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123 遠征の漆




「げほッ! げほッ! がはッ!」

「がッ! げほッ! マジか! げほッ、げほッ……!」


 突然の暴露を受け、わしと吉継が苦しむ。


 当然じゃ。

 浅井家が滅ぼされる直前、長政殿の妻だったお市の方とその3人娘は信長様の妹君、そして信長様の姪っ子たちということで、裏ルートを通じて城から脱出。無事にその後を生きておられた。

 生きておられたっていうか……本能寺の変の後に、お市の方は柴田の親父殿と再婚。そして娘のうちの1人である茶々殿は殿下と結婚し、秀頼殿を産んでおられる。わしの嫌いな淀殿が、まさにその茶々殿本人じゃ。

 んで、その茶々殿の転生者が由香殿。

 これが驚かずにいられようか。



 ついでに他のご息女も若狭湾のあたりの有力大名や、他にも、うん……お江というご息女は家康の跡継ぎである徳川秀忠と再婚したりしておる。

 ここまで複雑な情事が繰り広げられるとドロドロしすぎて、なんかもう昼ドラのような感じになってきているけど、まさにそんな昼ドラ要素たっぷりの家が浅井家じゃ。

 まぁ、そう考えると浅井家は完全に滅ぼされたというわけではなく、その血筋は脈々と受け継がれておる。徳川の3代目の将軍である家光とかいうクソガキがお江殿の息子だったりな。


 あっ、そういえばわしって幼い頃からどうにも由香殿が苦手だったんだけど、そういうことか。

 あのおなごが転生者で、しかも前世が淀殿であったのならば納得じゃ。


 でも、それも今はどうでもよい。

 浅山殿がわしらに接触してきたのは、そんなことの暴露ではないはず。

 さて呼吸も元に戻り、ここからは真剣な話し合いじゃ。


「驚かせてすまん。一応伝えておこうと思ってな」

「げほッ……いや、大丈夫じゃ。でも由香殿についての話が今日の本題ではなかろう?」

「あぁ、あいつはこの話にほとんど関係ない。まぁ、今は一応都内の大学で経営学を学んではいるが……」

「ふむ。それは感心。して浅山殿の話とは?」


 わしの問いに、浅山殿は姿勢を前のめりにしながら真剣な表情を浮かべる。


「実は……」

「うむ、実は?」


「北近江の浅井家と、福井県の一乗谷に拠点を置く朝倉家……この2つの勢力をさらに豊かなものにしたいと思ってる。

 まさにかつての……浅井・朝倉同盟のように……」


 あぁ、やっぱり来たよ、これ……。


 うすうす予感はしていた。

 でも、もしそうならすごい面倒な話になるので、その流れにはなってほしくないとも思っていた。

 ところが結局浅山殿が持ってきた話はこれじゃ。


 まぁ、わしが現世においてそういう活動をしておるのが転生者社会に広まっておるのは当然。むしろそういう手法で各地の勢力を争わせることなく経済的に繋げ、その繋がりの中心にわしがおることで、わし自身の影響力や立場を天下に知らしめようとしてきた。

 それゆえ浅山殿のような人物がわしらに接触してくることも最近は多くなった。

 だけどさすがにこの同盟は……


「くっ、難しすぎる……」


 わしの隣で吉継が険しい表情を隠そうともせず、わし自身も腕を組んで考え込む。

 この話、もちろんわしらにとって遺恨などはない。裏切りと挟み撃ちによる地獄のようなあの戦にわしらが参陣しておったなら、即座に断る案件だがな。

 そしてもちろん徳川四天王たる冥界四天王……そして当時織田軍に参加しておった殿下や利家殿、そして信長様本人にとっては許しがたい同盟じゃ。


 しかも浅山殿が今さっき口にした地域は、たしか柴田の親父殿が勢力の地盤を築いておったはず。

 うーむ、柴田の親父殿……信長様亡き後の権力争いにおいて殿下に敗れ、その配下だったわしらに対してもいまだに喧嘩腰で絡んでくるし、同じく好戦的な頼光殿がその場におると売り言葉に買い言葉で……あっ、頼光殿の話は今はよいか。


 何はともあれ、福井県を中心とするあの地方は柴田殿のテリトリーなはず。

 でもそれもそれで考慮すべき点がある。

 まずはその柴田勝家殿本人がここ数年――いや、前総理大臣だった信長様の閣僚として名を連ねておったここ10数年間は主に東京で活動をしておった。まぁ、政治家は選挙とか票田の地盤強化のために、ちょいちょい地元に帰っておったりするけどな。

 でもそれはつまり、柴田殿は地元の経済界にどっぷりとつかっておったというわけではない。

 しかも隣り合う石川県の金沢あたりは現総理大臣たる利家殿の政治地盤じゃ。


 んで信長様の政権からの退陣と政界引退に合わせ、柴田殿も政界を引退しておる。

 そしてそのご本人も齢70を超え、もろもろの活動から緩やかに手を引きつつ、今は信長様に追従して世界を回ったり、たまに東京に赴いておるぐらいか?


 と考えると、今後あの地方に朝倉勢力が力を広げ、浅井家の頭領たる浅山殿と経済的な連携を発展させるのも可能じゃろう。

 というか朝倉家の方はどんな感じなんじゃろうな? もしその存在が織田家にばれていたら、とっくの昔に潰されておるに決まっている。

 でもそういう争いの話はここ10数年聞いたことがないし、存在そのものも知らんかった。

 まぁ、わしが現世に生まれ出でる前にそのような争いがあったのなら、わしが知らんのも無理はないけど……。



 と、わしとしては珍しく長いこと考え込み、そして可能性を見出したことで静かに口を開く。


「おぬしがこういう話を持ってきたということは、浅井の方はある程度動き出す準備ができておるということじゃな?

 でも朝倉家について聞きたい。どういった経済基盤を築き、そもそもその勢力はいかほどなのか?」


「あぁ、あちらは義景殿が健在で。というか転生してから最近まで福井の山中にある小さな会社を経営しながらひっそりと暮らしておられたそうな。

 織田方に知られたら敵対され、即座に潰されるからな。

 でも40を過ぎた頃から会社の規模を大きくし、勢力としてももう一回り大きくしたいと思い始めたらしく、最近になってその話を持ってきた。

 ちょうど柴田殿がいろんな意味で現役を退く歳だし、実際にその兆候がある。

 だからこれを好機とばかりに、だ。

 主な経済基盤は若狭湾の水産業。武威を扱える配下の兵は我々浅井と合わせて50ほど。

 その水産業を能登半島まで伸ばし、我々の地盤である北近江を経由して関西に水産物を売るという経済活動を勢力の基本的な収入源にと思っている」


「ふむふむ。なるほど」


 朝倉側の思惑にも未来性がないことはない。

 若狭湾から能登半島までを一大水産業拠点として成長させ、というか最近色々と大変な能登半島の民たちにも経済的な恵みをもたらす。

 そしてわしとしても柴田の親父殿が手を引いた権力の空白地域によくわからん勢力がのさばるより、一応戦国大名に名を連ねるこの両者がそこをがっちりと抑えてくれた方が助かる。


「可能性はあるな。もろもろの……」


 ほら、わしの隣で考え込んでおった吉継も似たような結論に至ったようじゃ。

 だけど結局の問題は、かつての時代におけるわしらの上司たる殿下のさらに上司たる信長様。

 あのお方には現世においても大きな借りというか多大な恩があるし、先日一緒に宴を楽しむぐらいに仲良くもなっておる。

 今のわしらなら実力で何とかできそうな気もするけど、だからこそ信長様とは穏便に話を付けたい。


 というところまでわしが悩むのは、浅山殿にとって想定内だったようじゃ。


「俺はまだ21。織田の皆様を裏切ったという記憶もなければ、その後に城ごと焼かれたという恨みもない。

 “記憶の中”ではお市の方とも出会っていないし、その婚姻が決まるのが来年のあたり。そしてその2~3年後には大きな過ちを侵すことに。

 その時の感情がどういうものだったのかは今はまだ測りかねないけど、今のうちに信長様からお許しを得れば、その恩を持ってかつての敵対心を抑え込めるかと。

 だからこそ、今のこのタイミングでそれを御二人に頼みに来た」


 あぁ、そういえばわしと吉継のような記憶残し以外の転生者はそういう設定じゃった。

 頭の中でもう1つの人生を……大変じゃな。

 などと思っている場合じゃない!


「うむ。でも1つ疑問が……?」

「はい。なんでも……?」

「なぜ日本海側の水産物を関西へ? 関東にも運べば利益の可能性はさらに大きくなると思うんじゃが?」

「いや、東京はさすがに遠すぎて……物流のコストと対象地域の総人口を考えるに、関西地方……大坂・京都に名古屋や神戸を含めれば関東圏にも匹敵する人口になるかと」


「あぁ、なるほど……」


 ってことは信長様の地元である名古屋にも食い込もうとしてるっぽいけどな!

 おいっ! 流石にそれは……?


 とわしが少し浅山殿を諫めようとしたんだけど、ここで隣の吉継がにやりと笑った。笑いやがった。


「面白い……」


 いや、ちょっと待て。


「いや。落ち着け、吉継。浅山殿も。

 さすがに信長様の地元まで手を出したら、ただでは済まん」


 と思ったけどさ。ここで思わぬ発言が吉継から飛び出した。


「三成よ。構わぬではないか。

 織田に、柴田の親父。今やわしらの敵ではない。

 いつまでもわしらの上のような立ち位置で偉そうな態度をしてくるのもむかつくし、柴田の親父にいたっては会うたびにいちいち怒鳴ってくる。

 勇多がそのたびに怯えるんじゃ。いい加減そろそろやつらを潰してもよいと思うが……?」


 うぉーい! いや、待て! なんでそんなことを急に!?

 しかも勇殿? え? そうなの?

 わしとしてはただの頑固ジジイがよくわからんパワハラをしておるだけだと思って聞き流しておったんじゃが!?


 いや、でもわし自身は信長様と結構仲いいし……そういう関係を武力でぶっ壊すと、今後のわしらに対する信頼が揺るぎかねんのじゃ。

 なのでここは別の方法で何とかしないと。


「柴田の親父殿は最悪武力でどうにかする必要があるな。

 でも信長様に逆らうのはダメじゃ。わしらまで謀反人のレッテルを張られたら、それこそこの先の活動に支障をきたす」

「ほう、確かに。でも柴田の親父には力で?」

「あぁ、あの方のプライドの根底にあるのはあくまで戦国武将としての……いや、1人の武人としての強さ。

 なのでこちらからそれをぶっ壊しにいく。わっぱじみた方法じゃが。

 こちらの話を聞いてもらえなかったら、そこで1対1の勝負など仕掛けるんじゃ。こちらが勝ったらいうことを聞け、みたいな感じで。

 その時はわしでもおぬしでもよいが……今の我々なら問題なく勝てるじゃろう」


 浅山殿には内緒だけど、“法威”を操り、かつ三原や頼光殿たちとの鍛錬も定期的にこなしてきた今のわしらなら問題はない。

 なのでその提案については吉継も首を縦に振る。


「して……信長様に対しては? どうする気じゃ? あの方こそ、そう簡単に自分の意見は曲げない性格ぞ?」


 んで、ここでふと思い立ってしまったのが、わしの悪い癖じゃな。

 悪い癖というか、悪い案が浮かんでしまったというか。

 人として最低最悪の下衆な計画が浮かんでしまったというか。


「浅山殿?」


 まずは若干戸惑った感じで口を開くわし。

 対する浅山殿も真剣な表情でそれに応える。


「ん?」


「衆道(しゅどう)……って知っておるか?」

「知っている。知っているけど、なんで今? って、まさか!?」


 わしの隣で何かに気付いた吉継が(あぁ、このバカ……)みたいな感じでこちらを見つめ、そしてソファにうなだれながら顔を手で覆ったけど、そっちは無視じゃ。


「あぁ、そのまさかじゃ。わしがこの件を信長様に伺ってみるが、その同盟を信長様が許可しなかった場合は、最悪おぬしの……?」


 衆道……つまりはBL。

 ボーイズラブというか、武将ズラブというか。


 わしや殿下、そして隣におる吉継はそっちの趣味はなかったけど、何を隠そう信長様はそっちの趣味がおありだったのじゃ。

 んで、目の前にはめっちゃイケメンボーイ。しかも歳は21。

 現世における信長様がそっちの生活をどのように過ごしてこられたかは知らんが、今の時代そういうものにも寛容な雰囲気が世界中にあふれておる。

 さすれば……っていうか、そういう世界の流れを知っておったせいでこの提案が脳裏に浮かんでしまったのだけど、多分こやつのこの外見、信長様にとっては大好物なんじゃね?


「おいっ! ちょっと待ってくれ! 俺はそっちの気が……つーかもうすぐお市の方との婚姻の記憶が戻るのに、その兄君と……?

 ってか、えぇーーッ!? 嘘だろ!? おい、三成殿! 嘘と言ってくれ!」

「いや、これは最悪の場合の話じゃ。でも信長様がご存命のうちにそのような同盟を創りたいと申すのであれば、それぐらいの覚悟は持ってくれ」

「えぇ!? いや、あの、その! ちょっと、待っ……!」


 んで、これもわしの悪い癖な。

 その場の勢いというか。一応冷静に(あぁ、日本じゃ今は午前の7時ぐらいか。じゃあ信長様はもう起きてる可能性も?)というのも確認したけど、へたに報告が遅れると信長様の怒りに触れちゃいそうだし、わし自身もさっさと話をつけておきたいと思ってしまったんじゃ。


 なのでわしはテーブルの上に置いておいたスマートフォンを手に取る。


「ままま、待ってくれ! もしかして今から信長殿に電話を!? 嘘だろ!? おい、三成殿!? 嘘だと言ってくれ!」

「いーや、織田家の家風を知っておるものならば常識じゃが、こういう大事な件はすぐさま信長様に報告しないと」

「えぇー!」


 その後、信長様に電話しようとするわしと、それを止めようとする浅山殿の間で軽い取っ組み合いが始まったけど、別室で寝ている冥界四天王に気付かれぬよう、武威による戦いまで発展しないように両者気を付けつつ――んでもって結局、その取っ組み合いで勝ったわしが信長様に電話を入れることに成功した。


「うむ、サルの小姓がいきなりどうした?」

「報告です。今しがた浅井長政の転生者を名乗る者が我々に接触を試みてきて、浅井・朝倉の経済的な同盟を立ち上げたいと」


 だけどさ。


「わかった。滅ぼせ」


 信長様からの返事は残酷なほどに短く、そして内容も残酷なもの。

 しかもその短い返答のみで、電話を切られちゃったわ。



 いやいやいやいや。

 さすがに浅井殿を嫌い過ぎじゃ!

 じゃなくて。


 こういう時は……仕方ない。信長様に何度もしつこく電話するのは気が引けるし、怒られそうでめっちゃ怖いけど……。

 何を隠そう、このわしだってその信長様とめっちゃ仲良くなった武将じゃ。

 なのでこういう時の対処法というか、信長様への対応の仕方ぐらいわかっておるのじゃ。


「よし、もっかいかけよう」


 まずは再度信長様へと電話を繋げ……って、その操作の最中にも浅山殿が半泣きでまたまた止めに入ってきたけど、それも無理やり引きはがして……。


「この同盟に関するメリットとデメリットを報告します!」


 信長様に電話が繋がったと確認するや否や、わしは即座にこう言った。

 信長様に対しては、こういう風に短く概要を伝えるのがいいのじゃ。


「仕方ないな。とりあえず申してみよ」


 ほらな。信長様からも前向きな答えが返ってきた。


「ははっ! まずはメリットについて。朝倉家がこれから若狭湾と能登半島の漁業に……」


 そしてわしはできるだけシンプルにこの同盟の立ち上げで起こる北陸・滋賀地方の経済効果を伝えつつ、同時に柴田殿と利家殿が被る影響などもデメリットとして伝えておく。

 とはいえデメリットをそのまま伝えたのでは芸がないので、そのデメリットすら現総理大臣である利家殿に有利になるような提案をしつつ、なんとか信長様の了承を得ることができた。


 でもそれはそれ。

 長政殿に対する信長様の恨みは簡単に消えるわけはない。


「でも長政は許さん。浅井家の配下の者は朝倉家と好きにすればよいが、長政に関しては後でその首を持ってこい」


 ほらな。

 なので、最後の手段へ……


 わしとしても、ものすごい罪悪感を感じるけどこればっかりは仕方ない。

 そう、浅井家の為じゃ。もちろん悪意などはない。悪だくみなどでもない。

 ただ浅井家のためを思って。本当に! そう! そのために心を鬼にして……



「いえ、上様! その浅井長政殿! めっちゃイケメンです! 歳も若いです!」

「ふむ。その言い方だと、長政はそっちにいるのだな? サッカーの関係者か? しかも若いとなると……選手だな?

 くっくっく。よい戯れができそうだ。

 わかった。命は取らずに、生きたまま日本まで連れてこい。余が直々に空港まで出迎えてやるわ」


 めっちゃ乗り気になったァ! むしろ怖ッ!

 じゃなくて!


 この先についてはやはりR指定になってしまうので詳細は言えないけど、後日浅山殿という生贄を信長様にささげることでその協力を得ることができた。同時に、その生贄に満足した信長様が柴田の親父殿を抑え込んでくれたために、浅井・朝倉同盟は無事に立ち上げられることとなった。



 後日……そう、日ノ本を揺るがす大きな戦の後でな。



 まずはその戦いについての一報。

 信長様の機嫌のよさそうな声を最後に通話が切れてから数分後。

 うなだれる浅山殿を励ましつつ……突如わしのスマートフォンが着信音を奏でた。

 一瞬信長様からの電話かと思ったけど、その相手はあかねっち殿じゃ。


「もしもし? おっつー」


 頭を切り替え、普通の大学生っぽい口調であかねっち殿に挨拶したけど、相手はひどく焦った――いや、危機感すら感じさせる声で言を返してきおった。


「光君!? 聞こえる!?」

「え? あ、うん。聞こえるけど? どうしたの? そんなに焦って……」

「手短に言うね。九州博多のあたりに中国からの敵襲!」


「え? なに? 中国から!?」


 おいおい、元寇かよ!?


「うん! 博多の街が酷いことになってるの! こっちも各勢力に応援要請しつつ応戦してるけど! これ、ヤバい! ヤバいの!」

「え? そんなにヤバいの? 敵の規模は?」

「たった3人。だけどその3人がかなり強くて!」


 ん? たかが3人?

 そんなもん、華殿1人で簡単に片づけられるんじゃ?


「え? 華ちゃんは?」

「華ちゃんが敵の1人と戦ってるけど、相手が華ちゃんと同レベルの強さなの!」

「え? マジで? 華ちゃんと同じぐらいの強さ?」


 え? そんなのあり得るか?

 いや……しかもそれが3人?


「うん。他の敵2人には頼光さんと三原コーチを当てて……島津と毛利と長宗我部がすぐにこっち来れたから、それぞれの勢力を3人のバックアップと連携に……って、あぁッ! もう無理ッ! 私じゃこの戦いの指揮なんて無理!

 光君と勇君、早く帰ってきて! それまで何とか持ちこたえるから! 急いで! 早く!」



 わしと勇殿は即座に帰国することにした。




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