『さあ、これでベテランチームも2つクリアとなりましたっ!
そして現在、3つクリアしているクイーンチームのスンスーは間も無く到着っ!リンプス選手は中間エリアに突入し、今ボックスをー』
『ーっ!』
司会が暫定ツートップチームの状況を説明するなか、リンプス選手が開けようとしたボックスから『ガーディアン』が出現した。…さて、どう攻略するのかな?
そして、ガーディアンは『防衛行動』を開始する。…すると、ルーリー選手はシールドを展開し防いだ。
『ーおっ!ここでスンスー選手到着っ!そしてタッチの差でミリアム選手とリスタル選手も到着したっ!』
一方、セントラルでは『サポーター』が立て続けに到着した。…うーん、これは『もしかすると』ー。
『ーまずは、リーチが掛かっているスンスー選手のボールオープンッ!
…あっとっ!此処でまさかの-ハズレ-を引いてしまったっ!』
『ーあぁ~っ!?』
なんと、此処でクイーンチームは『ハズレ』になる。…いや、まだ分からない。
『尚、-クリアしていない場合-は再度戦う必要はありませんのでご安心下さい。
…さあ、気を取り直しまして次はミリアム選手のー』
『ーおぉ~っ!?』
スンスー選手が再び走り出したタイミングで、司会は解説をする。…まあ、そうだろうな。
そして、ミリアムの順番が来た時…フィールドで動きがあった。
『ー…え?…な、なんと、ルーリー選手もガーディアンをクイッククリアしたっ!』
『それ』を見た司会は、またも驚愕する。しかし流石プロというべきか、司会はアナウンスをした。
ーそれにしても、まさか『発射口』をクイックドロウで『あらかた』潰すとはなんて精密で素早いシューティングだろうか。
何よりも、なんて強いメンタルなんだ。…これで『士官スクール』じゃないってんだから驚きだ。
『ーさ、さあっ!気を取り直して、ミリアム選手のボールオープンッ!』
そして、司会はいまだにちょっと動揺しつつミリアムのボールを確認する。
『おっ!これにはクエスチョンが入っていましたっ!
ーそれでは、クエスチョンッ!』
やはり、こちらは『アタリ』だったようだ。ただ『問題』はー。
『ー古代のマシン黎明期では、マシンの稼働は自然のパワーを使ったモノとマンパワーを使ったモノが主流でした。
…では、マンパワーを使ったマシンの中で代表的なモノを-2つ-お答え下さい』
『…ハンドクランクライト、ハンドクランラジオ』
司会が問題文を読み上げると、アイーシャは静かにアンサーを口にした。…うわ、やっぱりこれも『ムズイ』かったな。
『お見事っ!正解ですっ!』
『おぉおおお~っ!』
『いやはや、流石ですねっ!
そして、遂にノヴァチームがクイーンチームとスチューデントチームに追い付いたっ!
さあ、このウェーブにハンターチームはライド出来るのかっ!?
それでは、ボールオープンッ!』
司会のアナウンスでオーディエンスは更に盛り上がり、そのままハンターチームのボールオープンとなった。
『おっ!これには、クエスチョンが入っていましたっ!
ーそれでは、クエスチョンッ!』
そして、ハンターチームの『チャレンジ』が始まる。…まあ、勿論ー。
『ー……-西歴2500年-』
ダイアナ選手は、少し緊張した様子でアンサーする。…いや、マジでヤバいな。
『お見事っ!
さあ、これでハンターチームも3つクリアとなりましたっ!…そして、現在ジルバ選手は中間ゾーンを抜けて奥のゾーンに到着っ!
それを追い掛けるように、ミリアム選手も奥のゾーンに入りー』
『ー…っ!?』
ミリアムがボックスを開けようとすると、ガーディアンが出現する。…しかし、ミリアムは即座に真上に跳躍した。
『ー…っ!?……は?……え?』
そして次の瞬間、ガーディアンはストップしていた。…何故なら、その頭上に降りて来たミリアムによって『ストップスイッチ』を押されたのだから。
その信じられない光景に、司会は勿論『俺達以外』の人達は唖然とする。
ーさて、何であんな素早く『無力化』出来たかというと…実は『シミュレーション』していたのだ。
そもそも、『こういうスタイル』のが来ると予想していたから『リハーサル』にも取り入れていたのだ。
そして、『オーダー表』を渡された時にほぼ確信を得たのでミリアムには『スペシャルトレーニング』を出していたのだ。
まあ、かなり短期間だったが彼女は恐ろしいスピードで『タイミング』を掴み『あんな事』が出来るようになったワケだ。…ホント、頼りになるぜ。
『ー…っ!な、な、な、なんという事でしょうかっ!?
ミリアム選手、-出現と同時-にガーディアンをストップさせましたっ!こ、これは、流石に予想外ですっ!』
『………』
司会のアナウンスに、オーディエンスは唖然としていた。…けれども、ライバル達もフィールドで動いている『デヴァイサー』達にも動揺はなかった。やはり、彼らもある程度予想していたのだろう。
『ー…っ!そ。そうこうしている内に、先程残念ながら-ハズレ-を引いてしまったスンスー選手が戻って来ましたっ!
それでは、ボールオープンッ!』
そして、少ししてスンスー選手がセントラルに戻って来てボールがオープンされる。
『おっ!これにはクエスチョンが入っていましたっ!
ーでは、クエスチョンッ!』
流石に、2連続で『ハズレ』は引かなかったようだ。…その後ー。
『ー……-ドクター・クロス-』
『お見事っ!流石ですっ!』
マリー選手は、見事にクリアした。…参ったな~。
『さあ、これでクイーンチームはリーチとなりましたっ!果たしてこのまま、トップを勝ち取る事は出来るのかっ!?
…っ!おお、此処でジルバ選手到着っ!
では、ボールオープンッ!』
司会は興奮しながらアナウンスする。そしてスンスー選手が一番奥のエリアに向けてスタートした直後、ジルバ選手が戻って来る。
『おっ!ジルバ選手の持って来たボールには、きちんとクエスチョンが入っていましたっ!
ーそれでは、クエスチョンッ!』
やはり、ジルバ選手の持って来たものは『アタリ』だった。…勿論ー。
『ー……-リチウムイオン-』
『お見事っ!』
グラファル選手も、きちんと『アタリ』を口にした。…やはり、強い。さてー。
『ーおぉ~っ!』
俺は、ベテランの『強さ』に敬意を抱く。そして、手元のエアウィンドウでフィールドの様子を確認する。…ちょうどその時、オーディエンスから歓声が上がった。
『おっと、フィールドではハンターチームのリスタル選手がガーディアンと戦闘していたようですっ!しかし、リスタル選手は大して苦労せず無力化しましたっ!』
「ー…ハンターチームは当然として、他チームも以外な程『バトル慣れ』してますね」
「まあ、『バトルゲーム』の経験があるんだと思います」
「…だから、あんなに冷静かて大胆なアプローチが出来るんですね。……ー」
ふと、博士がそんな事を言ったので俺はそう答える。すると、ヒューバートはポツリと感想を口にして……『ベテランチーム』の動向を確認した。
「確かに、ベテランチームは『そういうの』とは無縁そうですが…果たして、それだけで『弱い』と判断しても良いのでしょうかね?」
「「……」」
『ーおっ!先程、見事なクイックドロウを見せてくれたルーリー選手が戻って来ましたっ!
それでは、ボールオープンッ!』
そんな話をしていると、学生チームのルーリー選手が戻って来た。
『おぉっ!これにも、きちんとクエスチョンが入っていましたっ!
ーそれでは、クエスチョンッ!』
やはり、ルーリー選手はちゃんと『アタリ』を持って来ていた。…しかしー。
『ー…っ、パスッ!』
『あぁ~、残念~っ!
正解は、-デンキジドウシャ-でした』
肝心のクエスチョンは、『ハズレ』してしまった。…そして、直ぐ後ろにリスタル選手が来ていた。
『おっ!リスタル選手が戻って来ました。
それでは、ボールオープンッ!
ー…っ!ああ~、なんという事でしょうっ!リスタル選手、またしても-ハズレ-を引いてしまったっ!』
『あぁ~っ!?』
けれど、残念ながら彼はまた『ハズレ』を持って来てしまった。…うーん、どうやらラックに見放されたか?
『残念ですが、リスタル選手はまたフィールドに行って貰いますっ!
ーさあ、現在クイーンチームがリード…-チェックメイト-の状態で残りのチームが3つクリアで並んでいますっ!果たして、次にチェックメイトを掛けるのは…っ!
おっ!此処でミリアム選手がセントラルに戻って来ましたっ!』
司会が今の状況をアナウンスするなか、ミリアムが戻って来た。…そして、ベテランチームのジルバ選手は間も無くボックスに到着しようとしていた。