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第105話 まぜた

いつも見あげてばかり

そこに私の名前は

ない


いつもどおりの時刻

いつもとちがう席順


カバンから筆箱

あんなにシャキッとしてた形が

ほぐれてグニャグニャ

ときどきどこからともなく

ほつれる糸


毎週のテストは難しいというより

わからない

いちおう書くから

もしかしたら私も名前が出るかも

いつも思う


いつもバツばっか


いつも見あげてばかり

成績優秀者

ずらり

なんだろうこの

この

この


帰り道に私は晴れやかになった

がんばったよ

頭の中で叫ぶ

がんばった

すごい

がんばったよ


ふと思い出す

どうして いま

どうしてこのタイミングで


けれど

ふと

いたずら心です

思い浮かんだあの通路

塾の成績優秀者ずらり

そこに私の名前

まぜた



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