『さあ、ファーストセクションもいよいよ半分となりましたっ!
果たして、このままプレシャスノヴァがリードするのかっ!?それとも、他のチームが追い上げるのかっ!?
ーそれでは、クエスチョン:5』
司会は現在の状況に触れ、盛り上げのアナウンスをする。そして、クエスチョン5が始まる。
『続いては、私が問題文を読み上げます。
ー古代の時代の-前期-は、まともな生活を営める者や正しい教育を受けられるのは一部の人々でした。
しかし、-中期-入る頃には法律によって○○が保証される事になりました。
…では、空欄には何が入りますか?』
『ーっ』
司会が問題文を読み上げた後、全員が一斉に書き始める。…これも、簡単。そして、『古代文明』から受け継がれて来たその『ルール』は、当然連盟全域で遵守されている。
まあ、連盟のお偉方は将来的に『全ての銀河』にその『ルール』を含めた思想を広げていくつもりらしいが。…その為にもー。
『ーそれでは、全員一斉にオープンッ!
おぉっ!やはり、全員が同じアンサーを…すなわち、-権利-と記入しました』
俺は、改めて内心で決意する。そうこうしている内に、アンサーオープンのタイミングになっていた。
『それでは、正解を発表致しますっ!
ーお見事っ!全員正解ですっ!』
そして、当然のように全員が正解する。まあ、こういうのも良くテレビでやってるなからな。
『それでは、サクサク参りましょうっ!
ークエスチョン:6』
すると、ギミックが作動しエアウィンドウに4つのイラストが表示される。…なるほど、『そう来た』か。
ライトサイドとレフトサイドのイラストは、それぞれ縦一列に2:2で並んでいた。更に、それぞれの直ぐ近くには『・』があった。…つまり、『ライン』で結ぶ問題という事だ。
『さて、これを見てお察しの方もいるでしょうが一応ご説明致します。
レフトサイドのライトサイドのイラストは、ビークルと-それを利用する為のアイテム-となります。皆さんには、そのペアをラインで結んで貰います。
それでは、シンキングタイムスタートッ!』
「ーすみませんっ!」
「ミリアムさん。サポートをお願いします」
「っ!はいっ!」
司会のコールの直後、ヒューバートはサポートを要求して来た。なので、素早く『適任者』を向かわせた。
「ーえっと、ライトサイドのイラストは-古代時代のトレインと車両-ですから…ラインは『こうなります』ね」
まず、ミリアムはイラストのモノを正確に読み解き…そして、念のため他チームに見えないように指で『クロス』を作る。
ーやはり、彼女に任せて正解だった。
「なるほど…。…ありがとうございます」
「いえ」
『ーさあ、間も無くシンキングタイムが終了になりますっ!』
役目を終えた彼女がシートに着くのと同時に、司会からアナウンスが流れた。…どうやら、ウチのチームがトップのようだ。
『おっと、プレシャスノヴァ早いっ!…どうやら、ナイヤチ出身のミリアム選手がサポートしたようですっ!
かの星系は、様々な分野のヒストリーミュージアムがある上にテーマパークもありますから、知っていても不思議はありません』
「ーまあ、確かに『アーツ』始める前はたまに家族で行ってましたね。…なんだか、また行きたくなりました」
司会のアナウンスに対し、彼女はポツリとコメントした。…そして、軽いホームシックになった。
「じゃあ、『アレが始まる前』までに行けるように『ボス』に頼んでおきますね」
「…っ!……良いんですか?」
すると、彼女はビックリして…少しの間の後確認してくる。まさか、本当に行けるとは思ってなかったのだろう。
「まあ、『通る』かは分かりませんが」
「…っ。……その、お願いします」
すると、彼女は『ボス』が誰かを理解しペコリと頭を下げて来た。
『ーはいっ!シンキングタイム終了ですっ!
それでは、真っ先に記入が終わったプレシャスノヴァをオープンしましょうっ!』
頷いていると、シンキングタイムは終わりオープンタイムになる。…すると、司会はそんなアナウンスをした。
『ーほほぅっ!-トレイン&チケット-と-バス&コイン-というコンビですか』
直後、ヒューバートのアンサーはオープンされる。…それを見た司会は、意味ありげな反応を見せコンビを告げる。
ーまあ、俺達は涼しい顔でスルーした。何故なら、絶対的な自信と信頼があるからだ。
『おぉ、どうやらプレシャスノヴァはアンサーに絶対の自信があるようです。それだけ、ミリアム選手を信頼しているのでしょう。
では、残りチームを一斉にオープンッ!』
そして、残りのチームのアンサーがオープンする。…ほう、やるね。
他チームの解答は、俺達と同じだった。まあ、古代文明に『現物』の通貨がある事はわりと知らてるからな。
『おっと、またしても全員のアンサーが一致しましたっ!
それでは、アンサーの発表ですっ!』
そして、直後全員のアンサーが正解だと判明した。
『お見事ですっ!
いやはや、-このステージ-まで勝ち抜いて来た皆さんにとってこのクエスチョンは簡単過ぎたようですねっ!
ーさあ、このファーストセクションも残り4クエスチョンとなりましたっ!…果たして、他チームはこのまま食らいついていけるのでしょうかっ!?』
『ーっ……』
司会のアナウンスに、4チームは一斉にこちらを向いた。…ふう、プレッシャーだな。
『……』
そのプレッシャーに、俺もメンバーも何とか耐えつつ次の問題を待つ。
『それでは、参りますっ!
ークエスチョン:7』
そして、次の問題が表示される。…って、おいまさか『アレ』はー。
『ー……っ!』
『……』
その問題は、一見するとセクション最初と同じく『フォト』だった。…けれど、俺達チャレンジャーは勿論オーディエンスもざわつく。
『ーははっ、皆さんとても驚いていらっしゃいますね。…そうです。このフォトもまたテレビ局が独自入手したロストチップに記録されていたフォトデータになります』
『ーっ!』
すると、司会はまたビックリ発言をする。…当然、またもやチャレンジャーやオーディエンスは驚愕した。
「…どんだけ持ってんの?」
「まさか、『私達』以外で集めている方が居るなんて…」
「…驚きだな。…出来れば、『後』でじっくり聞きたいな」
特に、ランスターと俺は『秘宝ハンター』として驚いていた。…まあ、単に『マニア』という可能性もあるがテレビ局の地下に『ファインドポイント』がある事をふまえると、かなり『理由』が気になる。
『さあ、本題に参りましょうっ!
ーご覧の通り、フォトでは-大量のアルコール-が振る舞われています。…では、アルコール摂取年齢は-世界共通で20歳以上-でしょうか?
○か✕でお答えくださいっ!』
『ー……』
「…っ!」
すると、ヒューバートは直ぐに俺達の所にやって来た。…しかし、『クイーンチーム』と『ベテランチーム』の代表は動かず『ハンターチーム』と『学生チーム』は俺達と同様の動きを見せた。
『ーおおっ!ここで、チャレンジャー達のアクションが2つ割れたっ!
ヨウコ選手とレグー選手は、自信満々に記入したっ!一方、3チームの代表はメンバーと相談を始めたっ!』
「ー…すみません」
「大丈夫ですよ。…これは、『ヒストリーマニア』の上級者でもなかなか答えられないクエスチョンですから」
ヒューバートは、こちらに着くなり申し訳なさそうにした。なので、フォローを入れておく。
「…え、マジで?」
「…そこまでのレベルだったとは」
「でも、リーダーは知っているんですよね?」
「勿論です。
ーまず、アンサーですが✕になります。その理由は、そもそも『アルコールの摂取を禁止している国家』があるからですよ」
『ーへ?』
ミリアムの確認に俺は頷き、アンサーと理由を述べた。当然、メンバーは呆気に取られた。
「…っ!本当ですか?」
「ええ。まあ、アルコール摂取年齢は国によって違っていたようですからどっちにしろ✕ですけどね」
「…本当に、何でも知ってるんだね」
「いや、『何でも』は知ってませんよ。私はただ、知りたい事を知っているだけです」
イアンの称賛に、俺はそう返した。事実、細かい『数字』は把握していないのだから。
『………』
「…では、とりあえずテーブルに戻りますね」
すると、ランスター達と『指導役』達はなんか不思議なモノを見るような顔でこちらを見た。
すると、ヒューバートは逃げるようにテーブルに向かった。…やれやれ。
『ーおおっとっ!ヒューバート選手、真っ先にテーブルに戻ったっ!
さあ、残り2チームはアンサーは出たのでしょうかっ!?』
とりあえず視線をスルーし、他チームを見ると『ハンターチーム』と『学生チーム』はいまだ相談していた。しかし、残り時間はそんなになかった。…そしてー。
『ーシンキングタイム、終了っ!
それでは、代表選手はアンサーの記入をっ!』
無情にもシンキングタイムは終了し、2チームの選手はガックリしながらテーブルに戻り記入を始めた。
『さあ、これで全チームアンサーが出揃いましたっ!
ーレッツ、オープンッ!』
その後、司会は楽しげにコールした。直後、全員のアンサーがオープンする。
『おお、やはり解答がバラけましたねっ!
ーそれでは、正解を発表しますっ!』
そして、司会のセリフの直後『クイーンチーム』と『クエスト』。それから、ウチのチームが正解した。