『ーさあ、残すところ後2セクションとなりましたっ!
果たして、次はどんなドラマが巻き起こるのでしょうかっ!?
それでは、第4セクションを開始しますっ!』
司会は興奮しながら、スタートをコールする。
ー直後、前のセクションのフィールドはスピーディーに片付けられていき…そして、ステージの中央にとあるセット…『実家のリビング』に良く似たのが出て来た。
『ーっ!キャアアア~ッ!』
それと同時に、オーディエンスから黄色い悲鳴が沸き上がる。…何故なら、そのセットにはクルーガー女史とドレスデンさんがスタンバイしていたのだから。
『さあ、代表の方はテーブルにスタンバイして下さいっ!』
「ー…では、行って来ます」
「お願いします」
そんな中、エリゼ博士は意を決し拳を付き出して来たので俺も拳を重ねて送り出した。
「ー只今戻りました」
「…戻りました」
そして、彼女と入れ替わるようにミリアムとアイーシャが戻って来る。…ただ、アイーシャは少し申し訳なさそうにしていた。
「ーお疲れ様でした」
「…お疲れ」
「お疲れ様です」
「はい」
「…っ」
だから、俺達は明るく出迎える。…すると、姉はホッとしたようだ。
「いや、本当お2人に任せて良かった。
ーおかげで、まだリードを保てているのですから」
「どういたしまして」
「…期待に応えらて、良かったです」
『ーさあ、代表の方達がスタンバイされたので始めるとしましょうっ!
ー…-古代の文化-を追体験っ!デイリーストーリーッ!』
そして、司会はタイトルコールをした。…どうやらまた『リハーサル』が的中したようだ。
『今から、マダムクルーガーとドレスデンさんによる-生再現ドラマ-が行われます。
その最中、クエスチョンが発生しますのでお答え下さい。
尚、このセクションからクエスチョン数とポイントが戻ります』
司会は、簡単な流れを説明した。…いや、しかし豪華だな~。
『ーそれでは、-アクション-ッ!』
『ー此処は、とあるシティーの一角にあるハウス。そこには、まるでシスターズのように仲の良い親子が住んでいました』
『ーっ!?』
司会がコールすると、女性のナレーションが流れた。…そして、それを聞いたオーディエンスの一部はざわざわする。
「ー…これって、マヤ先輩?」
「…間違いないですね。確か、ナレーションのお仕事もされていましたから」
当然、俺達も驚いていた。…まさか、マヤさんにまで声が掛かっていたとは。
『ー今、2人はブレックファストを済ませ出掛ける準備をしています。
母親は、自身がトップを勤めるカンパニーへ。娘は、カレッジへ』
とりあえず、何で彼女まで参加しているのは一旦スルーし『ストーリー』に集中する。…なるほど、そういう『設定』か。
『ーあ、私今日は遅くなるから夕食は-???-のところで食べてね』
『うん、わかった~』
ーすると、女史…『母親』が『娘』に大事な事を伝えた。…けれど、肝心な部分が聞き取れないようになっていた。
『ーさあ、此処で早速クエスチョンです。
母親は、-誰-のところで済ませるように言ったのでしょうか?
次の4つの内から選択して下さい。
①娘の友人宅。②母親の部下のお宅。③近所に住む親戚宅。④近くにある飲食店。
それでは、お答え下さい』
『ー…っ』
司会が問題文と選択肢を読み上げると、各チームの代表は動きだす。…けれど、やはり2パターンに分かれた。
『おっと、セカンドセクション以来のシンキングタイムですがやはり2パターンに分かれましたね。
先ほど、接戦を繰り広げたハンターチームとスチューデントチームは即座にミーティングを始めました。
対して、-トップ3-のチーム…クイーンチームとノヴァチームとベテランチームの代表は迷いなくアンサーを記入しました』
「ー…やはり、クイーンチームとベテランチームは手強いですね」
「…下手すると、このセクションで追い付かれるかも」
「…あり得ますね」
「まあ、出来る限りのサポートをしましょう」
「「「了解」」」
それを聞いて、メンバーは不安なそうな顔や予想を立てる。なので、俺はなるべく明るく告げた。すると、全員力強く頷いた。
『ーさあ、間も無くシンキングタイムが終了しますっ!…おっ、スチューデントチームが一足先にアンサーを出したようですね。
そして、遅れてハンターチームもアンサーが出たようです』
それから少しして、残り2チームの代表もテーブルに戻りアンサーを記入していく。
『ーおっと、此処でシンキングタイムは終了ですっ!
それでは、1人ずつアンサーをオープンして行きましょうっ!』
そして、シンキングタイムは終了しオープンタイムと紹介タイムが始まる。
『まずは、ハンターチームより-ヒストリーハンター-のナチラ選手っ!』
最初に紹介されたのは、ハンターチームのインテリ風な男性…ナチラ選手だ。恐らく、『ブック(文献)回収』担当だろう。
『そして、そのアンサーは③ですっ!
さあ、お次はスチューデントチームの-サブリーダー-を務めるリアナ選手ですっ!』
次にウィンドウに映されたのは、おとなしい雰囲気の女子生徒だった。…だが流石『サブリーダー』を任せてられているだけあって、この環境にまるで動じていないように見えた。
『そして、そのアンサーはやはり③ですっ!』
やはり彼女も、③を選んでいた。…まあ、要するにそれがアタリだ。
『さあ、お次はベテランチームより元ルランセルトスクールにて-古代の民衆学-教授を務めていたアミル選手っ!』
「…っ」
「…やはり、元『プロフェッショナル』が出てきましたか」
『そして、そのアンサーはまたもや③だっ!』
メンバーが冷汗を流すなか、アミル選手のアンサーがオープンされる。…勿論、③を選択していた。
『おっ!3人連続で同じアンサーですね。
…果たして、次に紹介する彼女も同じアンサーなのでしょうか?』
すると、ウィンドウにエリゼ博士が映し出された。
『さあ、お次はノヴァチームより-若き天才科学者-のエリゼ選手だっ!…まさか、こんな才女も-プレシャス-のメンバーだったとは誰が予想したでしょうかっ!?』
司会は、若干興奮しながら博士のプロフィールの一部を紹介する。…はあ、やっぱり『後』で経緯を話しておくかな。
『そして、当然そのアンサーは③だっ!』
俺が心中で決意していると、博士のアンサーがオープンとなる。…そして残るはー。
『ーそしてそしてっ!最後は、遂にノヴァチームの背後に追い付いたクイーンチームより…-ポピュラークイーン-のユユラ選手っ!』
最後に紹介されたユユラ選手は、クイーンチームの中で一番小柄だった。…だが、その可愛らしい容姿とは裏腹に彼女の顔はガチだった。
『そして、やっぱりアンサーは③ですっ!
ーそれでは、正解者を発表しますっ!』
全員のアンサーがオープンされ、司会は進行を続ける。…直後、全員のアンサーに『○』が付いた。
『お見事っ!全員正解ですっ!
ーそれでは、続きを見てみましょうっ!』
そして司会がそういうと、ブラインドカーテンで囲まれている待機スペースからドレスデンさんだけ出て来た。…まあ、いくら『プロ』とはいえずっと観衆の目に晒されてると気疲れするだろうからな。
『ーえっと、-叔父さん-のお家は…』
そして、彼女は小さなボートフォルムのデバイスで『目的地』…恐らくカレッジから『親戚の家』への最短ルートを調べ始めた。
『ー…という事で正解は、③でしたっ!
いやはや、流石に皆さんにとってはイージーなクエスチョンでしたねっ!
それでは、次に参りますっ!』
司会がそういうと、また2人はブラインドゾーンに消えた。
ー直後、ハウスのセットが下に引っ込んで行き新たなセット…『スクールのクラスルーム』が出て来た。