今日の長谷川達はお仕事はお休み。
2人は午後からレアスナタをプレイする予定。
先程まで町中をブラブラしていた、今は喫茶店で昼食である。
「今日は地獄谷ちゃで、ビックリどっきりな展開があるよ~」
「おお、俺は何も聞かされてないぞ」
「まあ私も詳しくは聞いてない」
「そうなの?」
「うむ、まあ何時も通りノリと勢いでどうにかなるでしょ」
「そうなるか、何をするのかも聞いてないの?」
「ほっほっほ、天空原君とのデートの最中にエンシェントトゥエルヴに襲撃された」
「それが現実なら俺は今頃ダッシュだな」
「あら~恋人を置いて?」
「現実じゃないから行くわけないでしょ……ってこの言葉は誤解が生まれそうだ」
長谷川が言ったのはレアスナタが現実だった場合。
もしもの話であり、そんな事は起こる訳がない。
ただの話の一つだ。
「あ、まだ時間あるよね?」
「別に急ぐ必要ないんじゃないか?」
「お、レアスナタ好きな長谷川君にしては珍しい」
「そう? 俺は荒野原さんとの時間を優先するよ?」
「へっへっへ……実は将来的に欲しいものがあって」
「何?」
「レンタルでいいからダブルベッド」
「結婚してからね」
「わかっているけど、目星は付けておきたい」
「ふむ」
長谷川と荒野原はほぼ同居状態だ。
故に食器やタンスも荒野原用の物がある。
布団もあるが別々に寝ているのだ。
「でも、多分レンタルはしないかな」
「え?」
「実際に考えて……多分高揚感は数時間で終わる」
「あー選んでいる最中が楽しいってやつか」
「そうそう」
「ふむ……確かに今からある程度は揃えた方がいいかもな」
「お、新生活ってやつだね、長谷川君は何か欲しいものある?」
「あー……現実的じゃなくてもいい?」
「現実的じゃない? どんなの?」
「レアスナタを自宅に取り入れたい」
「あ~現実的な所だと、森山ボックスが出している専用PCとVRセットだね~」
「だよな、実機を導入しようとすると……初期費用も維持費が馬鹿にならん、リース契約があるのは知っているが……」
「アパートとかマンションじゃあダメだよね、プランも色々とあるけど」
「もちろんだ、俺はレアスナタは実機でやりたい!」
レアスナタ家庭用もあるがやはり実機には勝てない、ガチ勢の長谷川なら実機を家に導入をしたいだろう。
しかし現実的じゃない、そもそも基本的な設計が縦横10メートルが必要だ。
まず仮住まいは無理、持ち家でも改装は必須、そして一番の壁はお金だろう。
「どうする? 家建てた時に部屋作る?」
「いや、それよりも自分達とか子供が一番だろう」
「長谷川君はしっかりとしてるね~」
荒野原は店内に置いてある時計を見た、つられて長谷川は時間を確認する。。
今午後12時半だ、荒野原はレシートを持った。
「ゲームでの生徒を助けに行きましょうか」
「ああ、ちなみにここは割り勘な」
「ほいよ」
何も変わらない日常生活。
劇的に変換するなんてのはそうそう起きない。
あれば2人の仲が進展する時だろう。