ゲームからログアウトした長谷川達。
お昼ご飯にしようと、専用の部屋へと向かう。
スマートグラスを通して、МR、複合現実によって色々と見えている。
質素な部屋が遊園地のレストラン、隣には居ないはずの恋人、対面には妹夫婦。
そして待つ事数分で食事が来た、これは事前に時間予約していたからだ。
各々事前に頼んでいたメニューを、専用のエレベーターから受け取る。
「……凄くね?」
「うん、これどうなってるのさ?」
「МR、複合現実って奴だな」
「うむむ、長谷川君がちゃんと縁に見える」
「いやはや凄いよな、隣には居ないはずなのに隣に居るよ」
「てか食べ物がこう……実写? だな」
「あ、食べかけってどうなるんだろ」
荒野原はハンバーグを、一口サイズに切って食べた。
ちゃんと切り口も、描写されているリアルハンバーグ。
それに驚きの声を上げる各々、どう表現しているかは問題ではない。
手品の種明かしが無いから、楽しめるのと一緒だ。
「あ、ちゃんと減っている」
「おお~凄い技術だね~」
「それで兄貴、午後からどうするのさ」
「遊園地の定番、ジェットコースターに乗りたい、ってもハードじゃないやつな」
「兄貴昔マジ泣きしたもんな、この話すると大体が指差して笑うし」
「ほう、人が本気で怖がっているのを楽しむゴミ……いや、リサイクル不可能なゴミが居ると」
「はいはい姉貴も落ち着いて、中学の話だし、今の兄貴の友達に笑う人は居ないから」
「そうか」
「……姉貴って殺意高いよね」
「信じれる人達だけにみてせるね~」
「ま、とりあえず午後はジェットコースターに行ってみよう」
「よっしゃ、んじゃ、パンフレット見ながら考えよう~」
「ああ」
長谷川達はお昼ご飯を堪能したのだった。