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リハーサル-ジャンル4・フレンド-

『ーそれでは、これが最後の強化タイムとなりますっ!

 レッツゴーッ!』

 それから、時に激しく時に沈黙しながら問題は進行していき…やがて、最後の問題が終わった。

 そして、俺は最後に『ベッドパーツ』を選んだ。正直、かなり『余裕』を持ってカスタム出来たと思う。

『ーさあ、果たして皆さんは最後にどんなモノを選んだのかっ!?

 それでは、ボックス・オープンッ!』

 いつものSEが流れた後、進行役はかなりワクワクしながら進行していた。…多分、あれは『素』だろう。

 ー直後、完成されたアンドロイド達が姿を現した。

『おお~っ!最後も見事に分かれましたね~っ!

 それでは、此処で皆さんの-フレンド-を紹介していきましょうっ!

 まずは…ー』

 すると、進行役はふとそんな事を言った。それに合わせてステージはやや暗くなり…ヒューバートの『フレンド』がライトアップされる。

『ーヒューバート選手の-フレンド-からです。

 彼の-フレンド-は、-次-がなんであるかを予想した姿になっています』

 進行役の言うように、アイツの『フレンド』はかなり特徴的…言うなれば『機動力重視』のカスタムだった。


 ーまず、下半身はオートバランサーの他にフット部分専用の『ローラー』が装着されている。

 そして、上半身は最低限のパーツ…『旧式』は万一転倒した時に素体状態だと、動作不良を起こし易いので衝撃吸収素材の『チェストパーツ』と『ベッドパーツ』を装着。…尚、ベッドパーツはフルフェイス形状でシールド部分は濃いカラーリングがされており『どんな顔』かは分からなかった。

 後は、プログラムとパーツの『インターフェース』も入れているだろう。…というか、入れないと『ただ装着』しただけでパーツは正常に作動しないからな。

 いや、『旧式』って本当に『手がかかる』。


『ーはてさて、ヒューバート選手の予想は当たっているのでしょうかっ!?

 …そして、次に紹介するのは-この方-っ!』

 そうこうしている内に、ライトサイドの端にあるアンドロイド…エリゼの『フレンド』がライトアップされる。

『彼女のフレンドは、実に-シンプル-な姿になりました』

 進行役はかなり言葉を選んで解説を始める。…実は、先程のクイズで博士はあまり良い成績が出せなかったのだ。…当然、パーツも最低限になる。

 結果、下半身はフットパーツのみ。上半身は防御力が高い、硬質素材性のメタリックカラーのチェストパーツ。

 そして、フェイスパーツはいかにも『ファイターな男性』になっていた。…どうやら博士は、『バトル展開』を予想したようだ。

『ーさあ、彼女とフレンドは-次-を勝ち抜く事が出来るのかっ!?

 …それでは、次は-こちらの方-っ!』

 ー次にライトアップされたのは、ちょいちょい『ボーナス』を獲得していった…アイーシャの『フレンド』だった。


『彼女のフレンドは、随分と-オールラウンド-になりましたね』

 進行役は、まずそんなコメントをした。まあ、実際その通りだ。

 まず、下半身はヒューバートの『フレンド』以上に仕上がっていた。なんと、『シューズ』…それも、ゴツいのを履いていたのだ。

 そうする事で、移動中の安全性を確保したのだろう。

 勿論、上半身は安全第一のパーツ構成となっていて…おまけに『フライトパーツ』までもが背中についていた。

 多分、相当『ハード』だと予想したのだろう。

 尚、フェイスパーツは凛々しい雰囲気を纏う女性になっていた。

『いやはや、パーツ構成もかなり豪華になっていますが…果たして-次-にマッチングするのでしょうかっ!?

 …それでは、次は-この方-っ!』

 お次は、ほとんどのボーナスを勝ち取ったミリアムの『フレンド』だ。

『彼女のフレンドは、完全に-バトルスタイル-になっていますね』

 まあ、当然だが『指導役』は完全に『ファイターブレーン全開』なカスタムを施していた。


 ーまず、下半身は非常にシンプルな構成だ。レッグ部分には、ソフトかつシンプルなシューズとこれまた同じ『ズボン』が装着され、上半身もズボンとカラーリングのトップスがあった。…多分、『ドウギ』のつもりなのだろう。

 そして、全身はメタリックカラーの硬質素材ではなくヒトの皮膚に近い素材になっていた。

 勿論、フェイスパーツは柔和な印象を与える優しい顔立ちになっている。…それはさておき、彼女の『フレンド』は1つ他とは違うポイントがあった。

『ーどうやら彼女は、-自分-をイメージして-フレンド-を強化したようですね』

 …そう。指導役の『フレンド』の手には、『フェン』が装備されていたのだ。

 そして、恐らくだが『アレ』もインストールされている事だろう。

『さあ、彼女自身を-トレース-したフレンドは-何処まで-行く事が出来るのでしょうかっ!?

 …さあ、残すはあと-2人-です。まずは、先程のクイズにおいてナンバー2の称号を得た-この方-からっ!』

 進行役が前置きをした後、イアンの『フレンド』がライトアップされた。…いや、本当にアブなかった。


『彼のフレンドは、随分と-個性的-ですね』

 そして、進行役はコメントする。…実際、その通りだった。

 まず、下半身には沢山のポケットが付いた分厚いズボンと姉のモノより更に安全性が増した『ブーツ』を装備していた。…そして、当然ブーツの裏には『アレ』が装着されている。

 勿論上半身のバンドパーツにも、『見慣れた』のがついていた。それに、上半身も沢山のポケットが付いた分厚いジャケットになっていた。

 ー無論、ポケットの中はカラッポではない。…果たして、『何』が入っているのだろうか?

 最後に、ベッドパーツは随分と無骨なヘルメットに覆われていた。…だが、中からは『無口そうな』女性のフェイスが見えた。

 なんか、3人共メンタルに余裕があったのか『可愛いフェイス』にしているな。

『さあ、果たして彼のフレンドはどんな-サプライズ-を見せてくれるのでしょうかっ!?

 ーそしてそして、最後は-この方-だっ!』

 直後、満を持して俺の『フレンド』がライトアップされた。

『……美しい。…っ、失礼しました。

 オリバー選手のフレンドは、とにかく-完成度-が高いですね』

 すると、『フレンド』が進行役は一瞬役割を忘れぼんやりとした表情でコメントした。…けれど、直ぐにハッとして進行を続ける。


『まず、下半身は好成績の3人同様ズボンとシューズを装着。…ですが、他の方達と違って少し-オシャレ-な仕様になっています。

 そして、上半身も同じようになっていてベッドパーツにはこれまたオシャレなギャップがついています。

 …最後にウェスト部分には、アクセントとしてクールなポーチがセットされています。

 ーまあ、勿論彼のフレンドが身に付けているモノはタダのオシャレアイテムではなく、凄まじい機能性の塊です』

 俺の『フレンド』の紹介をした進行役は、最後にそんな事を言った。…まあ、彼女はこっちサイドが『何』を選んだか把握してるからな。

 ーそれに、俺の『フレンド』が一番『正解』に近いからだろう。

『さあ、これで全てのフレンドが出揃いましたっ!

 ーそれでは、皆さんお待ちかの-次のチャレンジ-ですっ!』

 そして、予想通りの『次』が始める。……っ!

 突如、俺達の目の前にあった『選択』のウィンドウが変化し…まるで『マスク』のように、顔にピタリと装着された。

 ー次の瞬間、視界は切り替わり…解答シートに座る『自分達』が見えた。

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