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メインステージ-フォース⑥-

『さあ、残るは3クエスチョンッ!

 このまま、ノヴァチームがリードを維持するのかっ!?それとも、クイーンチームが追い抜くのかっ!?

 はたまた、ベテランチームかハンターチームかスチューデントチームが追い付くのかっ!?』

 そして司会は、またヒートアップしながらアナウンスする。それに合わせて、セットは切り替わる。

 ーそれは、何かのショップのような雰囲気の漂うセットだった。…というか、『アレ』か?

『さて、セットのスタンバイが完了したので次に参りたいと思いますっ!

 ーそれでは、アクションッ!』

『ーそれから、少し時間は流れて暗くなり始めた頃。娘と従弟は帰宅前に-フードショップ-に立ち寄りました』

 司会がコールすると、アナウンスが流れて娘と従弟が姿を現した。…やっぱりか。ということは、もしかしてー。

『ー…えっと、確か父さんはステップスの前に居るハズなんだけど……』

『…っ!アレじゃない?』

 シチュエーションを予想していると、従弟が辺りを見回しながらセリフを口にした。…すると娘は、ステップスの隅を見つめてそう言った。

『あ、本当だ。

 ーおーい、父さんっ!』

 そして、従弟は優しい雰囲気の男性…娘にとって叔父に当たる男性に声を掛ける。…いやマジで『豪華』だな。

『ーっ!…え、あの人って……』

『…間違いない。今年のロングホロムービー大賞で、-マイナーロール賞-を取ったメルキオル=トンプソンさんだっ!』

 その人物の正体は、一発で分かった。…当然ステージはザワザワとした。


『ーあ、2人共。すみませんね』

 一方、父親は『息子』と姪に対して申し訳なさそうにした。しかも、目下の2人に丁寧な言葉遣いをしていた。…いや、本当『物腰柔らかな父親』のロールが似合うよな~。

『それで、-例のイベント-って何時から?』

『後、10分ほどです。いや、本当に助かりました。ミルディーヌさんも、ありがとうございます』

『いえ』

 従弟は、父親に『確認』する。…どうやら、2人は単なる『サポートメンバー』として呼ばれたワケでなないらしい。

『ー合流した3人は、そのまま-イベントスペース-へと向かいます。そして、遂にその時がやって来ました』

『ー只今より、-???セール-をスタートしますっ!ただし、お1人様1パックとさせて頂きますっ!』

 すると、ナレーションが流れ3人は移動する。…そして直ぐに『イベント』が始まった。

 ーしかし、やはり肝心の部分は聞き取れない。


『ーさあ、此処でクエスチョンッ!

 古代のフードショップでは、定期的に購買意欲を増加させるイベントがありました。

 ーさて、そのイベントの-略称-を古代の言語でお答えください』

『ー……』

 司会が問題文を読み上げると、ここでも例の2人がメンバーの元に向かう。…まあ、このクエスチョンはマジでマイナーだからな。

「ー…ねぇ、これって『アレ』の事?」

「ええ、間違いないでしょう」

「…なるほど。古代から『ある』とは聞いていましたが」 

「いや、驚きですね」

 けれど、意外な事にメンバーは『分かって』いるようなリアクションをする。

「なんだ、皆さん知ってたんですか」

「ええ。…『デビュー当初』は、ミールもそんなになかったでしたからほとんど『アレ』に頼りっきりでした」

「…本当、あの頃は安っすいフードカートリッジ生活だった」

 気になったので聞いてみると、ランスターの2人は苦労話を語る。…いや、マジで傭兵って食えるようになるまでが大変だな。

「…あー、私も似たような感じです。

 ミリアムさんは?」

「私は、買い出しなどで良く利用していました。…何せ、人数が多い上に皆良く食べるので少しでも出費を押さえる必要があるので」

 ヒューバートはランスターの2人と同じパターンだったようだ。そして、ミリアムはアーツ道場ならではの事情のようだ。

「なるほど。あ、私は良く母や親戚の女性陣が利用していたので知っているんです。

 ー勿論、その『ルーツ』もね」

『おぉ~』


『ーさあ、間も無くシンキングタイムが終了となりますが…っ!ここで2人が同時にテーブルに戻りましたっ!』

 そうこうしている内に、シンキングタイムは終わろとしていた。…どうやら、2つのチームはギリギリまでミーティングしていたようだ。

『あっとっ!ここでシンキングタイムが終了しましたっ!そして、2人も記入が終わったようですっ!

 ーそれでは、全員のアンサーを一斉にオープンしてみたいと思いますっ!』

 そして、緊張のオープンフェーズが始まる。…あ、マジか。

『おやっ!?スチューデントチームのみが、-カクヤス-と記入しているぞっ!

 一方、残りの4チームは-トクバイ-と記入っ!…果たして、どちらが正しいのかっ!?』

「……」

 司会はそんなコメントをするが、先程と同様学生チームは既に『結果』を予想していた。

『正解は、-トクバイ-ですっ!』

『ーっしゃあああ~っ!』

『きゃあああ~っ!』

『…あぁああ~』

 アンサーが発表されると、オーディエンスや4チームの応援団は歓喜し…学生チームの応援団はまたもや落胆した。

『さあ、続きを見て参りましょうっ!』


『ーその後、娘と従弟と叔父の3人は目的のモノを無事にゲットし叔父の家へと帰宅します。

 』

 すると、セットが住宅ブロックのようなモノに切り替わりナレーションが入る。…いや、かなりセットを作っているんだな。

 そして、3人はそれぞれ片手にエコバッグを持ちながら並んで再登場した。

『ーいや、すみませんね。-特売セール-協力して貰った上に荷物持ちまで』

『良いよ。今日はそんなに疲れてないし、協力した方が早くご飯にありつけるしね』

『私も、ご飯を作って貰う側ですのでこれくらいは当然ですよ』

 叔父は、今の状況に少し申し訳なさそうにするが2人は『気にしてない』と言った。

『…ありがとうございます。

 なら、せめてものお礼に美味しいご飯を作る事を約束します』

『やったっ!』

『楽しみですね』

 それを聞いた2人は、満面の笑顔を浮かべる。…そして、『ブロック』を歩く事数分。

 ふと、『ザワザワ』した様子が聞こえてきた。

 ーそれに合わせて、セットの上の方にデカいモニターが出現する。…多分、『街頭モニター』なのだろう。

『…?何か、街頭モニターに注目してない?』

『…言われてみれば。…何だろう?』

 そこは丁度交差点で、更にタイミング良く歩行者用信号機が『レッド』になり3人は足を止める。


 ーすると映像は切り替わり、3人が良く知る人物…母親ともう1人の人物が映し出された。

『ー本日18時頃、ラバキア社とコーザリア社の代表が会談を行い-??-を発表しました。

 尚、-??-の後の社長に関しては後日改めて会見にて発表するようです』

『ー…え?』

『…はい?』

『……』

 そのニュースを聞いた3人は、ただ呆然とするのだった。

『ーさあ、ここでクエスチョンッ!

 母親の会社ともう1つの会社は、-何-をする事を発表したのか-古代の言葉-でご記入してくださいっ!』

『ー…っ』

 すると、今度は代表全員がアンサーを記入し始める。

『おおっ!久しぶりに、代表全員がスムーズにアンサーを記入していますっ!』

「ー…って、事は割りとポピュラー?」

「…多分そうでしょう」

「…いや、確か『アレ』にはー」

「ー…出てない、ですねぇ」

 けれど後ろでは、皆頭を悩ませていた。…まあこれに関しては『しょうがない』と言えるだろう。

「…で、これもリーダーは知っていると?」

「勿論。…ただ、これに関してはざっくりとしかスタディしていませんので詳しくは説明出来ないですね」

「…いや、十分凄いと思います」

「ええ。…本当、恐ろしい記憶力ですね」

『ーさあ、全員アンサーの記入が終わったようですっ!

 それでは、一斉にオープンッ!』

 そんなやり取りをしていると、シンキングタイムは終わりアンサーのフェーズになる。…するとー。

『ーおおっ!これまた久しぶりに、全員のアンサーが一致しましたっ!

 それでは、正解を発表しますっ!』

 そして、例のサウンドが流れた後…全員のアンサーに『○』が付いた。

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