『ークエスチョン:4』
すると、ウィンドウに可愛らしい少女のフェイスをした小型ロボット…のイラストが表示された。…スゴイな。『キモノ』もしっかりと再現されてる。
『こちらは、古代の時代とあるアイランドカントリーにて活躍していたロボットです。
ーその名称を、-その国家-の言語でお答え下さい』
『……っ』
「ーうわ、これまた難問ですね…」
司会が問題文を読み上げると、代表達は険しい顔でアンサーを記入していく。
そして、ミリアムも険しい表情をしていた。
「…いや、これも『人によりけり』だと思いますよ?」
「…?……っ!」
ミリアムは首を傾げつつ、代表達の様子を確認した。…すると、直ぐに気付いた。
「…ジョスト選手とメジリア選手が自信なさげですね。
そして、イアンさんとロザリンド選手…それからメリア選手はちょっとだけ自信があるように思えます」
「…え?…あ、ホントだ」
「…どういう事ですか?」
「…そうですね。
これは、あくまで『カン』ですが…多分ー」
『ーさあ、各代表アンサーの記入が終わったようですっ!
それでは、一斉にオープンッ!』
そうこうしている内に、オープンタイムとなった。…やはりか。
『ああっとっ!またしてもアンサーが分かれているぞっ!
ロザリンド選手、メジリア選手、イアン選手、そしてマイア選手達が-カラクリニンギョウ-と記入している一方、ジョスト選手は-ガングニンギョウ-と記入しているっ!
…果たして、正解は!?』
『ーおぉおお~っ!』
『うわぁああ~…』
直後、結果は発表され…『ハンターチーム』の応援団だけが落胆した。
『なんと、ジョスト選手以外全員正解っ!
そして、スチューデントチームがハンターチームに追い付いたっ!』
『ー良いぞぉおお~っ!』
司会の説明に、オーディエンスの大半は声援を送った。
「ー…で、結局どういう『理由』があるんですか?」
すると、博士は我慢出来ずに聞いて来る。
「なに、簡単ですよ。
ー博士やアイーシャさん、そしてヒューバートさんのような人は『大丈夫』です。
逆に、ミリアムさんのような人は…」
「「「……?」」」
「…私だけが、『仲間外れ』。……あ」
俺の言葉に、『大丈夫』と言われた3人は首を傾げる。一方、ミリアムは直ぐに理解した。
『ーさあ、見事正解した4名の方々のみ-セレクトタイム-に参りましょうっ!』
ちょうどその時、セレクトタイムとなった。…そして、イアンとマイア選手はアームパーツを選択。ロザリンド選手と、メジリア選手はここでようやくボディパーツを選択した。
「ーあっ、『プレシャス』を読んでいるかいないか…って事ですか?」
「その通り。
ー実は最近、かのスクールで『プレシャス』が大人気になっているようでしてね。…そしてあのノベルには、時々『古代の事』が出てくるのですよ」
セレクトが終わるのと同時に、ヒューバートは『答え』を口にした。…いやはや、ビックリだよな。
「…っ。…そういう事でしたか」
「…人気になった理由も、なんとなく分かります。
ー『あの2つの出来事』ですよね?」
「…でしょうね~」
博士も納得し、そしてアイーシャは的確に『理由』を答えた。…まあ、『危機的状況から助けて貰い』その上で『朗読会』に参加したら、大抵はな~。
『ーさあ、ようやくスチューデントチームのエンジンがイグニションしましたっ!果たして彼らは、どこまで行けるのかッ!?』
『行けぇええ~っ!』
そんな事を考えていると、司会は学生チームの目覚ましい活躍を称賛した。当然、彼らの応援団とオーディエンスの一部は盛り上がる。
『ーまだだ~っ!』
『気を引き締めろ~っ!』
一方、並ばれたハンターチームの応援団は彼らに声援を送る。
『会場も、盛り上がって参りましたっ!…それでは、続いてのクエスチョンに行きますっ!
ークエスチョン:5』
司会がコールすると、ゴツい男性型のアンドロイド…いや、コスプレした男性がウィンドウに表示される。…なんだ?
『古代では、アンドロイドは現実化される前に様々な形でイメージされていました。
例えばイラストだったり、例えばこのウィンドウのようにアクターがなりきっていたりと実に様々なパターンがありました。
ーでは、-当時-どうやって人とアンドロイドの区別を描いていたのでしょうか?』
『…っ!』
「ー…?これも難しいと思いますが、それにしては……」
司会の読み上げが終わると、代表達はアンサーを記入する。…けれど、博士の言うように先程
とは違って全員自信があるように見えた。
「多分、『今』に置き換えて考えているんだと思います」
『おおっ!全員、先程までとは違い自信に満ちた様子で記入していますっ!…そして、今全員が記入を終えました。
ーそれでは、一斉にオープンッ!』
そして、テンポ良くアンサーオープンのフェーズになる。…おお。
『おおっとっ!なんと、2クエスチョン振りに全員のアンサーが揃ったっ!
ー皆さん、-ブラッドカラーで区別-と記入しましたっ!…果たしてっ!?』
『……』
『ーお見事っ!全員正解ですっ!』
チャレンジャーや会場が緊張するなか、正解を告げるSEが鳴り響いた。
『ーやったぁあああ~っ!』
『……~』
これには、全てのオーディエンスが歓喜しチャレンジャー達は安堵する。
『いやはや、本当にお見事でしたっ!
ーそう、-当時-はレッドカラー以外のペイントで-破損表現-をていたのです。そうする事で、視聴者にインパクトを与えていたようです』
「…なるほど」
「…いや、ホント『当時』ならではの表現ですね」
司会の解説に、メンバーは感心していた。…いや、俺達の『先祖』はホントに頭が良いな~。
『さあ、久しぶりに全員が-セレクトタイム-の権利を得ましたっ!
それでは、スタートッ!』
そして、2クエスチョン振りに全員がセレクトを開始する。…けれど当然、この時点でセレクトに大きな違いが出る。
ーまず、ここまでノーミスのイアンとマイア選手は『カメラパーツ』…すなわち、『アイ』を選択した。なので、この時点で一応『完成』したのである。…けど、『ヘッド』と『アイ』を分けるってホントイジワルだよな。
そして、『1つ』落としているロザリンド選手とメジリア選手はアームパーツを選択。
最後に、『2つ』落としているジョスト選手はようやくボディパーツを選択した。
『ーさあ、折り返しとなるクエスチョンも終わりここからは後半戦になります。…果たして、全員見事-完成-させる事は出来るのかっ!?』
『ーこのまま行けぇえええ~っ!』
『まだまだ気を抜くなぁああ~っ!』
『なんとか頑張ってぇえええ~っ!』
『若い奴らに負けるなぁあああ~っ!』
『しっかりしろぉおおお~っ!』
司会がそんなアナウンスをすると、各チームの応援団が声援を飛ばした。…さて、どうなるかな?
『それでは、参りますっ!
ークエスチョン:6』
俺は『面白く』なりながら、次のクエスチョンを待った。…すると、弟のウィンドウに可愛くデフォルメされたロボットが表示される。
『ロボットが生まれる少し前、とあるノベルクリエイターが生み出した作品の中に-ロボットに関する3つの原則-が描かれました。
それらは、今でも用いらている大切な遵守すべきルールとなっています。
ーそれでは、その3つのルールを-正しい順番-で記入して下さい』
「…今度は、随分とイージーな問題ですね」
肝心の部分が告げらた直後、代表達は一斉に記入を始める。…まあ、実際その通りだ。そしてその『理由』はー。
「ー…多分ですが、逐一『調整』を行っているのだと思います」
すると、ヒューバートが俺の言いたい事を言ってくれた。
「…『調整』?…つまり、その都度『レベル』を変えていると?」
「ええ。…でないと、『面白さ』に欠けますから」
「…そう。ゲームは『公平性』があってはじめて盛り上がるんですよ。
まあ、『ワンサイドゲーム』が好きな人もいますから一概には言えませんが」
「…なるほど」
「はぁ~、いろいろと考えられているんですね~」
『ーさあ、どうやら皆さん記入が終わったようなのでオープンタイムと参りましょうっ!』
俺のまとめにミリアムや博士は感心する中、いつの間にかオープンタイムになっていた。