目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第545話 爆発

これは斜陽街から扉一つ分向こうの世界の物語。

どこかの扉の向こうの世界の物語。


アイスクリーム販売の車は、大通りを爆走する。

荷台に乗っていたアイ・スクリームのメンバーは、

追っ手に向けて発砲する。狙いから見て、牽制かもしれない。

追っ手の車のバランスが崩れたところを、

アイ・スクリームたちを乗せた車は、アクセルを踏みっぱなしのまま走る。


「見えてきた!」

「他の連中は!?」

「モカの車も、マッチャの車もある。みんな成功したみたい」

「よし、俺達が仕掛けの最後か」

アイ・スクリームたちが口々に言い合っているのを、

ヤジマは聞くともなしに聞いていた。

キタザワはおろおろしていてもしょうがないと思ったのか、

とりあえず荷台でおとなしくしている。

「どうなっちゃうんでしょう?」

キタザワはヤジマに問う。

「さぁな、革命の現場になんか居合わせたことないからな」


車はどこかでようやく止まる。

アイ・スクリームのメンバーは、

事前に決まっていたように、荷台から降りると、何かの機械を持って、

急ピッチで作業を始めた。

ヤジマも荷台から降りる。

そこは、大きな白いドームのような建物の外側。

建設中だということまではわかる。


警察か何かが、拡声器で騒いでいる。

見れば、捕まっている者がいる。

おとなしくなんとかかんとかしなさいとか。

アイ・スクリームのメンバーに、不安と動揺が広がったのを、

それをヤジマは見逃さない。

軽く舌打ちをする。

「聞くが」

ヤジマは手近なメンバーに尋ねる。

「あとは、何をすれば計画は成功する?」

メンバーは答える。

今、警察が集中している先の、制御盤を壊せば、

あとはアイ・スクリームの制御が上書きされて、計画が成功する、と。

「単純でいいね」

ヤジマは銃を持つ。

「行くぞキタザワ!突破してぶっ壊す!」


ヤジマとキタザワが中央突破をして、

ヤジマの銃弾が制御盤を破壊する。


大きく、爆発。


アイ・スクリームの革命ののろし、

白いドームを爆発させるほどの、

大量のポップコーンが、都市中にばら撒かれる。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?