あらすじ
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全東京都が噂していた。 卯月夏音は、病室で負傷した恋人・狼谷琉斗を捨てた女だと。 彼は彼女のせいでレーサーとしての夢を失った。 そう世間は決めつけ、彼女は何事もなかったかのようにベルリンへ音楽留学へ向かったのだと。 メディアは彼女の物語を勝手に作り上げた。 ――冷酷なシンデレラ。 王子を利用し、必要なくなれば捨てた女。 その隙を狙い、望月紗良の周囲は婚約の偽装を仕掛けた。 黒いバラ。 お揃いの指輪。 屋敷へ出入りする写真。 一つ一つの証拠が、卯月夏音の心の傷をえぐるように広がっていった。 そしてある深夜。 狼谷琉斗が、初めて世間へ向けて声を上げた。 「俺は毎月ベルリンへ飛んでいた」 「四年間で、168枚の航空券。1561日」 「俺が何を望んでいたのか、彼女が知らないはずがない」 「卯月夏音、これ以上俺を失わせるな」 公開された航空記録。 公開されたベルリン公演のチケット。 四年間分の限定公開投稿。 そこに残されていた真実は――。 彼には、新しい恋人など存在しなかった。 彼はただ、彼女を待ち続けていた。 1561日。 その想いさえ、彼女には伝えなかった。 彼女の負担になりたくなかったから。 そして卯月夏音は、東京音楽ホールの舞台へ立った。 完璧なソロ演奏で、彼女の実力を疑ったすべての人々を沈黙させるために。 彼女は、誰かに証明してもらう必要などなかった。 ただ一つだけ。 彼に伝えたかった。 ――私は、帰ってきた。 閉じる
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作品アチーブメント
創意工夫ありし者創意工夫ありし者2026-07-21 09:30ネオ・デビューネオ・デビュー2026-07-20 18:34作者のひとりごと作者のひとりごと
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