『ーはい、終了ですっ!そして、以上で-ジャンル2-全てが終わりました』
そして、ジャンル2の最後の問題も終わった。…いや、まさか最高に古代の『スペースシップス』が来るとはな。
『皆さん、お疲れ様でした。…いやはや、最後は皆さん接戦でしたね』
彼女の言うように、最終問題は全員が僅差でクリアしていた。…これは、正直予想外だった。
どうやら、俺は『新入り達』の事を勘違いしていたようだ。
ーいや、知り合ったのはついこの間だから深く理解していないのは当然か。
『……。…さあ、それではここまでのポイントをチェックしてみましょう』
そんな事を考えていると、進行役は2回目の『ポイント公開』を始める。…一瞬間があったのは、セリフかポイントを確認したのだろうか?
『ーおお~っ!』
『うぉ~~っ!』
そして、また俺達のポイントが一斉に表示された。…お、今回は残念なリアクションはないな。
今回のオーディエンスのリアクションは、歓喜の感情ばかりだった。…多分、『新入り達』の活躍が効いているのだろう。
『ーまずは、トップ成績ですが…やはりチャレンジャー・オリバーだっ』
『おお~っ!』
…ふう、なんとかこのジャンルも取れたな。
『そして、その次のポイント獲得者は…チャレンジャー・アインッ!』
『イイぞ~っ!』
俺の次は、どうやら妹の方だったようだ。…まあ、元々『得意ジャンル』だったから妥当な成績だろう。
『そしてそして、第3位の成績は…チャレンジャー・アイーシャッ!…いや、惜しかったですね』
『やった~っ!』
そして、その次は僅差で姉だ。…てか、今のコメントはアドリブだな。だって、進行役の顔は少しだけ微笑んでいたのだから。
「……」
当然、『生徒』もそれに気付いていたので大分嬉しそうにしていた。…うん、本当に良い関係になっている。
『…っ!……つ、続いては、まさかの追上を見せたチャレンジャー・エリゼ』
『うおお~っ!』
『このまま頑張って~っ!』
思わずニコニコしながら姉と進行役を交互に見ていると、進行役は少し赤面してしまった。…そして、いつもよりもやや高い声で進行を続けた。…いかんいかん。…てか、まさかのエリゼ博士が4位か。
俺はこれ以上『邪魔』をしない為に、顔を引き締める。…そして、改めて博士の成績に驚いた。
『…っ。…そして、またまた驚きですがなんと、チャレンジャー・ミリアムとチャレンジャー・ヒューバートが、同ポイントです』
『スゲーッ!』
『良くやった~っ!』
進行役は直ぐに冷静になり、驚きの結果を告げた。…いや、本当に凄いな。
『さあ、各チャレンジャーの差が縮まって来ましたが果たして-次-はどうなるのか?
ーそれでは、次のジャンルに行きましょう!』
そして、進行役はオーディエンスがワクワクし俺達にとってはプレッシャーとなるセリフを告げた後、『交代』した。
『ーはいはーいっ!』
次に現れたのは、アンゼリカのアバターだった。…案の定、彼女はさっきのティータと違い非常にノリノリで現れた。
『それじゃ、-ジャンル3-を始めますよ~っ!
ーまずは、再び-クイックプッシュ-のお時間ですっ!』
『おお~っ!』
『……』
進行役がタイトルコールすると、オーディエンスは盛り上がりを見せる。…けれど、俺達は再び身構えた。
ー直前、再びプッシュボタンが出現した。
『それでは、参りますっ!
ークエスチョン:1
まずは、こちらをご覧下さい』
すると、目の前のウィンドウに複数の『エネルギーマテリアル』が表情される。…まさかー。
『この中で、-最も-……ー』
俺は幾つかの予想を立てながら、問題文を聞き…素早くプッシュする。…っ!
『おおっとっ!?まさかまさかの、オリバー選手以外が名乗りを上げたっ!
さあ、-エリゼ選手-解答をっ!?』
だが、僅差でエリゼ博士が解答権を得た。…マジか……。…流石は、『資格』持ち。
『オイルッ!』
『正解っ!』
当然、彼女は『カン』ではなくしっかりと確信を持って解答する。…そして、間髪入れずに正解のSEがステージに鳴り響いた。
『お見事ですっ!
ちなみに、先程の問題は-この中で、最も多い加工パターンを持つマテリアルは?-…でした。
いやはや、これは初っ端から-面白い事-になりそうですっ!
さあ、どんどん行きましょうっ!』
進行役は問題をきちんと読んだ後、楽しそうにアドリブを入れた。…うわ、本当にノリが良い。
『ークエスチョン:2。
古代の主なエネルギー生成方の中で、-自-…ー』
そして、次の問題が始まるが…またしても俺は競り負ける。…マジか。
『おおっ!?次に名乗りを上げたのは、まさかのヒューバート選手だっ!
さあ、解答をっ!』
『エレクトロエネルギーッ!』
『正解っ!』
当然、彼も自信を持って解答しポイントをゲットした。…これは、本当に『面白く』なってきたな。
『お見事ですっ!
ちなみに、先程の問題は-古代の主なエネルギー生成方法の内自然エネルギーを用いて生み出されるのは?-…でした。
さあ、果たして次は誰が答えるのか?…皆さん、お楽しみにっ!』
『うわ~っ!』
「「「……」」」
前2つの時と明らかに違う始まりに、ステージの雰囲気は劇的に変わるのだった。…俺はワクワクするが、ランスターの2人やミリアムは焦りを抱き緊張し始めるのだったー。
『ー正解っ!』
そして、2度目のクイックプッシュもつつがなく進行し…最後の問題が終わった。…ふう、なんとかだ。
「「……」」
「「「……」」」
なんとか最終クエスチョンは獲れたので、ホッとする。…その一方で、メンバーの雰囲気は『アップ』と『ダウン』に分かれていた。
まあ、『アップ』は当然博士と情報担当で…『ダウン』はライトクルーの3人だ。
俺は、なんとか2つ稼げたがメインクルーの3人はランスターがそれぞれ1問で…ミリアムは最後まで解答出来なかった。
一方、ヒューバートとエリゼ博士はそれぞれ3つクリアしていた。…多分、まだ総合ポイントで抜かれてはいないと思うがちょっと焦ってしまうな。
『以上で、クイックプッシュは終了ですっ!いやはや、エリゼ選手とヒューバート選手は凄まじい追上げを見せましたねっ!
果たして、2人は逆転する事が出来るのかっ!?
ーそれでは、次に参りましょうっ!…あ、その前に1つお知らせがあります』
『……?』
『ー決して、立ったりしないで下さいね?』
進行役は、かなり真面目な顔で注意喚起をした。…その理由は直ぐに分かる事になる。
『ーっ!?』
『ーおわっ!?』
次の瞬間、ステージの床に『地面』が展開し…俺以外の解答者テーブルが移動を始めた。そして、十分な間隔が空いたかと思ったら…上から『ボックス』が降りて来てテーブルに覆い被さった。
ーけれど、真っ暗になる事はなくステージの様子がハッキリと見えた。…そういえば、昨日『ビックリするシステムを組み込んでみました』と『製作者』がニコニコしながら報告して来たが、『これ』の事だったのかな?
『次はコレだっ!
ー正しいルートを見極めろっ!-ウィッチウェイマイニング-ッ!』
ふとそんな事を思い出していると、タイトルコールが行われた。…けれど、特に目の前に広がる景色に変化はなかった。
『まずは、内容を説明しましょう。
今から皆さんには、幾つかの『2択』問題に挑んで貰います。…ですが、それだけだと-面白くない-のでー』
ーっ!?
進行役が説明を止めると、目の前にウィンドウが展開した。…その下部には、『トレジャーマーク』が表示されていた。
『ー正解すればするだけ、-ゴール-に近く事が出来ます。…勿論、ハズレを選んでしまったら進む事は出来ませんのでお気をつけ下さい』
…だろうな。…て、事は『早抜け』だな。
『…フフ、どうやら-早い者勝ち-だとご理解したようですね。
ー尚、道中で-ステキな事-が起こる…かも知れませのでお楽しみに』
進行役は、なんとも『面白い事』を告げた。…まあ、恐らくー。
『ーそれでは、-スタートクエスチョン-です』
俺はとある予想を抱きながら、問題に備えるのだったー。