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第78話 施錠してください

どうかしっかり施錠してください

大切なものを守るために

あなたが自由に過ごせるように


どうぞきっちり施錠してください

軽蔑の眼差しだとしても

あなたは気ままに踊れるように


その空間

いっぱいに

創造の微粒子ばらまいて


あの瞬間

精一杯に

もがき苦しんだ日々よ終われ


たまに夢に見る自分らしさとは不思議

代わる代わる変化していくから

どの姿も

この言葉も

全部ひっくるめて生きたいんだよ


どうもきっかり施錠してないなら

待てよこらって怒るけど

あなたを傷つけるつもりなどない


どの栄冠なら満たせるの

妄想マウントに囚われて

ちゃんと「私」を見てくれているのなら

なにもかもいらぬ心配ですのに


目一杯がむしゃらに頑張りすぎたからこそ

わかる加減ってあると思う

一度くらいめちゃくちゃしちゃえ


回廊を抜けたら陽射しが注がれる展望台

凍りついた雪も溶け出すころに

自然な気持ちで伝えられたらいいな


凍りついた心の中にも火が残っていた

ありもしない話じゃないよ

望むもの運ばれてくるんだ

ちゃんと無事に迎え入れるためにこそ

施錠してください


そのときが来る

ガチャリ重く響く想いの廻る音とともに



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