「異世界に行ったら、お風呂がない」という娘に語った小話も、元はそういう疑問の積み重ねから生まれたんですよね。
――主人公・ユーナはどのような人物として描こうと考えましたか?
意志が強く、我が道を行くタイプの女性主人公キャラクターとして設定しています。
ユーナは封建的価値観の強い貴族社会に生まれ、「女だから家は継げない」と言われて強烈な婚活プレッシャーをかけられていますが、それに対する反発心もしっかり持っています。騎士学校に入って、騎士になろうとしたりします。
そんな彼女が、お風呂文化の前世知識を思い出すことをきっかけに、温泉によってエンパワーメントされて、夢をかなえ、社会をも変えていく。そんな姿を描きたいと考えました。
――本作を書くうえで、特にこだわったポイントや注目してほしいポイントを教えてください。
本作は、主人公ユーナの冒険物語と、温泉マニア・柚菜の動画配信の前世記憶が交錯しながら進行していくのですが、柚菜の動画配信の内容が、その後の展開の伏線・ヒントになっています。
だから、柚菜の温泉紹介シーンは短いですが、実在の温泉地に取材して、臨場感のある描写になるよう、こだわりを込めて書いております。マニアックですが、「温泉ソムリエ」としては注目してほしいポイントですね(笑)
――執筆していて特に思い入れのあるシーンや、お気に入りのエピソードはありますか?
「第十一湯 王都追放(後編)」の中にある手紙文は、書きながら自分でもちょっと泣いてしまいました。自画自賛ですが、良くぞここまで書けたなぁと勝手に思っている、作者お気に入りのエピソードです。
―― 一番苦労したシーンや設定があれば教えてください。
「第二十四湯 ユーナの奇策(後編)」のバトルシーンです。魔法が介在する戦闘場面ですが、だからこそ、魔法以外の部分は、しっかりと科学的考証をやりました。ユーナの策で実際に敵を倒せるのかどうか、ジュール(熱量)を計算して、検証を重ねております。
――初めて作品を読む方へ、「まずはここに注目してほしい!」という見どころを教えてください。
異世界の温泉をテーマにした先行作品は色々とありますが、本作の主要な見どころは、単なる温泉オタク知識の羅列ではなく、エロでもなく、「コメディファンタジー」の要素が強い点にあると思っております。ユーナは「異世界でもお風呂に入りたい」という、彼女にとっては当たり前の欲求に忠実なだけなのですが、異世界人からはそれが奇行に見え、時には弾圧の対象となる。そうした、「すれ違いコント」の効果を狙っています。お互いに大真面目なのに、情報の非対称性から、おかしなシチュエーションが生まれる。そこにご注目頂きたいと思います。
コミカライズ決定について
――コミカライズが決まったと聞いたときのお気持ちを教えてください。
「応援してくれた読者の皆様、そして商業化に動いて下さったネオページ様、Gコミ運営の株式会社ジーオーティー様、本当にありがとうございます!」と、限りない感謝の念が湧きました。
嬉しすぎて、少し舞い上がってしまいました(笑)。それくらい思い入れの深い作品ですし、自信作だったので。
――コミカライズのお話を初めて聞いたとき、真っ先に思い浮かんだことは何でしたか?
今までいろんな人から、「小説? 漫画になったら読んでやるよ!」って、さんざん言われてきたんですよね。実は、本作執筆のきっかけになった娘もそう言ってて、小説、読んでくれないんですよ(笑)。
だからこれから、「漫画になるから、読んでよ!」って言えるなあと思いました。コミカライズを通して、原作にも少しでも興味を持ってもらえたら幸いですね。
――漫画ならではの表現で、「ここをぜひ楽しみにしている」というポイントはありますか?
本作はコミカル調の異世界ファンタジーを目指しているので、漫画ならではのデフォルメ表現とテンポ感には、比較的フィットしやすい原作だと自負しております。ギャグシーン、白熱の冒険・バトルシーン、そして入浴シーン。いずれも、ビジュアル化されることで本作の魅力が一層はっきりと際立つでしょう。とても、楽しみにしております。
――ネームやキャラクターデザインなどをご覧になった際のご感想をお聞かせください。
コミカライズを担当頂けることになった岩戸あきら先生は、私も過去作をいくつか愛読しておりますが、画力に高い評価があり、多彩な実績をお持ちの漫画家さんです。ネームやキャラクターデザインを拝見して、大胆なアレンジ構成と、イメージ通り以上の美麗なキャラクターデザインに、深く感動しました。「やっぱり漫画家さんって、すごい!」と、改めて感じ入った次第です。
――漫画版で特に注目してほしいシーンやキャラクターがあれば教えてください。
岩戸あきら先生お気に入りのキャラクター、メイドのリンちゃんの可愛さに注目です。原作でも、リンちゃんが「ただの従順なメイド」にならないよう、人物描写には気を付けて書いたつもりですが、漫画版の原稿を拝読させて頂いたところ、リンはセリフも足されていて、可愛さマシマシ。3倍増しくらいに優遇されているようです(笑)。
ユーナとリンの楽しい掛け合いを、ぜひとも楽しんで頂きたいと思います。
ネオページ・契約作家について
――ネオページで連載を始めた印象はいかがでしたか?
ネオページは、専用アプリの操作性と視認性が優秀で、他のサービスに比べると、作品が探しやすく、読みやすい。とても画期的な読書体験を提供している小説投稿サイトだと思いました。投稿した作品には読者さんからの反応が得られやすく、作家同士の交流も多めなので、創作の大きな励みになります。契約作家制度があり、コンテストも随時行われているので、作品から収益を得て、プロ作家を目指すことができる。チャンスに満ち溢れたWeb小説プラットフォームだと実感しています。
――契約作家として活動する中で、「契約前と印象が変わった」と感じたことはありますか?
SNSでも「ネオページ契約作家」を名乗って活動するようになって、自分の作品が読まれることだけでなく、ネオページという小説投稿サイト全体のブランド価値を盛り上げたいと、意識するようになりました。これからもネオページから書籍化・コミカライズされる作品がどんどん出てくると思いますが、全力で応援して参りたいと考えています。
――コミカライズ決定までの道のりを振り返って、印象に残っている出来事があれば教えてください。
『温泉マニア令嬢の異世界湯けむり革命記』は、先行して他サイトに投稿した時は、あまり成果が振るいませんでした。しかし、ネオページの皆様から熱いご支援を賜り、ついに契約作品化・コミカライズ実現にこぎつけることが出来ました。まさにユーナらしい、鮮やかなリアル逆転ヒロイン展開だったなぁと、印象深く感じています。
――ネオページの読者から寄せられた感想やコメントの中で、特に励みになったものはありますか?
全てのコメントやレビューが、大きな励みになっています。全エピソードにコメントを下さった方もいらっしゃいます。この場を借りて、改めて心より厚く御礼申し上げたいと思います。
特に、『白雪姫の姉は辺境で静かに暮らしたい』は、本作のレビューを書いて下さった方がネオページ様のベストレビュー募集企画で入選されたり、同じく、夏のレビュー祭企画でプロ作家のアレセイア先生からもレビューを頂けたり、非常に感想に恵まれた作品だったなぁと、ありがたく感じております。
――ネオページで連載・契約作家として活動したことで、ご自身の執筆にどのような変化がありましたか?
自分の書いた小説が賞を取り、お金になることは、何ものにも換えがたい喜びでした。しかしお金を頂く以上は、責任も伴います。期待に応え、さらに予想を超えていく作品をお届けしなくてはと、日々、身の引き締まる思いです。
――今後ネオページに期待していることや、「こんな企画があったら嬉しい」と思うことがあれば教えてください。
ネオページ様は2周年を迎え、書籍化・コミカライズが続々と実現しており、業界の注目も集まっています。ここで、もっと多彩なジャンルで、メディアミックスに繋がる企画が続々と立ち上がるといいなあと思っております。以前行われたレビューコンテストのように、読む側・感想を書く側にインセンティブが生じる企画も、もしまた再開されることがあれば、嬉しい限りです。
今後の展望・ファンへのメッセージ
―― 今後挑戦してみたいジャンルや、書いてみたい作品があれば教えてください。
ネオページ様では、まずは『温泉マニア令嬢の異世界湯けむり革命記』と、「ラブコメ大賞」小説部門とコミック原作賞を頂いた『鉄壁ガードのスミコさん!〜俺に恋愛指南してくるギャル先輩が最強すぎる件〜』の続編に、注力したいと思います。
その次の構想としては、『鉄壁ガードのスミコさん!』の中に、劇中劇として『後宮料理人の事件簿』という、中華後宮ものの架空作品が出てきます。これを『鉄壁ガードのスミコさん!』のスピンオフとして、実際に書いてみたいと考えています。
――『温泉マニア令嬢の異世界湯けむり革命記』の今後の見どころを、ネタバレにならない範囲で教えてください。
今後、色々な種類の温泉と、各温泉に対応する可愛らしい「泉女」キャラクターが、バンバン出てきますよ!
果たしてどんな「泉女」が出てくるか? 是非とも楽しみにして頂きたいと思います。
――最後に、作品を応援してくださっている読者の皆様へメッセージをお願いいたします。
皆様、いつもご愛読ありがとうございます! 『温泉マニア令嬢の異世界湯けむり革命記』や『鉄壁ガードのスミコさん!』がより一層皆様にお楽しみ頂ける作品となり、コミカライズも成功できるよう、引き続き全力で頑張って参ります。
『温泉マニア令嬢の異世界湯けむり革命記』のコミカライズ版は、2026年7月24日(金)から漫画配信サービス「Gコミ」で、連載開始となっております。いいね・お気に入り登録、応援ポストやファンレターを頂けますと、漫画家の岩戸あきら先生共々、この上ない喜びです。どうか温かいご支援の程を、何とぞよろしくお願い申し上げます。
温泉マニア令嬢の異世界湯けむり革命記
異世界ファンタジー
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冒険・バトル
コメディ/お嬢様/レベルアップ/
鉄壁ガードのスミコさん!〜俺に恋愛指南してくるギャル先輩が最強すぎる件〜
現実世界
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ラブコメ
コメディ/強気な女/実力隠す/