火を吐くということ。
知っている限り、
火を吐く動物を私は知らない。
空想の動物の中でようやく、
火を吐く生き物が出てくる。
ドラゴン。
火を吐いたり、気象を操ったり、
神様に近い生き物。
私が思うに。
人が、火を吐く生き物を想像すること。
それこそが、
人がほかの生き物に持っていないこと。
多分、火を吐く生き物を想像するということを、
人以外の生き物ができるとは思いにくいし、
人以外の知識ある生物がいるとすれば、
それはそれで例外なのかもしれない。
私が思うに。
人の想像力は、
火を吐くことに近いと思う。
大きく深呼吸、
そして、ほかの生き物にはできない、
想像をして、創造をする。
人の吐く火の息は、
ドラゴンが焼き尽くすように、
世界を変えていく力があると思う。
想像のドラゴンのように。
世界を焼き尽くすような火の息を。
深呼吸して、放て。
火を吐く想像の生き物は、
人が考えうる最高の強さ。
そして、創造をする人は、
火の息を吐いている。
或いは自分自身も焼き尽くすかもしれない。
それでも火の息を吐かずにはいられない。
それが、
多分創造するものとしての、生き方なのだろうと思う。
ひどいやけどを負っても。
やたらめったら火を吐き、
世界を変えんとする。
そう、空想の中のドラゴンのように。
そんな風に生きるんだ。