作家インタビュー:三原みぱぱ――血のつながりが無くても本当の家族になれる。それを三人の物語で表現したかったのです。ネオページ編集部|2026年08月31日


今回はネオページ契約作品がGコミにてコミカライズ連載開始!三原みぱぱ先生にお話を伺いました。


三原みぱぱ先生ご自身について

――まずは自己紹介をお願いいたします。ペンネームの由来も教えてください。

三原みぱぱと申します。Gコミさんで漫画が連載中の「はっこう令嬢のスローライフ」の原作を連載させていただいていました。

初めは「魑魅魍魎」というペンネームだったのですが、ある人からプロになった時にサイン書けるの? と言われて「みぱぱ」に変更しました。

みぱぱは、私の子供が三人姉妹なので「三人姉妹のパパ」と三女のあだ名が「みぱ」だったので「みぱのパパ」のダブルネーミングで「みぱぱ」にしました。

しばらくみぱぱで活動していたのですが、みぱぱのままでは姓名判断ができないので、姓名判断で良かった「三原」を足して「三原みぱぱ」にしました。


――小説を書き始めたきっかけを教えてください。

そもそも小説を書き始めたのは中学生の時です。塾に行っていたため、授業内容が退屈になり、授業中に暇つぶしに小説を書き始めたのがきっかけです。大学では文芸部に入って、創作活動をしていたのですが、社会人になったタイミングで一度創作を止めました。三女が小学生高学年で手がかからなくなったのと、仕事に慣れてきたタイミングで、「小説家になろう」を知ったのが創作を再開したきっかけです。


―― 普段はどのような流れで執筆されていますか?(執筆時間やプロットの作り方など)

執筆のタイミングは平日家に帰ってから1~2時間と土曜日の午後から半日程度です。出張がそれなりにあるので、移動中とかホテルに帰ってからとかも執筆しますね。

書き方としては、設定(主人公の性格や能力、世界観)が先に出来て、書きたいシーン(ラストシーン含めて)をいくつか作って、そこをマイルストーンにして全体像を作る感じですね。

プロットも設定もあくまでメモ扱いで、書いている途中で追加変更はします。

ちなみに作品によってはノープロットで書き進めて、設定を忘れないためにプロットを書いていくこともあります。

つまり、行き当たりばったりで書くことが多いですね(笑)


――執筆中に欠かせないもの(飲み物・音楽・アイテムなど)はありますか?

執筆中に欠かせないものは緑茶です。コーヒーの飲めない私のお供は緑茶です。

あと、アニメを見ながら執筆することが多いのですが、推敲する時はテレビを消します。書くときはテレビを見ながらできるのですが、読むときはできないんですね。

そして、本気で集中する時は、アニソンをかけてアイスミルクティーを飲んでテンションを上げながら、一気に書き上げます。


――オフの日はどのようにリフレッシュされていますか?

オフの日というのは、仕事も執筆もしない日ですかね?

基本的に、土曜日は執筆の日にしているので、オフは日曜日だけになります。

日曜日の午前中はテニスに行っていますが、雨などでテニスが無い時は、アニメを見ながら執筆するか、マンガや小説を読んでいます。あと、週末の夜はお酒飲んでいることが多いです。お酒は弱いんですが、お酒、好きなんです。

あとは、文学フリマに参加したり、創作仲間とオフ会したりですね。


――これまで影響を受けた作品や作家がいれば教えてください。

火浦功先生のギャグは、私の笑いの根底に流れていますね。

私はずっと男性向けのファンタジーを書いていたのですが、女性向け作品を書くにあたって参考にさせていただいたのは西根羽南先生です。おかしな設定で笑いを誘いながらも、しっかり恋愛を描く作風が大好きです。

そして、はっこう令嬢を書くにあたって影響を受けたのは、発酵という意味では石川雅之先生のもやしもんと、家族愛では岩本隆雄先生のイーシャの舟です。

石川先生とコラボってできないですかね?


――ロマンスファンタジー作品を書くうえで、先生が特に大切にしていることは何でしょうか?

ロマンスファンタジーというか、恋愛物で大切にしているのは、恋に落ちる理由やシーンをしっかり決めることですかね。一目ぼれとか何となく好きという理由にしないようにしていますね。作者が理屈っぽいからなんでしょうね。(笑)


『はっこう令嬢のスローライフ』について

――『はっこう令嬢のスローライフ』はどのようなきっかけから生まれた作品なのでしょうか?

そもそもはっこう令嬢の設定を考え始めたのは2022年からコロナが流行って、ウィルスについて色々とニュースに取り上げられていた時期です。ウィルスが原因だと分かっていても、世間が目に見えないものを恐れている状態をみて、昔、スペイン風邪やペストが流行った時はどうだったのだろう? 今よりも知識は少なかったはず。見えないが、そこにあるものに対する恐れ。それって、魔法と間違えないだろうか? と思いました。

細菌を操る能力って魔法っぽいよね。石川雅之先生のもやしもんでも、主人公は細菌が見えて、捕まえる能力があったよね。あれが細菌の概念が無い昔なら、聖女か魔女かな? ということで、細菌を操る聖女、「はっこう令嬢」が誕生しました。


――婚約破棄や追放から始まる物語に、「スローライフ」という要素を組み合わせた理由を教えてください。

初めは細菌を操る能力を持った聖女が隣国に追放されて、祖国に復讐するというストーリーを考えていたのですが、復讐劇や悲劇は私の作風に合わないかな? という理由で、ラブコメディにしました。

食と親和性が高い発酵をテーマにしたので、料理物=スローライフにしたのですが、ただの田舎のスローライフだけですと物語の展開や深みが出にくくなるのではと考えました。そこで流行の婚約破棄、追放を入れて物語のギャップを生むようにしました。


――主人公・サラをどのようなヒロインとして描こうと考えましたか?

自分が婚約破棄、追放されても、復讐なんて考えないポジティブな性格ですが、身近な大事な人が危険にさらされると、自分のことを顧みない強いヒロインですね。自分のことには耐えられますが、自分の大事な人が不幸になることが耐えられない優しく、強いヒロインです。

ちなみにサラは世界を救うなんて気持ちはこれっぽっちもなく、自分が好きな人、大事な人を救うついでに世界を救っていたという、人間らしいヒロインとして描いたつもりです。


――サラが追放先で新たな人生を切り開いていく姿には、どのような思いを込められていますか?

人生には望まぬ状況に陥ることは多々あると思いますが、それでも真面目に前向きに生きていれば希望は生まれていく。そうあって欲しいと願ってます。


――エリオットやハンナとの交流など、本作で描かれる「家族のような絆」も印象的です。この関係性を描くうえで意識したことはありますか?

自分が親になって痛感したのですが、血のつながった家族でも、「家族になる努力」を怠っては「本当の家族」になれない。親による育児放棄、虐待。子供からの暴力や過大な反抗などあれば、血がつながっているだけの他人。夫婦、親子がお互い尊重しながら絆を紡いで、初めて家族になると感じました。逆に言えば、それができれば血のつながりが無くても本当の家族になれる。それを三人の物語で表現したかったのです。

ここのテーマはイーシャの舟に色濃く影響を受けていますね。


――タイトルにもある「はっこう」というテーマは、物語の中でどのような役割を担っていますか?

はははは、ここを突っ込んできますか。ネタバレを含みますが、初めのタイトルは「発酵令嬢のスローライフ」の予定でした。しかし、追放令嬢の設定にした時に「薄幸」を思いつき、聖女設定の時に「発光」で光の聖女としました。「発行」と「白稿」は後付けですね。

ネオページさんは、表紙が充実しているので、タイトルを長くする必要が無かったのですが、やはりタイトルは人の目を引くものにしたかったので、「はっこう」とひらがなにして、どういう意味の「はっこう」なのか読者の興味を引くようにしました。


―― 執筆していて特に思い入れのあるシーンや、お気に入りのエピソードを教えてください。

思い入れがあるシーンはやはり、サラが光の聖女として覚醒するシーンですね。ネタバレがあるので、詳しくは言いませんが、色々と判明する一番初めのクライマックスですから、特に思い入れがありますね。

お気に入りのエピソードは、アリスの初登場と、アリスのバージンロードです。アリスのバージンロードは、本編に大きく関わらないのですが、ここのシーンのための伏線をあっちこっちにちりばめていたので、このシーンを書いた時は、やっとここまで来たという思いでした。


――一番苦労したシーンや設定があれば教えてください。

苦労したのはハンナ誘拐事件です。ミステリーは苦手というか、過不足なく情報を提示した上で読者の期待(推理)を上回らなければならないと思っているのですが、そういう意味でハンナ誘拐事件はうまく書けていたか、今でも不安です。

あと、苦労したというか、本当にこの設定で大丈夫か? と思っているのがメルキュールです。ノリと勢いでメルキュールの性格を決めたので、この人、こんな性格で大丈夫か? と不安です。 


――初めて作品を読む方へ、「ここをぜひ楽しんでほしい!」という見どころを教えてください。

まず、ハンナの天使的な可愛らしさを楽しんで欲しいです。

そして、主人公たちはもちろん、他の登場人物たちの悩みや苦悩を乗り越えて、成長する物語を楽しんで欲しいです。特にロックの成長は作者もビックリです(笑)

基本的に明るく楽しい作品になっていますので、ほっこり笑っていただけたら嬉しいですね。


コミカライズについて

―― コミカライズが決まったと聞いたときのお気持ちを教えてください。

コミカライズのご連絡を受けた時は「えー! ウソ! マジで! スパムじゃない?」という気持ちで、正直言って、信じられませんでした。

受賞歴も書籍化経験も、もちろんコミカライズ経験もない、完全なアマチュア作家の私に、こんな話が来るとは思っていませんでした。

嬉しかったのと同時に、初めてのことで不安も大きかったです。

でも、この機会を逃すと、二度とチャンスはめぐって来ないのではないかと思い、受けさせていただきました。

それに、創作仲間で契約作家のとんこつ毬藻先生がコミカライズをされていたので、何かあったら教えてもらおうと思っていました。

実際、コミカライズの準備が始まり、慣れない作業の連続でしたが、担当編集者さん、コミックMeDuさんの編集さんをはじめ、漫画家のさがみのの子先生に助けられて、なんとかなりました。


――漫画版をご覧になって、「このシーンはぜひ読者の皆さんに見てほしい」と感じた場面はありますか?

のの子先生の描くキャラクターの表情がどれも豊かなんですよ。特にハンナ! 「ハンナは特別可愛く描いてください」とお願いしたのですが、想像以上に可愛い! それも回を追うごとに可愛くなっていきますから、ぜひ、可愛いハンナを見てください。あと、料理もテーマの一つなので、美味しそうに描いていただいて、大満足です。

サラとハンナが料理を作るシーンとか、エリオットのセクシーショットなど、見て欲しいシーンは盛りだくさんです。

新しい原稿が上がってくるたびに、「ここサイコーです!」というシーンがあるので、みなさん、私がどこのシーンでサイコーと思っているか考えながら見てください(笑)


―― 作画をご担当されるさがみのの子先生のイラストやキャラクターをご覧になったときの第一印象を教えてください。

初めてキャラクター設定やイラストを見せていただいた時、可愛い絵を描く人だと思いました。

ただ、イラストと漫画は別物だと思っていたので、不安はありましたが、実際に原稿をチェックさせていただくと、表情豊かで動きもあり、漫画的な笑いどころを入れていただいて、大満足です。


――原作と漫画、それぞれの魅力はどのようなところにあると感じていますか?

漫画は原作をパワーアップして作っていただいています。原作の3割増しの漫画をお楽しみください。

さっくりとストーリーを楽しみたい方は、原作を読んでくださいね。


――コミカライズを楽しみにしている読者へ、注目ポイントを教えてください。

注目ポイントは何といってもハンナのかわいらしさと、三人のほんわかしたやり取りの楽しさです。コミカルに描いていただいているので、笑っていただきたいです。

また、主人公たちは三者三様の秘密と悩みを持っていますが、少しずつ本当の家族になっていく様子をお楽しみください。ジャンルは異世界恋愛なのですが(笑)

あと、1話の表紙で、ジェラール王子の隣にいる、謎の男は注目ポイントです。(原作を読んでいる方には誰かすぐわかりますが)


ネオページ・契約作家について

――ネオページで連載を始めた印象はいかがでしたか?

編集さんがついて、連載をすること自体初めてでしたので、正直、不安でいっぱいでした。


――契約作家として活動する中で、「契約前と印象が変わった」と感じたことはありますか?

先ほど、お答えした通り、はじめは不安でいっぱいのスタートでしたが、契約関係、支払いの関係、担当編集さんのレスポンスもよかったので、契約してよかったと思いました。

私の契約より前に創作仲間の数名が先にネオページさんの契約作家になっていたので、何かあれば相談しようと思っていましたが、ほぼ、相談することがなかったくらいです。

私はこれまで作品について人に相談することはほとんどなかったのですが、担当編集が付くことによって相談できるようになったのはありがたかったです。


――コミカライズ連載が決まるまでを振り返って、印象に残っている出来事があれば教えてください。

一番驚いたのは、ランキング1位を取った後ですね。「内緒でアイドルやってたら、俺のガチファンであるイケメン王子に脅されました」を連載されていたつきよのさんに、「はっこう令嬢」の紹介動画を作っていただいて、そこから読者が増えて、人気ランキング1位になりました。それまで、ランキングに入ることなんてなかったので、ビックリしました。おかげさまで、それまでつながりのなかった人から「はっこう令嬢のみぱぱ」と認識されるようになりましたね。


――ネオページの読者の皆様から寄せられた感想やコメントで、特に励みになったものはありますか?

読者の感想を食べて生きている作者なので、感想、コメントはどれも励みになります。

いろいろな「はっこう」に反応していただいた感想と、「サラブレッド」に対する感想は、作者としては嬉しかったですね。

あと、ハンナの誘拐犯が判明した時の「予想外だった」は最高の褒め言葉でした。


――ネオページで連載・契約作家として活動したことで、ご自身の執筆にどのような変化がありましたか?

自分の文章でお金もいただいたということが初めての経験でしたので、自信をいただきました。

また、連載として、締め切り+最低文字数があることによって、自分の執筆ペースがつかめたのも大きいですね。

これまであまり執筆ペースを気にしていませんでしたが、4か月で10万文字、1年で30万文字書けることが分かったので、これから新作を書くときの目安ができました。


――今後ネオページに期待していることや、「こんな企画があったら嬉しい」と思うことがあれば教えてください。

小説サイトであるネオページさんには、これからもネオページ発の書籍化作品を生み出していただきたいので、他の出版社さんとのコラボコンテストを積極的にしていただきたいです。

短編コンテストなども含めて、色々なジャンルのコンテストを定期的にしてほしいです。

あとネオページ発のアニメ化作品が出ると、作家も読者も夢が広がると思います。発酵食品の企業の皆様、はっこう令嬢のアニメのスポンサーなんていかがですか?(笑)


今後の展望・ファンへのメッセージ

――今後挑戦してみたいジャンルや、書いてみたい作品があれば教えてください。

私自身、まだまだ駆け出しの作家ですので、いろいろなジャンルを書いてみたいという希望はあります。

ネオページさんで力を入れられている「逆転ヒロイン」をはじめ、Gコミさんでも連載されている「AR/MS!!」のような架空スポーツ物。その他、一般文芸、現代ラブコメなど、書き出しやネタだけメモにしている作品が多くあるので、それを形にしていきたいですね。


――最後に、『はっこう令嬢のスローライフ』を応援してくださっている読者の皆様、そしてコミカライズから作品に触れる皆様へメッセージをお願いいたします。

「はっこう令嬢のスローライフ」を応援していただいている皆様、いつもありがとうございます。

原作は完結していますが、コミカライズという新たな命をさがみのの子先生に吹き込んでいただいております。これからも、原作を含めて、コミカライズのはっこう令嬢の応援をよろしくお願いします。

読者の皆さんが、読んで楽しい気持ちになる作品作りを心掛けていますので、読んで面白かったと思っていただければ作者冥利に尽きます。そしてそれを感想、ファンレターに書いていただけると嬉しいです。


――今後のご活躍も期待しています! 本日はありがとうございました! 


はっこう令嬢のスローライフ はっこう令嬢のスローライフ 異世界恋愛 | ロマファン 三原みぱぱ 232話 日常/ほのぼの/西洋風/ ブックマークブックマーク 今すぐ読む





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