長谷川達は今日お仕事はお休み。
2人はお昼ご飯を外で食べて、ゲートへと向かう事にした。
「長谷川君」
「何でしょう」
「今日は大暴れ?」
「それは荒野原さんに任せるよ」
「お、そう?」
「てか流れ的に、今日は相手方にはご挨拶だろ」
「いやはや、何かこう……暴れたくない?」
「はいはい、落ち着いて」
「へっへっへ、前回大人しかったからね、暴れさせてもらう」
「こりゃ今回もブレーキ役だな」
「ははん? 大丈夫? 壊れてない?」
「壊れたら誰が君を止めるんだ?」
「はっはっはん? そりゃ射止めてる君さ」
上手い事を言った荒野原に対して、長谷川は苦笑いをした。
「荒野原さん、どうした? 何故そんなにテンションが高いんだ?」
「ああ、大した理由じゃないんだけどね」
「ふむ」
「ずっと追ってる作者さんが居てね、フリーゲームなんだけど」
「ほう」
「正直ゲームとしてはクソゲー分類なんだけど、ああ、RPGなんだけどね?」
「ふむ、そのゲームの魅力は?」
「ああ、ダンジョンがクソめんどくさい、蛇行する道が多い、行き止まりが多い」
「……それ魅力なのか?」
「初代は、作者が明らかに学生時代に作った作品でね」
「ほうほう、何でわかるんだ?」
「学生時代って、無駄に時間があるじゃん? 体力的にもさ、でも大人になるとそんな時間ないじゃん」
「ああー何か言いたい事はわかる」
「で、数年越しに新作が出たのさ、クソめんどくせぇ感じに」
「それ作者テストプレイしてねーだろ」
長谷川はふと自分の腕時計を見た。
「お、荒野原さん、そろそろ時間だ」
「うっしゃ、行くか」
「ああ」
2人はお店を出て、ゲートへと向かうのだった。