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第6話 小間使いの日々

 小間使い扱いになると決まり、まずは部屋の移動になった。今の部屋は貴族だから与えられた部屋であって小間使いには不要な部屋らしい。 


 新しい部屋は、今は使われていない離れの物置き小屋だった。 誰も使っていなかったので、扉を開けた瞬間ホコリが舞いあがり喉や目に入りしばらく咳き込みうつむいてしまった。



 ホコリも収まり、改めて遠目から部屋を確認する。物は雑多として散らばっているが、広さはある程度有るので整理したら部屋としては使えるだろう。


 ここで、試しにクリーンで部屋をきれいにしたいが、いきなりきれいになったら怪しさ全開である


 少なくても信頼できる仲間を二人は作らないとスキルは使えないと考える。 仲間と協力してやりましたと言い訳も出来るし。


 部屋で考えていると、メイド長であるメルヴィスが訪ねてきて仕事を教えるので、速やかに屋敷にくるよう促された。


 俺は、汚れても大丈夫そうな服に着替えてすぐ向かった。向かった先ではバケツ モップ ホウキが用意されており今日は一日使って屋敷全体を掃除するように言われた。


 貴族の屋敷なので、一般的な家とは違い部屋数も広さもまるで違う。メイド長は、若干俯きながら仕事の指示をする。


 これは多分、両親からの命令なのだろう。 メイド長は両親に逆らえず仕方なくしてるみたいだ。 まー嫌がらせくらいはあると思ったからあれだが初日からか~ はーめんどくさいな


 小間使いとして働き始め7日目  部屋の荷物も、整理し寝る場所と座るスペースだけは確保出来た 仕事は今の所屋敷の掃除をメインにしている。


 ただ普通にやるのでは、つまらなかったので魔力操作の鍛錬をしながらやっている。



 掃除中は体に魔力を、纏うようにして肉体強化しながらやったら長い廊下も半分以下の早さで終われるようになった 


 また道具にも魔力を纏わせることでキツイ汚れもみるみるうちにきれいになっていった。 今の屋敷は一部ではあるが本当にピカピカになっている 


「少しはまともに掃除できるようになってきたんすか?小間使い君」


 俺を小間使い君と呼びながら話しかけてきたのはメイドの一人である。


 今までは俺の世話をする側だったが、小間使いになったから逆に使う側としての快楽にでも目覚めたのか?


 なにかしら突っかかってくるようになった こちらは、以前も迷惑をかけたことはないはずだが


「屋敷の掃除も出来るようになったんなら、次の仕事っすよ 小間使いで置いてもらえてるんやから感謝して仕事しなきゃいけないすよ」


 俺としては、いつ追い出されてもいいんだが、一人になったほうがスキルを研究出来るし スキル集めもしたいな。最近は外に出ることも出来ず スキルの検証が出来ていない せっかくレベルアップと特典の効果で試したいことはたくさんあるのに

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