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第31話

 地図を見た

 いきあたりばったりの路地

 このあたり来たことがない

 地図を見て

 見当つかない

 どのあたりなら来たことがある


 今日 回線の具合


 夜見た夢の残滓が煌く

 夏草は枯れて土に還るのを待つ

 黒く見えたが赤かったのかも

 くだもの芯を剥けられただけ名も知れない


 おれの方向音痴

 時代の流れがピンとこない


 それでも隣の駅までの範囲内

 わずかばかりの区域だろうが

 こうも想像しがたいとは


 知ってる誰かの住む街なら

 案内してもらえるけれど

 おそらく知ってる誰かがいても

 敵対心を向けられるだけかもしれない


 いや本当はわかってるんだ

 たぶん他の連中だって

 このままだとヤバイことになるのに

 見て見ぬふりどころか

 揃いも揃って眺めているよ

 ほら

 境界線の少し手前

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