なんとなく知っているし
それとなく使っている
デジャヴ
あれは いつ どこで
そんな記憶
あの景色
この感覚
どんな出来事
あるはずのない
初めてなのに
知るよしもなく
知っていた
誰かに話したくなるのに
こっそり隠してしまいたい
内緒にしておくはずだったのに
気づいたら打ち明けてしまった
深夜
終電とっくに過ぎて
貨物列車が走り去る
得意だったはずの手紙を書けなくなって
ひとりごとみたいに脳内で右往左往すると
どれが本当か
どこが妄想か
判断できなくなっている
あんなにハッキリ覚えていたのに
いまではすっかり薄れてしまった
こんなに色あざやかな記憶なのに
いまさら証明できる気がしない
たぶんもう間違いを探せない
真実さえも嘘の顔
え
いつのまに眠ってしまった
鳥さえずる
バイク走り去る
始発列車まだのはずだけど
レールの響きに包まれた
ここどこ