「さ〜ここが、次のお前の仕事場だよ」

　俺の目の前には、俺より高さのある雑草があたり一面に広がった裏庭だった　

　ここをきれいにして広くなった土地で新しいことをするらしい。

　まー広いし　これだけ高さのある雑草は、切りにくいだろうからなかなか手が出せなくどんどんやりにくくなったのだろう　

　そこに、小間使いの俺が来たからいいように使ってやろうと考えたに違いない。

　だが、今の俺には都合がいい　試してみたいスキルがあったからな　

「これからは、屋敷の掃除が終わったらここをきれいにしにこい　私達が、定期的に様子を見るからサボったりしたら容赦しないからな　ここから捨てられたくないだろ？　なんならちゃんと仕事するなら私達が飼ってやるよ」

　ムカつく笑顔で、こちらを見下しながらなにかほざいてやがる　まーいい　今はスキル検証の方が大事だからな。

　去っていくのを確認したら、俺は今持っている風魔法のスキルを試す　魔法の使い方は、まだ習っていないから使えないが　風魔法を使う時の魔力の違いを感じたので今回は風魔法の魔力を纏ってみる。

　魔力を纏ってみると、感じたのは体の軽さだ　まるで自分が風の一部になったかのように体が軽い。

　体を軽くほぐしちょっと強めに踏み込みダッシュすると一気に視界が変わりつまずき転んでしまう

　風の魔力での肉体強化はまだ危ないな。　魔力操作でコツをつかめるまではゆっくりやろ

　次は雑草を切るためのカマに魔力を流す　俺の予想ではこの仕事が楽になると思うがさてどうなるかな？

　まず結果からいうと効果は、絶大だった。　雑草が抵抗なく切れすぎて、勢いのついたカマを持った腕が顔にめがけてやってくる　顔を後ろに反らし当たらなかったが、もし当たっていたら口裂け女ではなく口裂け男になっていただろう。

　他にも、欠点も少しだがわかった　普段肉体強化に使っている魔力を無属性だとすると今回は、風属性になる。

　肉体強化の時にも、感じたが魔力の消費が半端ない　感覚だよりでしかないんだが、肉体強化だけでも、無属性の魔力と比べると明らかに消費が多い。

　カマに魔力を使う時の感覚は、更に増えた気がする

　これは、肉体の延長だからではなく物に魔力を使う際は例外なく魔力の消費が激しいのだろう　

　これもやり込んでいけば、なにかしらレベルが上がり消費も減るかもしれない。

　初めての経験ばかりで、疲れは激しいものの　頭の中では次に試してみたいことをすでに考えていた。

　一時間ほど作業をして、外が暗くなってきたので今日の作業は終わりとする。

　作業に関しては魔力のおかげで、やりやすかったが魔力消費が予定外に多かったので、思った以上に疲れた感じがする。

　やっていくうちに魔力が増えたり使う消費量が減ることを願うばかりだ。

　風の魔力は対象の早さを高め、道具　特に刃の付いたものの切れ味を上げてくれるのが今回の検証で感じたことだ　

　属性魔力は他にも多数あるので、手に入れたら試してみたいな。

　しかし、今日は疲れたな　屋敷掃除をしてからの、草刈りが今後のしばらくやる日課になったし　まだまだイヤガラセは増えてくるだろうしな

　小間使いになった途端、上から目線で因縁をつけてくるやつもこれからは増えてくるのだろうな

　まー今はスキル食い（スキルイーター）の検証で、手一杯だが　ある程度使えるようになったらお返しはしないとな。

　目には目を　歯には歯をだ