『ーそこまでっ!
さあ、ここで-ジャンル1-は終了です』
『……』
やがて、最後の問題が終わり進行役は宣言した。…ふう、なんとかいけたか。
最後に関しては、俺も結構悩まされた。いや、マジで『良い問題』を作ってくれたよ。
『それでは、ここまでの成績を確認しましょう』
『ー…っ』
…あー、本当に『クイズ』っぽいな~……。
進行役の言葉に、俺達は身構えた。…そしてー。
『ーおぉっ!』
『…あー……』
俺達の成績は一斉にオープンされ…それを見たオーディエンスは歓声を上げたり残念そうなリアクションをした。
『まず、トップ成績はやはりオリバーさんです。どうやら、経験が生きているようですね』
まあ、なんやかんや俺がトップの成績だった。…まあ、彼女の言うように『故郷の風習』に助けられたのだ。
『そして、次の高成績はミリアムさん。
流石は、古代の歴史を受け継いで来た星系の出身ですね』
『……』
次は、やっぱりミリアムだった。…改めて思うが、ナイヤチのアーツ道場は『アーツ』だけを教えるところではないんだよな。俺も、『いろんな事』を教え貰ったしそれが『今』に生かされている。本当に、感謝しかない。
『そしてそして、アイーシャさんとイアンさんがその次に来ます。…どうか、-次-は頑張って下さい』
「「…はい」」
その次は、ランスターの2人だ。…なんというか、やっぱり『ジェミニ』なんだよな。
点数が同じ2人に、そんな事を感じていた。…勿論、進行役の意味ありげなセリフを聞き逃さなかった。
『次に来るのは、ヒューバートさん。そして、残念ながらエリゼ博士がビリになります。
…どうやら、大分緊急しているようですね』
「「…っ」」
そして、ヒューバートとエリゼ博士は大分得点が低かった。…いつもなら、大体ランスター達と並ぶくらいの成績なのだが彼女の言うように、2人は緊張のせいで実力が発揮出来ずにいた。
『それでは、次のジャンルへと行きましょうっ!』
『ーはいよ』
すると、シャロンが消えティータのアバターが進行役のポジションに現れた。…やはり、さっきのはこういう事だったか。
『それじゃ、-第2ジャンル-を始め…ますよ』
2人目の進行役はいつもの感じで始めようとして…慌てて丁寧なモノに変えた。…まあ、慣れてないから無理ないか。
『ー……。…最初はこれからだっ!
正しいマシンを完成させろっ!-ビルドチャレンジ-~ッ!』
そして、彼女は呼吸を整えやや恥ずかしそうに『タイトルコール』をする。…ちょ、なんてムチャ振りを。後でしっかりとフォローを入れないとな。
『…チャレンジャーの皆さんはテーブルのタッチパネルを。会場や視聴者の皆さんはウィンドウをご注目下さい』
すると、未だ顔の赤い彼女の言うように自分のテーブルのタッチパネルに複数のパーツが表示された。
『今から、チャレンジャーの皆さんにはそこに表示されたパーツを用いて-古代のマシン-を作って貰います。
尚、制限時間は-カウント30-ですのでご注意を。
ーそれでは、チャレンジ:1。……スタートッ!』
『カウント30。…29、28、27、26ー』
進行役のコールと共に、カウントダウンは開始した。…なので、俺達は素早くビルドを開始した。
ー…多分、『これ』は古代の『カー』だろう。確か、古代のカーは車体の下部に『タイヤ』と呼ばれるパーツがあったんだったな。
だから、カーの走る公道は『アスファルト』と呼ばれるモノで舗装していたんだとか。…今はほとんどのノーマルカーはフロート式だから、ライシェリアみたいな『地方』はわざわざ舗装する必要もないし。まあ、流石に此処みたいな『都会』は見栄えを良くする為に耐久性の高いパネルだったりを使っている訳だが……っと。
そんな事を思い出しながら、ビルドを終わらせた。
『ー…っ。おおっとっ!チャレンジャー・オリバー、あっという間に完成だっ!』
すると、進行役はハッとしコメントを入れる。…うわ、大変だな。
『…っ!おおっ!続いて、チャレンジャー・アインも完成だっ!……』
続いて完成したのは、『ウチのメカニックシスターズ』の片割れのアインだった。…まあ、完全に『差し込み』みたいなモノだからな。
しかしながら、未だに羞恥心があるようだ。…まあ、もしかしたら次は『コピー』で済ませるかもしれない。
『ー…っ。次に完成させたのは、チャレンジャー・アイーシャだ。
さあ、残るは3人っ!果たして、完成出来るのかっ!』
そうこうしている内に姉の方もクリアし、残るは『新入り』の2人だけになる。…しかし、残されたタイムはあまりに短かった。そしてー。
『ー10、9、8、7、6、5、2、1、ストップ』
『はいっ!そこまでですっ!…お3方、残念でした……』
「「「…っ……」」」
『…ああ~……』
やっぱり、2人は完成する事は出来なかったようだ。…そして、それが余計に3人へのプレッシャーとなる。
『さあ、ここでポイントについても説明しておきましょう。
このステージでのポイントは、残り時間が多いほどボーナスが入ります。
なので、一番残り時間が多いチャレンジャー・オリバーにはクリアポイントに加えて……20ポイントが入ります』
『おおっ!』
『そして、二番目に残り時間が多いチャレンジャー・アインには……10ポイントのボーナスがっ!
最後にクリアしたチャレンジジャー・アイーシャには、5ポイントとなります。
ーさあ、続いてはこちらっ!』
ポイント整理が終わると、またパネルに複数のパーツが表示された。…お?今度は随分と、『特徴的』なモノがあるな。
『それでは、準備は宜しいですね?
ーチャレンジ:2、スタートッ!』
『…っ!』
そして、再び進行役はコールし俺達は2つ目のビルドを開始した。
ーこれは、古代の『エアライナー(旅客飛行機)』だな。
古代の時代は、コイツが主要な長距離移動方法だったんだよな。それから、『ソニックウィング』…音速旅客機も徐々に出来ていったんだか。…っと、ちょっと急ぐか。
そんな事を考えている内に、残りカウントが20を過ようとしていたので俺は集中して取り組んだ。
『ーおおっとっ!またもや、チャレンジャー・オリバーがトップクリアッ!
…っ、チャレンジャー・アイーシャ、続いてクリアッ!』
そして、俺はなんとか残りカウント20残しでクリアする。…その直後、アイーシャがクリアした。どうやら、かなり頑張ったようだ。
『…っ!そしてそして、チャレンジャー・アインもクリアッ!やはり、この3人は早いっ!
さあ、またしても3人が残ってしまいましたが果たして……?』
そして、それから数秒後に妹もクリアした。…けれども、やっぱり3人が残ってしまう。当然、その3人は大分焦って……うん?
チラリと進行役の顔を見ると、彼女は意外な反応をしていた。…なんというか、『驚いているように』見えた。まさかー。
『ーおおっとっ!残りカウント12で、チャレンジャー・ヒューバートクリアッ!
続いて、チャレンジャー・エリゼクリアッ!』
『おお~っ!?』
予想通り、ヒューバートとエリゼ博士はクリアした。…すると、オーディエンスからどよめきが起こる。随分と、バリエーションが豊富な事だ。
『10、9、8、7……』
けれども、ミリアムは未だにクリア出来ないでいた。…さあ、『どうなる』?
だが、俺は『面白い予感』をしていた。…そしてー。
『ーっ!なんとっ!チャレンジャー・ミリアムッ、クリアですっ!』
『カウント、ストップ』
『うわーっ!』
『スゲーッ!』
なんと、ミリアムはギリギリでクリアをしたのだ。…当然、オーディエンスは彼女に驚愕と称賛の感情を抱くのだったー。