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リハーサル-ジャンル4・シンクロ-

 ー…こりゃ、驚いた……。

『ー皆さん、ちゃんと見えてますか?

 見えているなら、-フレンド-の右手を挙げて下さいっ!』

 突然の事に驚いていると、進行役は『こちら』を見ながら確認して来る。…なので、とりあえずー。

『ーモーションセレクト』

 頭の中でオーダーを出すと、視界に『フレンド』のボディが表示される。

『ーライトアーム、アップ』

 そして、メインのオーダーを出すと微かな駆動音と共に『右手が挙がる』感覚がした。…おぉ~、まさに『ダイレクトコントロール』だな。

『ーはーい、大丈夫ですね。

 それでは、オーダーをキャンセルして下さい』

『ーオーダー、キャンセル。ライトアーム、ダウン』

 そして、また進行役のオーダーに従い動作のキャンセルをした。…それにしても、まさか『シンクロ』して『次』にチャレンジする事になるとはなー。マジで『面白いコト』するな~。

『ーさあ、それでは-次-を始めましょうっ!』

 内心で進行役の彼女を称賛していると、当人は高らかにそう言った。

 ー次の瞬間、『俺達』の居るコンパクトな『カスタマイズファクトリー』の周囲に様々な形のオブジェクトが大量に出現した。


『ー勝利へのキーを見つけ出せっ!

 -トレジャーハンティング-ッ!』

 そして、進行役はタイトルコールをした。…はあー、『そう来ました』か~。

 タイトルを聞いておおよその事を察した俺は、更にニヤけた。

『ルールを説明しましょうっ!

 今から皆さんには、ステージにある様々なオブジェクトの中の頂点にあるトレジャー…すなわち問題データの入った-こちら-を探して貰います』

 そんな中、進行役はルールの説明する。そして、視界には大きく頑丈そうな『チップボックス』が表示された。

『そして、見つけた-トレジャーボックス-を今から下にセッティングするスタート地点持って来て、中に入っているクイズに答えて頂きます。

 次にクリア条件ですが、-3回正解-出来ればオッケーです。…ただし、2点注意事項があります。

 まず、-ボーナスシート-は3つしかありません。…そして、時々-スカ-が入っている事がありますのでお気をつけ下さい』

 …やっぱりな。…つーか、すげー『良い顔』してる。

 最後に『お馴染みの注意』をした進行役は、少し引くぐらいの『愉しそうな笑顔』を浮かべていた。


『さあ、皆さんっ!

 まずは、そこから降りて下さい』

 ーっと。

『ーアクションセレクト』

 俺は、再び頭の中でオーダーを出す。すると、視界にはまた『フレンド』の全身が表示される。

『ーダウンスタート』

 俺は、『頭』…視線を下に下げてから『降りる』動作をオーダーする。すると、『身体』はゆっくりとステップを降りてゆき…デコボコした床に降り立った。

『ーっ、とと…』

『…おわ……』

 そして、とりあえず視界にあるオブジェクトを眺めていると横から『慌てた』声が聞こえる。…多分、降りる前に床の『状況』を良く確認しなかったのだろう。『旧式』は、予め地形情報をインプットしていないとオートバランサーが上手く機能しないからな。

 恐らくだが、『予想していた』進行役が調整を施したのだろう。

『ー流石です、マスター』

 そんな予想を立てながら、進行役を見る。すると、進行役は小さく頷き…メッセージを転送して来た。

『それでは、参りましょうっ!

 カウント、10ッ!』

『カウントスタート。

 10、9、8、7…ー』

 そうこうしている内に、進行役はカウントをスタートする。…直後、視界にカウントが表示された。


 ー…っと。

『ーフォームセレクト。クラウチング。

 スタンバイ、アクションセレクト』

 なので俺は、素早く『スタンバイ』を整える。…うん、『スタディ』の通り2つのオーダーまでなら行けるな。

『ーっ!』

 それを見たライバル達は、またもや慌てるがー。

『ー5、4、3、2、1、GO!』

『ダッシュスタート』

 少し遅かったようで、俺は一足先に近くの『階段』の形をしたオブジェクトに向かってスタートダッシュをした。

『おおっ!オリバー選手、-きちんと-準備をしていたので素早くスタートしましたっ!

 残りの選手は、少し遅れてのスタートですっ!』

 そして、階段をステップアップし始めるのに合わせてライバル達もスタートしたようだ。…ただ、そろそろ『リード』は維持出来ないだろう。


『オリバー選手、階段の頂点まで後僅かっ!

 ー……おぉっ!?』

 すると、予想通りトレジャーボックスの前の段差に『ガーディアン』が出現した。

『ーアクションキャンセル。

 スタンバイ、アイテムセレクト』

 ーなので、俺は足を止めてウェストポーチに入っている『アイテム』を素早く選択するが、『向こう』は瞬時に攻撃態勢に入った。…たく、旧式でもかなり早いな。

『ーシールド・オープン』

 しかし、ガーディアンの放ったレーザーは俺に命中する直前で、シールドに防がれた。…っ!

 すると、ガーディアンは直ぐに武装を『物理特化』に切り替えた。

『ーシールド、キャンセル。

 ロングバトン、オン』

 けれど、俺も直ぐにシールドを収納して『ミッション用』のロングバトンに似た攻撃アイテムを装備する。

『ーアクション、リスタート。

 スタンバイ、アーツセレクト』

 そして、再度ダッシュをスタートしガーディアンにアタックを開始する。…そしてー。


『「ー背衝」』

『ーえ~っ!?マジですか~っ!?…っ!し、失礼しましたっ!

 なんと、オリバー選手ガーディアンの攻撃を容易く回避し背後から手痛い一撃をお見舞いしましたっ!』

 進行役は俺のアクションに素の反応をしてしまう。けれど、直ぐに気を取り直し『一瞬の出来事』を説明をした。

『ーWARNING』

 直後、視界にレッドカラーの『警告』が表示される。まあ、あの一撃でブレイクしてるとは思えない。

『ートレジャー、ゲット。

 スタンバイ、アクションセレクト』

 だから、俺は攻撃をした後直ぐに『トレジャーボックス』を回収しー。

『ーっ!ウソ、まさか……』

『ージャンピング。

 スタンバイ、アイテムセレクト』

 俺は、そこから飛び降りた。…勿論、そのままだと『痛い』のでー。

『ーオン』

 用意していた『アイテム』を下に向かって投げる。すると、数秒後には床に『デカクッション』が展開していた。


『ーアクション、リスタート』

 そして、無事に着地した俺はスタート地点に向かってダッシュした。

『ーっ!オ、オリバー選手っ!まるで-全て-を予測していたような準備の良さで、トップのままこちらに来たっ!

 …っ!しかし、他の選手も負けてはいないっ!

 ミリアム選手、たった今エネミーをオブジェクトを有効活用し-行動不能-に追い込んだっ!

 アイーシャ選手は、ジェットパックを活用しスレスレで回収っ!

 ーっと、オリバー選手どうぞ-ボックス-をこちらにっ!』

 そうこうしている内に、俺は進行役が待ち構えるスタート地点にたどり着いた。そして、彼女に言われた通り『ボックス』をテーブルに置いた。

『それでは、ボックスオープンッ!

 ークエスチョン。

 古代のロボットには、3つの-絶対的のルール-がありました。…次の選択肢から、-正しいルール-を選択して下さい』

 すると、視界に選択肢が表示される。…ふう、『イージー』なので良かった。

『ーアンサーセレクト』

 俺はホッとしつつ、素早く解答する。


『ー正解っ!

 -③-の-人を傷付けてはならない-が正しいルールですっ!

 まずは、オリバー選手-ポイントゲット-ッ!

 さあ、再び-ハンティング-へどうぞっ!…っ!』

 そして、俺は再びハンティングへ行こうとした瞬間…後方からダッシュで近いて来るミリアムが見えた。

 勿論、彼女だけでなく『姉弟』や『新入り達』も見えた。…やるねぇ~。

『ーアクション、リスタート』

 俺は『面白く』なるのを感じながら、次のオブジェクト…デカい『スクウェア』の所に向かう。

『ーさあ、ボックスオープンッ!

 ークエスチョン。

 古代の時代において、人々はアンドロイドを-空想-から現実のモノにしていきました。

 けれど、-エキスパート-以外の人々もまたその-空想-を具現化する術を生み出しました。

 …次の内、当てはまるものは何でしょう?』

 そして、ご丁寧な事に『ドア』があったのでそこから中に入る。…それと同時に、ミリアムの問題が読み上げられた。

 ー…あー、『フィクション』系の問題か。…いや、本当に古代の人々は『イマジネーション』が豊かだと思う。

 俺はそんな事を考えながら、『トレジャーボック』を探すのだったー。

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