『おぉっ!またもや、全員の解答が一致しましたっ!
ー①人間への安全性②オーダーの遵守③自己防衛…となっていますが果たして!?』
そして、いつものサウンドが流れた後…全員が正解した。
『お見事ですっ!
つまり、またしても全員揃っての-セレクトタイム-となりますっ!』
当然、全員が『資格』を得た。…さて、現在イアンが制作しているロボットは一応完成している。なので、次は『カスタマイズ』のフェーズになるワケだ。
「……」
すると、イアンは迷いなくカメラパーツをカスタムする。…まあ、事前に入念なミーティングを行っていたので当然だろう。
『ーおっと、ここまでノーミスのイアン選手とマイア選手は遂にカスタムフェーズですっ!
どうやら、イアン選手はカメラパーツの性能を向上させたようです。一方、マイア選手はフットのカスタム…スピードアップの為のローラーをセレクトしましたっ!
そして、クイーンチームとベテランチームはようやく完成まで漕ぎ着けました。
最後に、ハンターチームは遂に腕パーツをゲットしましたっ!』
そして、ウィンドウへの反映も終わり次のクエスチョンが始まる。
『さあ、セカンド残り4クエスチョンとなりましたっ!果たして、どんなロボットが生まれるのでしょうかっ!?
ークエスチョン:7』
すると、弟のウィンドウに…装飾が施された人型ロボットが表示される。
『現在、ウィンドウに表示しているのは古代時代に流行していたとされる-巨大人型ロボット-をトイ化したとなります。
このような物も、-当時-の人々が思い描いていた未来のイメージの1つです。そして、そのスタイルは大きく分けて-2つ-あったとされています。
ーでは、その2つのスタイルとは?』
「ー…っ。また、お願い」
クエスチョンが読み上げられた瞬間、『代表』達はメンバーと相談を始めた。
「ふむ。
ーこれは、『ボス』の操る『アレ』の事を考えれば直ぐにアンサーが出ると思いますよ?」
『……?……ー』
まず、俺は最大限の『ヒント』を出した。…まあ、当然弟を含めたメンバーは首を傾げつつ考える。
「ー…っ!そうか。確かに『アレ』は……」
「…あー、言われてみれば」
「…なるほど、そういう事でしたか」
すると、少しして姉と博士とヒューバートがアンサーにたどり着く。…流石、『ファン』だな。
「…あ。そういえば、『そう』だったな。…というか、ホント良く知ってるね」
「…一体、どこでそういう情報を?」
そして、ワンテンポ遅れて弟とミリアムもたどり着いた。…すると、2人は全員の疑問を代弁する。
「まあ、これに関しては『ティーチャー』からですね」
『ーさあ、間も無くシンキングタイムは終了しますっ!』
「…っ!じゃあ、戻る」
そんな話しをしていると、司会がアナウンスした。なので、弟は素早くテーブルに戻り記入を始める。
「…ホントに、様々な方にいろいろな事を教えて貰っているのですね」
「まあ、ほとんど『雑談』みたいなモノでしたが。…まさか、こんな形で役立つとは思いませんでしたよ」
『おぉっとっ!やはり、イアン選手が一番手のようだっ!
そして、ロザリンド選手とマイア選手がほぼ同じタイミングでテーブルにインッ!』
一方、ステージでは代表達が続々とテーブルに戻っていた。…ほぉ、クイーンチームも早いとは驚きだ。
『そしてそして、ジョスト選手もテーブルに着いたっ!…っと、ここでシンキングタイムは終了ですっ!』
それから少し遅れて、ジョスト選手もテーブルに戻った。…けれど、ちょうどそのタイミングで『時間切れ』となってしまった。
『さあ、それでは記入をお願いしますっ!』
当然、メジリア選手は強制的にテーブルに戻る事になる。…どうやら、最初に比べて少しばかり焦っているようだ。
『ーでは、皆さん記入が終わったようなので一斉にオープンしてみたいと思いますっ!』
そして、全員のアンサーがオープンとなるが…なんと、『スゴイ事』が起きた。
『ーこ、これはっ!?な、なんと、メジリア選手-以外-が-①ソロスタイル②ドッキングスタイル-と記入しましたっ!
そして、メジリア選手は-①ソロスタイル②カスタムスタイル-と記入っ!
さあ、果たして正解はどちらでしょうかっ!?』
司会がそう言った直後、例のサウンドが流れ…メジリア選手以外に『○』が付いた。
『ああっ!正解したのは4人のみですっ!
つまり、-権利-を得られるのは4人だけだっ!』
当然、メジリア選手以外が『セレクト』の権利を得る事になる。…まあ、『そのスタイル』はない事もないんだがクエスチョンの『趣旨』とは違うんだよなぁ。
『おおっ、どうやらイアン選手は柔軟性をカスタマイズした模様です。恐らく、ショルダーやレッグの稼動域を広げたいのでしょう。
そして、マイア選手はアームにエナジーシールドを装着っ!どうやら、ガードを固める方向性のようだっ!
お次は、クイーンチームだが…どうやら先程のイアン選手と同じくカメラパーツをカスタマイズ。…やはり、-ワイド-に見る事が大事だと判断したのでしょうかっ!?
最後に、ハンターチームはようやくパーツを揃える事が出来ましたっ!』
そして、7回目の『セレクト』も終了し即座に反映がなされる。…やっぱり、チームの特色が出るな~。
『さあ、残り3クエスチョンとなりましたっ!
つまり、あと3回しかチャンスはないという事ですっ!』
『……っ』
司会がそう言うと、代表達…特にベテランチームとハンターチームは焦りを見せる。…下手すると、『ベーススペック』で次のセクションにチャレンジする事になるからな。なにがなんでも、残りの『チャンス』を掴み取るしかないだろう。
『それでは、次に参りますっ!
ークエスチョン:8』
すると、弟のウィンドウに子供と同じくらいの大きさの…『カッコイイロボット』が表示される。…『アレ』ってー。
『ーこちらは、今連盟内で大人気のバトルゲーム…-ヴァーボット-の人気キャラクターです。
実は、このゲームの-世界観-には古代文明が関わっているのですが…肝心なのは、ここからです』
…そう。司会の言うように、『あのゲーム』の設定には古代文明が関わっているのだ。…しかも、制作カンパニーはヒストリーサーチャーに監修を依頼しているので、ちゃんとした作品なのだ。
『このキャラクター達は、発見時厳重に封印されていました。
ーその理由を、お答えください』
『……』
すると、代表達は迷いなくアンサーを記入するが…メジリア選手だけはメンバーと相談を始めた。
やはり、『こういう』にも触れた事がないのだろう。
『ーああっとっ!?ミーティングを始めたのはメジリア選手のみっ!他のチャレンジャーは、スラスラと記入しているっ!
やはり、ベテランチームは-娯楽-に目を向けずに人生を歩んで来たのでしょうかっ!?』
『…っ!』
司会の的確で辛辣なコメントに、ベテランチームは顔をしかめた。…うわ、意外とSだな。まあ制作サイド的には、『もっと頑張って貰わないと盛り上がに欠ける』だろうから、ああいうコメントが出るのも仕方がないのかも。
「ー…少し、『責め』が強いですね」
そんな事を考えていると、ミリアムが顔をしかめながらコメントする。…彼女は、年上や目上の人を敬う環境で育って来たので『ああいう』のは嫌いなんだろう。
「まあ、確かにちょっと『やり過ぎ』だと思いますね。…ただ、それだけ制作サイドがあの人達に期待していたからというのもあります」
「…つまり、『期待ハズレ』だったと?それであんな事を?どうしてー」
「ー『エンターテイメント』だから、ですよ」
彼女は、明確な怒りを抱いていた。そんな彼女に、俺は淡々と事実を告げる。
「…そう、なんですね。…やはり私には『こういう』のは合わないようです」
「…でしょうね。
ーまあ、此処まで勝ち上がって来たチームがこんな所でつまずくとは到底思えませんが」
「……え?……?」
『……?』
俺は、再びベテランチームの方を見てそう言った。…当然、彼女やメンバーも釣られてそちらを見る。
「…っ」
「…おや?」
「「……」」
直後、メンバーは驚いた。…なぜなら、ベテランチームの表情は『諦め』ではなく『やる気』に満ちていたのだから。