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第103話 初めてを君に⑧〜side秋斗〜

「だめ……、入れるから、顔、見せてて?」

「っあ、っ、ああっ……んっんんん」


両手をシーツに押さえつけ、ゆっくりと腰を進めた。

久しぶりの陽向。

喜んで迎えてくれるかのような、俺のことを覚えていてくれたかのような、絡みついてくるその刺激に

まだ先端だけだというのに、目の前が真っ白になった。


「っくっ!!っはぁ、はぁっ、はぁ、……ごめん、まじ、……ごめん、……っ、我慢できなかった……はぁ、はぁ、陽向の中、ヤバ……っはぁ、はぁっ、」


初体験でもねーのに、突っ込んだだけで……。


……よかった、3個置いてて。

陽向にみっともないところを見せたくなくて、隠すようにして慌てて2個目のパッケージを開けた。


「……秋斗さん、気持ち、よかった?」

陽向が上半身を少し起こして、俺を見ようとしてくる。

その肩をとん、と押して、ベッドへと戻す。


「……っ、もーー、陽向。俺、今めっちゃ恥ずいから、目瞑ってて。」

「……なんで、俺、すごく、嬉しいのに……」


全く力を失っていないものを、再び、陽向の中へと潜り込ませていく。


「ごめん、お待たせ。今度は、俺が気持ちよくする、番な?」

「……っああっ、ん、お腹、っあ、あ、」


優しく優しく身体をゆするたびに、

陽向の口から甘い声が溢れてくる。


白い陶器のような肌に這わせた手の平がしっとりと湿っていく。


なんだ、これ。

繋がった所から、

陽向の気持ちが伝わってくる。

俺の中にまで全部、陽向が満たされていく。


胸が突然しめつけられたみたいに苦しくなって

陽向にぎゅっとしがみついた。

腰が勝手に動き続けてしまう。

もっと、もっと、と陽向を全身で求めている。


「はぁ、んっ、あき、と、さん、んん、きもち、そこ、んんん」

背中に陽向の手の平の跡がついているんじゃないかと思うくらい、思い切りしがみつかれる。

いい、俺にも、陽向の跡つけてくれ。一生消えないくらいのやつ。


陽向を抱え込むようにして、そのなめらかで綺麗な背中に腕を回す。


隙間のないほどくっついた俺たち。

俺たち、一つになってる


なんだ、これ。


なんだよ、この湧き上がってくるやつ。

胸の苦しさが電気を走らせたみたいに全身に行き渡る。



「……っあ、…………っあ、も、……も、っあ」

陽向が一際高く、苦しそうな声を上げる。


激しくしすぎた?

少し腕の力をゆるめ、陽向の首筋に埋めていた顔をあげ、陽向に目を合わせる。


「……っ?……あきと、さん、……泣いてるの?」

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