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第92話 弱くなれない

強くないけれど弱くもいられない。

私は半端な存在に過ぎない。


できればいつも微笑んでいたい。

強さに裏打ちされたふりをしていたい。

それでも、私の内側はそんなに満ちているわけでなく、

スカスカの穴だらけに、

涙が満ちている。


強くなりたい強くなりたい。

思うのと同じくらい、

弱さを見せたい、弱いと言いたいと思う。

私は弱く、私は頼りない。

だからこそ強くなりたいと思うし、

だからこそ、弱いと認めたいし、認めて欲しい。


できればいつも微笑んでいたい。

大丈夫だと笑っていたい。

安心させる強さが欲しい。

そういう私になりたい。


強くもなれない、弱くもなれない。

半端ものかもしれないけれど、

誰かの涙を止めたい、

そういう思いだけは、一人前にあるんだ。

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