空気が澄んでキレイだな
自分の心までそんなふうに感じてしまう
汚れきった服を洗濯機に放り込んで
手袋も新しく変えてしまった
靴の手入れがわからないけれど
とりあえず汚れを拭いてます
空気が澄んでキレイだよ
きみに相対する顔つきにしては
かろうじて及第点といった感じ
自分に厳しくしているうちに
ごめんね
他人にも厳しくなっていきました
遠ざかる夏の後ろ姿すっかりもう見えなくなって
かろうじて夢から夢へと引き継ぐノートに
青く海が描かれていました
きみに会いたい
と思うのは迷惑
だったりするのかなあ
自分に課せられた目的を
なんとく忠実にこなしてきたけれど
なにかがちがう
なにかがちがう
なにもかもちがう
こんな気持ちになってしまうなんて
誰にも言えるわけない
それでも
打ち明けられるような相手が現れないかな
と期待するのは愚か
だったりするのかなあ
ハードルを越えられずに
しょうがないなあって
ヤル気と努力でハンコもらえても
できないことに変わりない
自分に厳しくしちゃうんだよね
わるいな
きみにまで厳しい言葉を告げてしまった
ごめん
ごめんよ
ごめんねって
言わなきゃ
言えよな
言うんだろ
あんなに自分に厳しくしてきたくせに
なぜかな
こんなに自分に甘くなってしまった
ゆるしてください
そんなこと言えるわけないのに
胸の奥に抱え込んだまま
まだなにも終わってないのに
ドアのリンを鳴らしてしまった
なにやってんのおれ
自分を制御できない
なにやってんだおい
きみに相対する顔ではないよね
怒られるのは想定内
不機嫌にさせちやうかも
でも
おれの精一杯
あれ ありがとう
あれも ありがとう
とっくに過ぎてしまったことだけど
あのとき ありがとう
そのとき ありがとう
どうしても言えなかった宙ぶらりんのお礼たちを
これ
よかったら
って
渡す包み
思い知ったんだ
きみに贈ろうと
甘い菓子を選ぼうとしたら
ちっとも好みがわかってなかった
いつもおれが自分のことばっかりで
いつもおれが気分でイライラして
いつも微笑むきみの気持ちを覗きもせずに
なにやってたんだろうな
玄関のドア
ガチャリ施錠が解かれて
無言なあに
と顔半分
おれの目と手元を見て
ドアがゆっくりと
あいてく