私が大切にすべきものはなんだろう。
選択肢ばかり増やして、
答えが選べない。
全部を抱え込むには、
私は非力すぎる。
全部。
ぎゅうと抱えて守れればいいのに。
ぼろぼろと抱えようとしたそばから、
こぼれていくもの。
強く抱えすぎたがゆえに、
壊れていくもの。
私の世界が、抱えるものについていけなくなって、
あふれだして壊れてしまったこともあった。
私に何が残っただろう。
大切にすべきものはなんだろう。
壊れたり、こぼれたり、あふれたり、
たくさん残っているはずなのに、
失ったものを求め続けて、
大切なものはどこにあると探し続けて、
この手に全部抱え込もうとして。
この手からこぼれたものに、
ごめんなさいと謝ってもしょうがない。
でも、非情にもなれない。
泣きながら、
何度も許しを乞うように謝った。
わかってくれなんて言わない。
格好悪く、こぼれていくものに、
おろおろするばかりに自分を、
わかってくれとは言わない。
信じた道を歩いているわけじゃない。
ただ、恨みをかう道を歩きたくないだけ。
おびえているばかり。
全部を守って、
全部大切にして。
そして、
誰にも嫌われたくない。
そんな風に生きたい。
結局、涙ばかりが増えて、
私は抱えられなかったものの声におびえながら、
格好悪く生きている。