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特別な皿②

私はさらだ。

ペンギン柄の皿で、ケーキを食べるときに登場する特別な皿である。


今日はどんな日でどんなケーキがのるのかな。


今日のケーキは、いつもの店のいつものケーキだね。

ふわふわしていて、表面の焼き色がきれい。

今日は特別な日なので、気合入れて頑張るぞ。


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母親「おかえり」


息子「はい、ケーキ買ってきたよ」


母親「わぁ、初給料おめでとう!」


息子「約束のチーズケーキ買えたよ!」


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息子は特別支援学校を卒業して、無事就職しました。

4月1日の入社式から毎日出社して、19日目の今日、初給料をもらいました。

昔、初給料で両親にケーキを購入するというアニメの一場面を見て、「私も、息子の初給料で買ったケーキ食べたい」と言い続けていたら、今日叶えてくれました。


また、出産時、息子を上手く生んであげられなくて、NICUのある病院に息子だけで行くことになり、別れ際に「生きててくれればそれでいい」と願い、それから時を経て息子は元気な社会人になることが出来ました。


私がかつて願った2つのことが今日叶いました。


ずっと見守ってきた皿たちも「よかったね!」と拍手してくれていて、

あっちでは、皿たちがそれぞれゴールテープを持って、私が走り抜けるのを待ってくれていて、

そっちでは、皿たちがくす玉を割り、クラッカーを鳴らしてくれていて、

こっちでは、皿たちが手をつないで輪になり、私のまわりをくるくる回ってくれていて、

想像ではありますが、皿たちもお祝いをしてくれていると思います。


特別な皿で、私の大好物のチーズケーキを食べながら、大変だった子育てが終わったんだなと感じました。



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