目次
ブックマーク
応援する
1
コメント
シェア
通報

第189話 青

気が重くてヤル気なし

どうしようもない

どうしようもない

どうしようもなくて

どうしたものかと



玄関を出た



外の空気

それだけで美味おいしい

ってわけでもなかった


なんだろ

この匂い


あまりいい感じしないタイプ

湿ってるカビっぽく淀んでた


靴底でアスファルトの固さを感じて

頬に陽射しを受けながら首を触ると

ヒリッ


もうこんなに変わってしまっていた

いつものように いつもどおりに

なんてことのない日の始まり と

勝手に決めつけていただけだった



路地に出る


すべての生垣に新芽ブワッ

吹いてる

噴いてる

溢れるエネルギー



なんだろ

どれも小さくて

粒みたいなのに


いまこの瞬間

まさに現実のヒトコマ



雲の濁り

強烈な濃淡で太陽のバランス

見れない

見れないのに

見たくて見たくて

見ないよ

見たらつぶれる

でも見たいよ

せめて仰いで浴びるさ



ひゃっほぅて叫びたくて

おれは黙ったまま上を向いてみたよ



ぁ おーぃ


背中越し誰かに呼ばれたような




錯覚めいて空想ぽくて気のせいだろって

自分に自分で言い聞かせて


いちめんの空

背中にポン

やわらかい感触


あおーぃ



この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?