『ー皆様、こんにちはっ!遂に、この時がやって参りましたっ!
銀河連盟の中で一番の-ヒストリーマニア-を決める戦いが、間も無く此処…-ファロークスホール-にて開催されますっ!』
『うぉおおお~っ!』
それから数時間後。遂に『メインステージ』は幕を開ける。…当然、会場に集まったオーディエンスは沸き上がる。
『……』
だが、リアルな歓声にライバル達は涼しい表情だった。まあ、場馴れしてるし当然か。
『それでは、これよりラバキア放送局開局70th
記念特番…-エンシェントエリート-を開催致しますっ!』
『ワァアアアア~ッ!』
そして、ベテラン司会のコールで会場の熱気とボルテージは一気に上がっていく。
『さあ、次は2つの-予選-を勝ち抜きこの-メインステージ-にまで上がって来た、選ばれしチャレンジャー達の登場だっ!』
「ーそれでは、お願いします」
「了解だ。…行くぞっ!」
『おおっ!』
最初に会場に入るのは、有名な『トレジャーハンターチーム』のメンバーだ。彼らは、気合いを入れた後堂々と会場に入って行く。
『ーおおっと、まずは-ロマン好き-なら誰もが知るトレジャーハンターチーム…-ビッグキャプチャーズ-の登場だっ!』
『うぉおおお~っ!』
『すげぇ~、本物だ~っ!』
彼らの登場に、『ファン』は沸き立つ。…しかし、数々の偉業を成し遂げて来たチームまで来るとはねぇ~。
『果たして、今日彼らは-名誉ある称号-をその手に掴む事が出来るのか!?
ーそれでは、次はこのチームだっ!』
「ーお願いします」
「は、はい。…それでは、行きましょう」
『り、了解』
2番手に入るのは、『インテリ』の雰囲気を醸し出すグラスを掛けた若い青年達の集団だ。彼らは、非常に緊張しながら会場に入って行く。
『ーおおっ!次は、今大会最も若いチーム…-イデーヴェスヒストリー研究会-の登場だっ!』
『頑張れぇえええ~っ!』
『負けんなよぉおおお~っ!』
彼らの登場に、オーディエンスは暖かい声援を送った。…しかし、まさかイデーヴェスの学生チームが此処まで来るとはな。改めて、あのスクールって『ハイレベル』だよな~。
『まさか、学生である彼らが此処まで上がって来ると誰が予想したでしょうかっ!?
果たして、このまま彼らは-伝説-を打ち立てしまうのかっ!?
ーそれでは、次のチームの登場だっ!』
「ーお願いします」
「心得た。…さあて、行こうか」
『ああ』
3番手は、平均年齢が高かそうなチームだ。…彼らは、非常に落ち着いた様子で会場に入って行く。
『ー来たぁああっ!先程のチームが最年少チームなら、彼ら-クエスト-は最年長チームでしょうっ!』
『頼んだぞ~っ!』
『行けぇ~っ!』
彼らが登場すると、同世代の声援が聞こえる。多分、『ミドル達のスター』なんだろう。
『さあ、果たして最年長チームはどんな戦略で若いライバル達を蹴散らすのでしょうかっ!?
ーそしてそして、次に登場する今大会最も注目されているチームだっ!』
「ーお願いします」
「了解です。
ースタンバイレディ?」
『オーケーッ!』
「ゴーッ!」
そして、遂に俺達の番が来た。そこで、予め決めていた『掛け声』を決めてから会場に入る。
ー実はこれ、『初代』が良くやっていた掛け声だったりする。…だから、いつかやろうと思っていたのだ。
『ーさあさあさあさあっ!あの-BIG3-や多くの高位ランク傭兵のみならず、アクターやモデルといった様々なジョブのメンバーが集う-秘宝探索同盟・プレシャス-ですが、その若手達によって結成された-プレシャスノヴァ-がこの-ビッグステージ-にチャレンジしますっ!』
『ー来たぞっ!』
『ファイトォオオオオ~ッ!』
俺達が入ると、前の3グループ以上の声援が飛んで来た。…多分、オーディエンスの大半が俺達の『応援団』なのだろう。事実ー。
『ーおおっとっ!今まで、拍手しか送って来なかった大半のオーディエンスが急に活発になったぞっ!…良く見たら、彼らは-シルバーカラーの応援グッズ-を持っていますっ!
さあ、果たして-プレシャス-の若手達はこの地に集ったファンの期待に応える事が出来るのでしょうかっ!?
ーそして、最後に登場するのは当然あのチームだっ!』
そして、俺達がリハの時に確認したポイントに着くと…アナウンスと共に、フィールドのライトとサウンドが消える。直後ー。
『ーさあ、さあさあ、さあさあさあっ!ルリームイールが生んだ-クイズクイーン-率いる最強インテリガールズの登場だっ!』
再び司会がアナウンスすると、入場口にスポットライトが当たり…ウェスパルドさんの率いる
チームが出て来た。
『キャアアアア~ッ!』
『ネリエル様~っ!』
『頑張ってぇええええ~っ!』
当然、会場は割れんばかり黄色い声援に包まれた。…女性だけでなく、男性のファンも居るのか。それも、幅広い年齢層に人気なんだな。
そういえば、近所でも大半がファンだった気がする。
『最早、このステージに集まった皆様には彼女達…-ヒストリーメイデンズ-の説明は不要でしょうっ!
さあ、今回も彼女達のワンサイドゲームなるのかっ!?それとも、激しいシーソーゲームとなるのかっ!?
それでは、全5チームの皆様は後ろのアンサーテーブルにご着席下さいっ!』
そして、彼女達が俺達の隣に立つと司会はチャレンジャー全員に向けてアナウンスした。なので、俺達は速やかに移動しシートに座る。
『ーさあ、まずは-オープニングチャレンジ-から参りましょうっ!』
それを確認した司会は、高らかにコールした。
ー直後、ステージの中央とオーディエンスシートの至るところに『エアウィンドウ』が展開した。
『さあさあ、チームの代表の方はテーブルへとお願いします』
そして、司会は実に楽しそうにアナウンスをする。…なので、俺は『代表』の方を向く。
「ー頼みます」
「お任せを」
拳を前に付きだし、真剣な思いを乗せた一言を告げる。当然、彼女…ミリアムは俺の拳に自分の拳を合わせ真剣な顔で頷く。
その後、テーブルの後ろに移動した。
ー実は、『セカンドステージ』をクリアした段階で制作サイドから『オーダー』が来ていたのだ。だから、『リハーサル』の成績を元に『担当』を決めていたというワケだ。
『ー各チーム、スタンバイ完了しました。…果たして、どのチームが幸先の良いスタートを切れるのかっ!?
それでは、クエスチョン:1』
各チームの代表がスタンバイすると、司会は盛り上げコメントをした後コールした。
ーすると、エアウィンドウのほとんどが『モザイク』が掛かる。
『今から、だんだんとモザイクが解除されて行きます。お分かりになった時点で、アンサーボタンをプッシュして下さい』
『ー……』
簡単な解説が終わると、5人の代表はボタンに軽く利き手を乗せる。…いや、流石一流テレビ局だけあって完璧な対応だ。まあ、ミリアムの場合は『どっちでも』大丈夫なんだが。
『さあ、準備は宜しいでしょうか?
ーレッツ、-レリーズ-ッ!』
そして、司会はコールした。すると、モザイクが解除され始める。…まあ、この時点では誰も押さないだろう。多分、『輪郭』が見え始めるタイミングでバトルが発生するとみた。
俺はなんとなく、そんな予想を立てる。…そしてー。
『ー…っ』
『おおっとっ!最初に解答権を得たのは、-プレシャスノヴァ-のミリアム選手だっ!
それでは、お答え下さいっ!』
俺の予想通り、スタートから3~40秒経過したタイミングで『学生チーム』…以外の4人がほぼ同時に動いた。
しかし、僅かにミリアムが早かったようだ。
『ープレゼントボックス』
『お見事っ!』
そして、彼女は迷いなく解答した。すると、正解を告げるSEが鳴り司会も称賛した。…まずは10ポイントゲット。
『…っ、うぉおおお~っ!』
すると、オーディエンスは少し遅れて盛大なリアクションをした。多分、最序盤から凄まじい攻防を見せられたから反応が遅れたのだろう。
『さあ、一気に解除してみましょう』
そして、エアウィンドウに掛けられたモザイクは全て消え…『古代のプレゼントボックス』が姿を現した。
『…いやはや、流石はナイヤチフェンアーツの準マスタークラスですね。他3名も、素晴らしいスピードのプッシュでしたが、彼女の方がコンマ数カウント早かったようです』
『…っ』
『さあ、どんどん参りましょうっ!
ークエスチョン:2』
他3人が彼女を見る中、司会はコールした。