その投稿を見た途端、アバドン生命の樹魔法学園の方ではいきなりその居場所を隠していた霧が晴れ始める。それと同時に、遥か遠くの方にある大きな膜のような物が一気にバラバラと崩れ始めた。その麓からは一気に火の手と争う声が大陸中を伝って僕の耳に聞こえてくる。
前原「何だ・・・ありゃあ・・・?」
その連勤連夜の勤務のお陰で落ちた視力を見てしても、その崩れていくさまが何なのかははっきりと見える。そして僕はあの時引きちぎったペンダントを握りしめるのだった。それはこの魔法の三原則を使い、あの星の信者の総本部の元へボートと共に落ちていくのだった。どうやらこのペンダント、魔法の三原則を使うように握りしめるとボタンのように自然にこの海をすり抜けるようだ。まるでゲームオブジェクトを物理特性によって制御するクラス、Rigidbodyと呼ばれる物で衝突検知、コライダーを、当たり判定をオフにするような物のようだった。まるで何か、Unityの一能力がそのままゲームに落とし込まれているような感じがしていて、配電盤や配線がむき出しになっているスマホみたいで少し気味が悪い。そんな不快感と、それでも奴を絶対に倒すんだ、この世界を、この自分が作った大切な世界と人間に、そして魔王を倒しても終わらないゲームを終了させるんだ。
~大陸北部・ミショーン~
森の中に佇む再興中大きな屋敷の中、一人の女の子がベッドの上で布団に包まりながら、そして亡くなったあの人の形見である、尾が少し曲がっている丸形の鍔を持った剣を抱き締めながら、うつろな目で日々を送っていた。彼女はまるでゲームのバグのように「マエハラさん前原さんマエハラさん・・・////」と包まった殻の中で妖艶した声を出しながら、うつろな目でその剣の柄にあるわずかなにおいをかいでいる。そんな中、一人の者がその場所に侵入してきた。その名は凌雨華、かの凌望師範の一人娘であり、大陸においてその最強の実力とそれに伴う圧倒的な噂を聞かない事がない者が、かつて彼女が知っているようなあの中性的なイケメン女子とはかけ離れている彼女の元へとやって来た。それは何か?とある事を伝えにだ。
凌雨華「ヴィト・ローズ、伝言がある」
そんな事を窓から隠れるように入ってきて呼ぶものの、彼女はうつろな目で包まっている。ここ3年ずっと泣き腫らし、退廃的な生活を繰り返し、まともな食事も摂らず、そして髪の毛はボサ髪のように伸びて、ただ目の下にあるほくろだけが私はヴィト・ローズだと伝えていた。前原悟には分からなくて見落としていた、その泣き黒子だけが。しかしその伝言の為に来た彼女にも目もくれず、ただ「マエハラさんマエハラさん」と、目の前からいなくなったその愛する人に現実逃避して聞く耳を持たない。そんな彼女でも興味を引くほどの事を、凌雨華は伝える。
凌雨華「マエハラサトルは生きている。死んでない」
その瞬間、包まられた布団の中から一本の剣が彼女に向かって投げられる。それは超音速のようで、まるで私達が戦った銃のように。その剣は私の槍の先を掠った後、壁に刺さった。それは彼女の父親が前原悟に渡した刀ではなく、薔薇の刻印が柄に刻まれた直線的で両刃の剣。
ヴィト「もう嘘はつかなくていいんだよ?3年間経って何しに来たの?大好きな人に先立たれた僕を冷やかしに来たの?」
そうやって彼女は布団の中から立ち上がると、憎しみを持った目で凌雨華を睨みつけている。
ヴィト「そうやってさぁ!なんで僕なんかに関わるの!?知ってるんだよ?あの時、3年前の時マエハラさんは崖から飛び降りて自殺したって!」
凌雨華「違う!目を覚ませヴィト!あんたは勘違いをしてるんだ!あの崖の下は・・・水で囲まれてるから・・・マエハラは・・・」
目の前の彼女はその場でずっと、最後の騎士道を忘れないが如くぐっと涙をこらえている。
ヴィト「で?それでなんで生きてるって言えるの?」
そんな彼女はそう言いながらゆっくりと、じりじりと近付いていきその凌雨華の胸倉を掴む。しかしそれには臆することなく、とある事を言った。
凌雨華「アルファ・・・掲示板・・・!」
その彼女の力で少し悶える中、苦し紛れに言ったその言葉が、彼女の目をその憎しみと悲しみに満ちた監獄から奪う。それは、白い長方形の画面、アルファ掲示板が乗っている白い板だ。そこには、“マエハラサトル”の文字が、くっきりと映し出されていた。
ヴィト「・・・!」
その憎しみの目は、希望の目へと、まるで愛する人との久しぶりの再会を懐かしみ嬉しむような。そんな気もちに彼女は包まれて、その掲示板を触ろうとするものの、その手はただ通り抜けるばかりだった。
凌雨華「まあこれはね、アルファ掲示板っていう、マエハラが「どこに?どこにいるの?この中にいるの?ねぇ、マエハラさんは本当に生きてるんだよね?」
そんな彼女は絶望から這い上がり、少しの希望が見えてくる。そう、彼は生きているのだ。その喜びか、それとも安堵かは分からないが、凌雨華はそれに対して粋な対応を見せた。
凌雨華「わかった。聞いてみ・・・って早~!」
そんな事を言わずとも、彼女はその屋敷の中を駆け抜けていった。まるでその名前の人を探るかのように
~海の下~
そうやって星の信者の総本部にある海の下へと向かっていく。まるで落ちていくように。そんな中、アルファ掲示板が落ちていく中開かれる。そこにあったのは“剣の初心者”、そう凌・・・雨華の方だ。
剣の初心者“いまどこ?”
マエハラサトル“海の下”
剣の初心者“は?”
マエハラサトル“いいか?僕らが見てる大陸の海はただの平面だ。その海の下にはふつう何もない。それなんだが、星の信者達の総本部がそこにある。”
信者どもは貢ぐべし“どういう事?この大陸と、銀の皿に囲まれたのがアイセラ大陸じゃないの?”
ABS553“怖いなぁ~とづまりすとこ”
こいつは楽観的なモノか・・・待ってろABS553、今からお前の家凸するからなこの野郎。
マエハラサトル“じゃあオラオラ来いよおらぁ!”
ひでしね(直球)。まあとりあえず目には目を、淫夢には淫夢を、だ。確かに僕が大切にしていた植木鉢(アイセラ大陸)を軒並み割られた物だから分からせないと(使命感)。
するとその海の中が見えてくる。しかしそれは常識とはあまりにもかけ離れている物であった。それはあの時見た白い平面ではなく、そしてこっちが考えているような海底でもなく、新しい陸地と海が見えていた。そう、まるでバル・ベルd・・・これ以上言うとまた著作権でどやされるから言わないけども、そんな風の南国の島の感じがした。その昼の島に上陸、いや前原悟はその島に潜入していくことになる。
島に行くまで自分の乗って来た小さなボートを打ち揚げ、持ってきたたった数丁の銃と、誰かが置いて行ったかもわからない魔法の杖を持っていく。そしてそれだけでは足りなくて、アルファ掲示板で少し100%OFFの買い物をする。それはこいつら、
モデル 拳銃 ダウンロードする
モデル アサルトライフル ダウンロードする
モデル 手りゅう弾 ダウンロードする
手榴弾6個と拳銃、あの一人のサイボーグ大佐をイメージするが如くそのモデルをダウンロードする。ていうかあれだからね?何もそのモデルにコードとかアニメーションとか組んでなかったらただの置物だからね?何も殺傷力もクソも無いからね?
まるであの人のようにボートからその装備達を取り出し、それぞれを自身の体に巻き付けるように身に着けていく。自分が着けていたコートを脱いで手榴弾を紐で巻きつけ、デザートイーグルという拳銃の薬室に弾を込め、自分の身体に何か、塗料の付く石で腕と顔に波波のペイントを塗っていく。まるで元コマンドーの大佐のように、そしてM4A1とMP5の弾を確認して、片方は担いで、そしてライフルなりサブマシンガンなりの束をスリングという負い紐で持つと、
デェェェェェェェン
そんなマリンバの中に出る効果音が鳴る感じがしていた。
実績解除 “筋肉モリモリマッチョマンの変態”
さぁこんなコマンドーミームを10万ドルPON☆とくれてやるほどに、だけどもな大佐、コマンドーのネタを出せと言われたらタダでも喜んでやるぜ?
アルファ掲示板の全員に連絡しろ。何が始まるんです?大三次大戦だ!
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ABS553「口だけは達者なトーシロばかり、よく揃えたもんですなぁ。まったくお笑いだ。マエハラサトルが居たら、奴も笑うでしょう」
その前原悟こと筋肉もりもりマッチョマンの変態こと元教祖がそこに乗り込んでいる中、邸宅のような豪邸のような場所で星の信者達の現トップであるABS553にグンソウと呼ばれるゴブリン、SGTE5が詰められている。まるで何か不備を疑うような、黒電話の粛清を待っているかのような雰囲気が立ち込めている。
SGTE5「ABS553さん、私の兵士は皆、星の狂信者でございます」
ABS553「ただのカカシですな。俺達ならまばたきする間に(フィンガースナップを挟み)皆殺しにできる、忘れないことです」
そんなセリフを言うとまるで、現行の教祖に恨みを持っている人間のような、まるで殺された後にトリックだよで生き返るような男に見えた。そのABS553とやらは完全に自分のアイデンティティ、いやその本当の自分を隠すための仮の身分を捨てていた。その顔はどこか、遠い昔の・・・