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138話:立ちはだかるアルカネット・3

 人はたくさんの仮面をかぶっている。目には見えないその仮面を取り替えながら、他者を欺き、自分を守り、広い世界の中を生きていく。

 その仮面はあくまで”演じている自分”である。自分というものがそこにあって、環境や状況に合わせて別の自分を作り演じている。それを他人がどう思い、見ようと、あくまでひとつの人格が見せる表情のようなものだ。

 しかしアルカネットの中には、仮面ではなくもうひとりの人格が潜んでいた。それは自らを”イーヴォ”と名乗り、表に出てくるときは主人格である”1番目の人格アルカネット”の名を使う。

 何故人格が2つも生まれることになったのか、原因はアルカネット自身も判らない。

 家庭環境は極めて良好で、ほかに兄弟もいないから両親はアルカネットを一番に考える。叱るときは暴力も暴言もなく、判るように諭しながら優しく大切に接してくれる。

 両親は共働きだが、ベルトルドとリュリュの家も同じなので、そのことに不満を覚えたことはない。

 ただ、自分の強大な魔法〈才能〉スキルを両親が怖れている風なのは感じている。でもそれはしょうがないことだと理解しているし、多少寂しく思ってもそのことで両親を嫌ったりはしていなかった。

1番目の人格アルカネット”を善とするなら、”2番目の人格イーヴォ”は悪だ。常に悪いことを考え、他人を陥れることを企んでいる。

 善悪の意志が両極端に分かれ、それぞれ人格を持ってしまったということなのだろうか。

 結局判らないまま現在まで来てしまっていた。

 常に反し合う2つの人格は、善の”1番目の人格アルカネット”のように悪の”2番目の人格イーヴォ”もリューディアに恋をしてしまった。

2番目の人格イーヴォ”は表に出てこれないときは、”1番目の人格アルカネット”の目を通して外の世界を見ている。そして可憐で美しいリューディアを見ていた。

 そしてリューディアを恋しく想う一方、”2番目の人格イーヴォ”はベルトルドを激しく憎んでいた。何故ならベルトルドも密かにリューディアを想い、あろうことかリューディアの恋心はベルトルドへと向けられていたからだ。”1番目の人格アルカネット”は気づいていないが、”2番目の人格イーヴォ”は2人の心を全て見透かしている。


「2人がくっつくなんて、そんなことは絶対に許されない!」


2番目の人格イーヴォ”は必死に考えた。リューディアの心を自分に向け、ベルトルドとリューディアの間を引き裂く妙案はないものか。

 最も効果的で、リューディアがベルトルドのことを嫌いになるような、ベルトルドの心が傷だらけになるような、そんな良い方法はないものだろうかと。

 あるとき”2番目の人格イーヴォ”は閃いた。


「僕がリューディアに告白するから、ベルトルドは引き下がってね」


 試しに言ってみた。ほんの少し”1番目の人格アルカネット”を押しのけて。そうしたらどうだろう。


「あっははっ。ベルトルドの動揺を隠せないあの表情かお! 普段威張っているくせに、隠し通せない情けないあの表情かおはなんだろう。愉快で滑稽だよお!」


 幼い日の2人の約束で、ベルトルドはアルカネットの言うことに逆らえなくなっている。


「これで、リューディアは僕のものになる!」


 それなのに。

 目的が達成される前に、突然リューディアの命が奪われてしまった。

 いかずちに撃たれ、真っ黒に焦げた遺体となって波間を漂っているリューディアの姿を、”2番目の人格イーヴォ”はこれでもかと2つの目を通し凝視していた。

 彼女がどんな姿になろうとも、”2番目の人格イーヴォ”はけっして見誤らない。


「――なぜ!?」


 歯の根が噛み合わないくらい、”1番目の人格アルカネット”と”2番目の人格イーヴォ”は震え怯えていた。

 リューディアの死が怖いわけではない。

 真っ黒になった彼女の遺体が怖いわけでもない。

 リューディアの居ない世界が、居なくなったこの現実世界が、心底怖かったのだ。

 輝くような美しい笑顔も、小鳥が囀るような生き生きとした声も、もう2度と見られないし、聴くことはできない。

 自分に微笑みを向けることも、優しく名前を呼ぶこともない。


「イヤダ…」


 その現実を思い知った時、”1番目の人格アルカネット”の精神は崩れ始める。悪巧みを考える”2番目の人格イーヴォ”も同様に、正気を保てなくなってきていた。

 そんな時、弱々しいまでに頼りなげなベルトルドの声が、”2番目の人格イーヴォ”の耳に小さく響いてきた。

 いつもの自信に満ち溢れる声ではない。誰も知らない弱い顔のベルトルドの声。

 でも自分に話しかけてきているわけではない。ベルトルドの心が発する心の中の独白だ。

 どういうわけかもっと幼い頃から、”2番目の人格イーヴォ”はずっとベルトルドの心の声が聞こえてしまう。必ずではないが、距離に関係なく聞こえてくることがある。

 はっきりと聞こえだしたのは、ベルトルドの母サーラが流産して、生まれてくることのなかった弟を悼んで悲しみに心が張り裂けそうな声が初めてだった。それまではどこか曖昧だったのだ。

 それからよくベルトルドの心の声が、はっきりと”2番目の人格イーヴォ”の耳に届いた。

 今回もまた、リューディアを失った悲しみと死を認めたくない気持ち。そして、本気で恋をしていたという想いが一緒になった声が、”2番目の人格イーヴォ”の心に突き刺さるように聞こえてきたのだ。

 その声に突き動かされるように、”2番目の人格イーヴォ”はベルトルドの後を追いかけた。

 ベルトルドはリューディアの死の原因を探ろうとしていた。誰がリューディアをあんなめにあわせたのか。そのことは”2番目の人格イーヴォ”も真実を知りたかった。

 それにもまして、ベルトルドの心の中にリューディアへの想いが残っていることも許せない。

 普段威張り散らしているが、本当のベルトルドは弱い。弱さを隠して、強く振舞っているだけだということを”2番目の人格イーヴォ”だけは知っている。

 生まれてこなかった弟を失ったベルトルドは、浜辺で一人コソコソと泣いているような弱虫だ。だからほんの少し、ベルトルドが望むことを口にすれば簡単に心を支配できる。


「ボクが、ベルトルドのおとうとになってあげる」


 こんな言葉一つで、ベルトルドは簡単に支配できた。アルカネットのことを本当の弟のように思い大事にしてくれる。どんなワガママも聞くし、アルカネットのためになんでもしてくれた。

 リューディアへの想いも、封印してくれた。


「フンッ、なんておもしろい男だろう」


 リューディアと相思相愛になるのは自分イーヴォだけでいい。ベルトルドなど邪魔なだけだ。


「雷に撃たれたのがベルトルドなら、心底良かったのに」


 リューディアの死の真相を暴き、犯人に復讐する。その為にベルトルドには身を削って働いてもらうのだ。


「しっかり役目を果たせるように、呪文をかけてあげよう」


 妨げになるリュリュの存在は鬱陶しかったが、リュリュには知らない魔法の言葉でベルトルドを完全に支配する。”2番目の人格イーヴォ”は”1番目の人格アルカネット”を押しのけるようにして言った。


「ボクが犯人を殺してあげるよ。だから、絶対見つけ出してね、”おにいちゃん”」


 ほら、簡単にかかった。


「あのベルトルドの顔を見てごらんよ!」


 凍りついたような顔の奥底で、アルカネットの中の”2番目の人格イーヴォ”は愉快そうに大笑いしていた。




「……昔の思い出など見せて、一体、なんの真似です」


1番と2番の融合人格アルカネット”は同じ顔をする目の前の男を、汚らわしいものでも見るかのように睨みつけた。


「精神の均衡を保つため、”1番目の人格アルカネット”を守るために、私は生まれました」


1番と2番の融合人格アルカネット”と同じ顔をした”3番目の人格ペルソナ”は穏やかに言った。そこに、悪意や敵意はない。


「リューディアの死によって、心が苛まれる”1番目の人格アルカネット”を守るために、ベルトルドが私を引っ張り出し、あなた達の上に被せた。”3番目の人格ペルソナ”とでも呼んでいただきましょうか」


1番と2番の融合人格アルカネット”はやがて肩を震わせ「ククッ」と笑う。


「そうでしたね。あの忌々しい男が、”1番と2番の融合人格われわれ”を封じ込めたのでした」




 リューディアの死から数ヵ月後のことだった。

1番目の人格アルカネット”も”2番目の人格イーヴォ”も、お互いどちらが主人格か理解出来ないほど、交互に入れ替わっては周囲を困惑させていた。リューディアの死の強いショックに、精神を保てなくなっていたからである。

 この時初めて、アルカネットの両親やベルトルドたちは、アルカネットが解離性同一症であることに気づいた。

 そして壊れかかっていたアルカネットを救うため、ベルトルドはアルカネットの心を探り、そこでもうひとつの新たな人格を発見した。その新しい人格を引っ張り出し、”1番目の人格アルカネット”と”2番目の人格イーヴォ”の上にかぶせた。そうすることでアルカネットの精神は保たれ、新たに生まれた”3番目の人格ペルソナ”は、”アルカネット”として31年間を過ごしていくことになる。


「ですが、あなた方はやがて一つの人格として融合していった…。リューディアへの想いはそのままに、”1番目の人格アルカネット”の心を弱め”2番目の人格イーヴォ”の側面を強くして、”1番と2番の融合人格アルカネット”となっていった」


 長い年月の中、”3番目の人格ペルソナ”の奥深くで一つの人格となった”1番目の人格アルカネット”と”2番目の人格イーヴォ”は、あることをきっかけにして”3番目の人格ペルソナ”に干渉し始めた。

 キュッリッキとの出会いである。

 リューディアと同じ顔を持つ少女の存在は、奥底で眠っていた善悪の人格を光で照らすように揺さぶった。しかしキュッリッキの生い立ちは不幸を極め、置かれている境遇も、けっして幸せとは言い難い。

 哀れみを覚えるより、何故か怒りを覚えた。

 リューディアは幸せな少女だった。だから、同じ顔を持つキュッリッキも幸せでなくてはならない。幸せに笑い、幸せに輝いていなくては認めることなどできないのだ。それなのに、こともあろうに”3番目の人格ペルソナ”がキュッリッキを愛し始めた。

 心の底から、本気で愛し始めていたのだ。

1番と2番の融合人格アルカネット”はそのことを不愉快に思っていた。リューディアと同じ顔をする、不幸な少女を愛するなど認められないというのに。それ以前に、愛する対象が顔だけ似た少女にするなど許されない。

 リューディアただ一人を、永遠に愛し続けなくてはいけないのだ。

3番目の人格ペルソナ”の邪魔をするために、様々な場面で”3番目の人格ペルソナ”に干渉した。31年という長い年月の間に、”1番と2番の融合人格アルカネット”は表に立つ”3番目の人格ペルソナ”を押しのけるのではなく、密かに操る術を見出していたのだ。

 時折”3番目の人格ペルソナ”が見せる負の感情や暴挙は、”1番と2番の融合人格アルカネット”が干渉したことで起きていたのだ。

 幸いベルトルドはそのことに全く気づいていなかった。

 ところが、キュッリッキがアルケラの巫女であることが判明する。この衝撃は”1番と2番の融合人格アルカネット”に大きな衝撃をもたらした。

 リューディアを無惨に殺した神、その神に愛される巫女であるキュッリッキ。

1番と2番の融合人格アルカネット”の憎悪は一気に膨らんだ。

 アルケラの神々に向けられていた憎悪は、そのままキュッリッキへも向けられる。

 ”3番目の人格ペルソナ”は必死で、奥底から伝わってくる憎悪を膨張させる”1番と2番の融合人格アルカネット”を抑え込もうとした。しかし、日に日に”1番と2番の融合人格アルカネット”の力は増していく。

 そしてついに、最悪な形で”3番目の人格ペルソナ”は弾き飛ばされてしまった。

 ベルトルドとキュッリッキの親娘おやこのような仲睦まじい姿を目にし、”3番目の人格ペルソナ”は大きく嫉妬を抱いたのだ。

 何故なら”3番目の人格ペルソナ”の中に生まれたキュッリッキへの愛は、男女の恋愛ではなく、親としての情愛だったからだ。

 不幸な生い立ちのキュッリッキを慰め、慈しみ、守っているうちに芽生えた愛情はベルトルドとは違うもの。キュッリッキを独占し、自分だけのものにしたかったのは父性としての愛。

 ベルトルドが望んでいるのは男女の愛だというのに、2人の姿はまるで親娘のようなのだ。

1番と2番の融合人格アルカネット”は”3番目の人格ペルソナ”の抱いた嫉妬を見逃さなかった。そしてそのことに動揺する”3番目の人格ペルソナ”と争い、ついに”1番と2番の融合人格アルカネット”は”3番目の人格ペルソナ”を押しのけ表に出ることに成功した。

 表に出た”1番と2番の融合人格アルカネット”は、憎むべきキュッリッキをレイプしようとする。しかし”3番目の人格ペルソナ”が最後の抵抗をし、それは ”1番と2番の融合人格アルカネット”を錯乱させ、結果ベルトルドの介入もあり未遂に終わった。


「完全に消し去ったと思っていたのですがね。しぶとく潜んでいたとは」

「……私は、あなたが壊れ始めた時に生まれました。だから、私にとって愛する者とはリッキーさんだけです。これまで”1番と2番の融合人格あなた”に操られリューディアへの想いのためにと思い込まされベルトルドに力を貸してきましたが、リッキーさんを害するあなたを私は許しません」


 ひたと”1番と2番の融合人格アルカネット”を見据える”3番目の人格ペルソナ”は、しかし言葉とは裏腹に、膝から下が頼りなげに薄れていた。かろうじて踏みとどまっている。


「今すぐ彼らと手を組み、ベルトルドを止めるのです。彼もまた、あなたに操られ心を大きく傷つけている」

「フンっ。傷ついている割には、巫女を犯すことに躊躇いはありませんでしたよ。性の限りを謳歌するように、愉しんでいたじゃないですか」


 痛みに泣きじゃくるキュッリッキなどお構いなしに、犯し続けていたベルトルドの姿を思い出して下卑たように笑い含む。その”1番と2番の融合人格アルカネット”の様子に”3番目の人格ペルソナ”はゆるゆると首を横に振った。


「犯したことは許しがたいことですが、リッキーさんに救いと慰めを求めてのことです。あなたも知ってのように、本当のベルトルドは心の弱い男です。無抵抗にした少女に救いを求めるような弱い…。それを、あなたがそばにいることで回避できなくしてしまった。復讐を果たすという約束のもとに。結果的に、双方を傷つけたあなたの企みが成功したと言えるのでしょう」


 ククッと愉快そうに喉を震わせ”1番と2番の融合人格アルカネット”は笑った。


「おもしろい見世物でしたよ、巫女が汚れていく様は。おかげでフリングホルニは飛び立ち、アルケラの門を開くところまできました。――本当に長い31年だった。私はリューディアを殺した神を必ずこの手で殺す。その為にはあなたも邪魔なのですよ、”3番目の人格ペルソナ”」


 次の瞬間、”3番目の人格ペルソナ”の目の前に”1番と2番の融合人格アルカネット”が移動し、”3番目の人格ペルソナ”の首を片手で掴むと、握り締めながら身体を持ち上げた。


「ぐぅっ…精神世界の中とはいえ……やはり、あなたの人格、いえ、”イーヴォ”は超能力サイも使えたんですね」


 苦痛に表情を歪める”3番目の人格ペルソナ”を見上げ、”1番と2番の融合人格アルカネット”はほくそ笑んだ。


「何故2つの人格が生まれたのか、誰も判らなかったのですが…。本来なら一人で2つの〈才能〉スキルを持つなどありえませんから、そういうことなのでしょう」

「くっ…」

「あなたの役目はもう終わったのです。いらなくなったのですよ、仮面ペルソナなど。――これまで長いことご苦労様でしたね。消えなさい!」


 グッと手に力を込めると、”3番目の人格ペルソナ”はガラスが砕け散るように粉々に割れて、空気に溶けて消えてしまった。




「あっ」


 アルカネットを透視していたルーファスは、ハッとなって狼狽えた声を出した。


「”3番目の人格ペルソナ”が壊された、ダメだ、アルカネットさんが…」

「ふふ…。本当に忌々しいものを、今度こそ消すことができました。ある意味礼を言いますよルーファス。あなたのおかげで、ゴミクズのような”3番目の人格ペルソナ”を、完全に消すことができたのですから」


 震えを誘うような、その凄絶な笑顔。ガエルすら、生唾を飲み込むほど圧倒された。


「一体何がどうなったんです、ルーファス?」


 不安そうにカーティスが声を上げると、ルーファスは困ったように床に視線を落とす。


「簡単に言うと、アルカネットさんは多重人格の持ち主だってこと。で、元々のアルカネットさんと悪い人格が合体して、”3番目の人格ペルソナ”を消し去って今おさまってる」


 そして、とルーファスは更に困惑したように唾を飲む。


「信じられないことなんだけど……、アルカネットさんは魔法だけじゃなく超能力サイも持ってる……」


 え!? と皆ギョッと目を見開いた。

 〈才能〉スキルとは、生まれつき一つだけしか授かってこないものである。これまで例外などの記録はなく、報告も上がっていない。

 レア〈才能〉スキルと呼ばれる魔法や超能力サイの両方を、その身に有している人間など、これまで存在していなかった。


「ほ…本当なんですかそれは……?」

「どのへんまで超能力サイを使えるかまでは、オレもわかんない。けど、少なくとも透視や空間転移は出来るみたいだよ…」

「化物か、あの人は」


 うんざりしたように、ギャリーは吐き捨てた。

 片方だけしかない漆黒の翼を悠然と広げ、残忍な笑みを浮かべたアルカネットは、悪魔のようだとギャリーは思った。


「ビビっていてもしかたがない。倒さなくてはキューリを助けることは出来ないんだ」


 ずしりと重みを帯びた声が、静かに仲間たちの心に響く。

 ガエルを振り仰いで、ギャリーは口の端を不敵に歪める。


「ああ、そうだったな。キューリが待ってるんだったよな」


 ガエルも凄絶な笑みを浮かべた。


「ルーの気持ちも判らないでもないが、”3番目の人格ペルソナ”とやらが消え去った以上、心情に訴える作戦は望むだけ無理そうだ。超能力サイが使えるなら尚更、もう殺すぞ」


 拳を握り、上腕筋が膨らんで、殺気と闘気がガエルの全身を覆っていく。


「格好悪くても良い、全力で殺せ!」


 そう吠えると、ガエルは床を蹴って前に飛び出した。

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