『ーさあ、間も無くシンキングタイムは終了となりますが…っ!おおっと、メジリア選手ここでテーブルに戻ったっ!』
『ー……っ』
そして、シンキングタイムが終わろとしていた時…相談をメジリア選手がテーブルに戻った。…当然、オーディエンスはざわめく。
「…一体、どうして……」
「多分ですが、『身内』のおかげでしょう。例えばー」
『ーここでシンキングタイムは終了ですっ!
それでは、最後に記入を終えたメジリア選手のアンサーを見ましょうっ!』
困惑するミリアムに、俺は予想を話そうとするがちょうどオープンタイムになった。…そして司会は、メジリア選手のオープンを始める。
『……おぉ、メジリア選手は-人類に反乱を起こしたから-と予想したようです』
そのアンサーを見た司会は、一瞬ポカーンとするが直ぐにコメントをした。…まあ、『不意打ち』だから仕方ない。
「…スゴイ」
「…いや、『お見事』ですね」
「…これが『ベテラン』……」
そして、メンバーも驚愕やら尊敬の表情を浮かべていた。…つまりー。
『ーそれでは、残りの方々のアンサーもオープンしてみましょうっ!』
それから、残りの代表達のアンサーがオープンされる。…そのアンサーは、メジリア選手のモノと一致していた。
『な、なんと、ここで再び全員のアンサーが一致しましたっ!…それでは、正解者を発表しますっ!』
そして、例のサウンドが鳴り…正解を告げるSEが鳴り響いた。
『お見事っ!全員正解ですっ!
いやはや、どうやら-ベテラン-の実力を見誤っていたようです』
「……。…それで、『先程』の続きですが……」
「はい。
ー多分ですか、どなたかのご家族…例えばお孫さん等がゲームを所持していたという可能性です。…更に言うと、バースデープレゼントとしてチョイスしたかもしれません。
何せ、あのゲームは『ヒストリーサーチャー』が監修していますから」
「…なるほど。ヒストリーに興味を持って貰うには、ベストな作品ということですか」
『さあ、まさかの全員がカスタムフェーズに突入する事態となりましたっ!
ーそれでは、レッツセレクトッ!』
そうこうしている内に、全員揃っての『セレクトタイム』が始まる。
ーまず、イアンだが…ここで『リンク率向上』をセレクトした。…まあ、テレビ局が出して来た『オーダー表』を見た時から『サードセクション』の予想をしていたので予めセレクトするように言っていたのだ。
そして、ようやく5つのパーツを揃えたメジリア選手とジョスト選手はカメラの強化をした。
…すると、マイア選手は他の選手のトレースをするかのようにカメラの強化していた。
最後にロザリンド選手は…柔軟性の強化を選択した。…これは、ウチのトレースをしている気がする。
『ーさあ、8回目のセレクトタイムが終了しましたっ!…つまり、後2回しかカスタマイズ出来ないのですっ!』
セレクトと反映が終わり、司会は楽しそうにアナウンスする。…さて、残る2つのクエスチョンはどんなレベルかな?
『さて、次に参るとしましょうっ!
ークエスチョン:9』
そして、弟のウィンドウにはリアル寄りなアンドロイドのイラストが表示された。…良く見ると、ハンドパーツにあたる部分にはウェポンに置き換わっていた。
『これは、アンドロイドの存在が世に認知されて数年が経過した頃に軍で計画されていた、-戦闘用アンドロイド-のイメージイラストを再現したモノになります』
『ー…っ』
司会がそう言うと、オーディエンスはザワザワとした。…いや、ホント当時の人達はなんでこんなモノを作ろうとしていたのだろうか?
『ですが、幸いな事にこのような-兵器-が世に生まれる事はありませんでした。
ーそのきっかけとなった、-出来事-をお答えください』
『ー……』
司会が問題文を読み上げた直後、全員スラスラとアンサーを記入していく。…まあ、これはヒストリー好きでなくとも『ロボット』の事を学んで来た人なら必ず分かるクエスチョンだな。
『おぉ、流石にこのクエスチョンはイージーでしたかね?
ーそれでは、全員記入が終わったようなので一斉にオープンッ!』
そして、テンポ良くオープンタイムとなり全員のアンサーが一斉にオープンされた。
『おぉ、皆さん-ルモリカの大行進-で一致していますっ!
それでは、正解者を発表致しますっ!』
司会がそう言った直後、正解のSEと共に全員に『○』が付いた。
『お見事ですっ!またしても、全員クリアしましたっ!
ーそれでは、少し解説致しましょう』
すると、会場に展開している巨体エアウィンドウに『昔のフォト』が表示される。…もう、驚かないぞ。
『-ルモリカの大行進-…またの名を-ルモリカ大デモ-と呼ばれたこの事件は、-当時のアース連邦-の科学や技術の中心であるルモリカで発生しました。
その原因は、科学都市のメカニック達やカレッジの学者達、更にはスチューデントまでもが軍の-戦闘用アンドロイド-開発に反対する為だと言われています』
司会は、かいつまんだ概要を話した。…つまり科学都市の関係者達のほとんどが、このデモに参加していたのだ。
結果、科学都市のほとんどのカンパニー…特にアンドロイドファクトリーのラインは完全に停止し、事態を重く見た政府は連邦軍に『戦闘アンドロイドプロジェクト』の凍結を命令する事となった。
その結果、『戦闘用アンドロイド』という危険な存在は生まれる事はなくアンドロイドは我々人類の『善きパートナー』となったのだ。…いや、民衆の力と言うものは本当にスゴイ。
『ーさあ、それでは9回目のセレクトタイムを始めますっ!
レッツ、セレクトッ!』
改めてそんな感想を抱いていると、9回目のセレクトタイムが始まる。
ーここで、イアンは『ハンドパーツ』のグリップ力向上を選択した。…さあ、後は『アレ』を持たせれば『パーフェクト』だ。
そして、ロザリンド選手とマイア選手は『リンク率向上』を選択。またしても、ウチをトレースした形になる。
最後に、メジリア選手とジョスト選手は『柔軟性強化』を選択した。…まあ、『次』を考えるとできる限りカスタマイズはしておきたいのだろう。
『さあ、セレクトタイムは終了です。…そしていよいよ、次がセカンドセクションのラストクエスチョンとなりますっ!
ーそして、ラストクエスチョンは少し趣向を変えさせて頂きますっ!』
『ーっ!?』
そして、9回目のセレクトタイムも終わりいよいよラストクエスチョンとなる…のだが、突如司会はそんな事をアナウンスした。…当然、俺達チャレンジャーもオーディエンスもザワザワとする。
ー直後、ステージ中央にある5つのエアウィンドウに表示されている『ロボット』達が一致に『起き出した』。…わぉ、凝ったプログラムだな~。
『ーヤア、ハジメマシテッ!』
『ー…へ?』
次の瞬間、弟のウィンドウに再度ロボットが表示され…挨拶をしてきた。当然、俺達は唖然とする。…うわ、やけに高性能なAIまで。
『それでは、ラストクエスチョンは-彼ら-に出題して貰いましょうっ!』
『任セテッ!
ークエスチョン:10』
司会がそう言うと、『彼ら』は頷き…コールと共に自身の目の前に『メッセージウィンドウ』を展開する。
『人類が外宇宙への第一歩を歩み出した頃に活躍していた探索船の中で、-トワイライト-号は最初に-知的種-と邂逅を果たしました。
ーでは、かの船のクルーとして活動していたサポートアンドロイド達の-統括-の名前は?』
『ー…っ!』
ウィンドウに問題文が表示されるが、代表達は誰1人としてメンバーとの相談を行おうとはしなかった。…多分、『対策済み』なんだろう。
何せ、このクエスチョンはヒストリー系のテストに必ずと言って良いほど出てくるヤツなのだから。
『おおっとっ!?代表達は動かずに、アンサーを記入しているっ!…やはり、このクエスチョンは-対策済み-なのでしょうかっ!?』
「…やはり、出て来ましたね」
「…ええ」
『ーさあ、代表達はアンサーの記入が終わったようですっ!
それでは、レッツ、オープンッ!』
そして、セカンドセクション最後のオープンタイムとなった。