238. 『姫。魔法使いになります!』~魔法使いになれたら★案件ゲーム耐久配信~⑦
そして時間は5時前、アドバイス通りにパーティーを組み直し第1章の5話のボスに挑むことにする。
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『楽しみ』
『姫の本気が見れるw』
『いけえええええ!』
「そう言えばポアロ探偵。ゲーム配信ってやっぱり事前に調べてから配信するの?」
《え?内容によるんじゃない?初見のほうが面白い配信になるゲームもあるから。ポアロも結構初見のゲーム多いよ?》
「そうなんだ。ゲーム上手いからいつも調べてやってるのかと思ったよ」
《まぁ経験値じゃない?慣れてきたら、あのゲームと同じシステムねとか分かってくるから》
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『さすが探偵』
『出来ないのは謎解きだけw』
『最大の謎w』
《うるせぇ!親衛隊!謎解き弄るなw》
「ましろの親衛隊に怒るのやめてよwそれなら謎解きも事前に調べてやってみたら?w」
《事前に調べたら面白くないじゃんw》
「あはは。ポアロ探偵はRPGが一番好きなの?」
《うん。そうだね。ポアロねあんまり答えが1つしかないものって好きじゃないんだよね?RPGはさ、今みたいにパーティーや装備とか考えたり、ストーリーで感動したりさ?それこそ『ましポん48』の時みたいなレアアイテムをコンプリートしたり、今の姫みたいに何かの縛りプレイとか、2週目は違ったプレイしたり、色んなルートがあるから好きなんだよ》
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『やり込めるしね』
『何回もクリアするよね』
『その積み重ねが楽しい』
「なんかポアロ探偵らしいね?」
《え?どこが?》
「ポアロ探偵ってさ、色々なことを考えるのが好きでしょ?それこそ企画とか。そうやって自分の中に蓄積していったものをアウトプットするのってすごく楽しいと思うんだ。だから決まった答えの謎解きとか苦手なんだろうね。ってフォローしておこうかなw」
《ありがとw》
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『優しい』
『姫のフォロー助かるw』
『姫と探偵仲いいよね』
《とりあえず、そのパーティーなら倒せると思うから頑張って。ポアロはもう寝るから》
「うん。ありがとねポアロ探偵」
《またね~》
「またね~。さて、パーティー編成もできたし、第1章のエンディングを目指して……頑張ろうか」
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『お!』
『ついにか』
『待機w』
そしてオレは、第1章の5話ボスを倒すためパーティー編成を完了させ、ゲーム画面と向き合う。パーティー編成を完了させたし、これでボスを倒せなかったら本当にレベル上げとかしないとヤバイ。なんか不安になってきたぞ……
「……そうだ。いいこと思いついた」
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『なに?』
『どうしたの姫?』
『何かやるつもりかな?』
「えっと……あ。」
《……なんですかぁ~?》
「冷たいなぁ。でも絶対出てくれると思ってたよ。自己紹介お願いできるかな?」
《Fmすたーらいぶ3期生、Fmすたーらいぶの風紀を守るがんばり屋の妖精双葉かのんです。ましろん先輩、かのんも暇じゃないんですけど~?》
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『おお!妖精来たぁ!』
『ましのん!』
『妖精嬉しそうw』
『喜びが漏れてるw』
「そんなこと言って、ましろの配信リアタイで観てくれてるし。本当はましろから通話が来て嬉しいんでしょ?」
《そりゃあ……嬉しいですけどw》
「やっぱりましろにはかのんちゃんしかいないからさ?もしさ、ここでましろが負けちゃったら一緒に責任とろうねw」
《なんで連帯責任なんですかwそのために呼んだんですか?w》
「うんw」
《なんでですか嫌ですよかのんw》
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『朝方のてぇてぇヤバい』
『めっちゃニヤけるw』
『てぇてぇすぎw』
「いいじゃん。ましろのこと好きでしょ?」
《そういうましろん先輩はかのんのこと好きなんですか?》
「うん。好き好き」
《軽いw》
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『もう満腹になりましたw』
『てぇてぇw』
『満腹なのにまだ食わせるのかw』
『ましのん最高』
《しょうがないなぁ。わかりましたよ。ましろん先輩はかのんがいないとダメなんですね?》
「え……?」
《ガチのトーンやめてくださいよwかのん泣きますよw》
「ごめんごめんw」
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『ビジネスが出たw』
『ビジネスましろんw』
『姫の照れ隠しだよ』
「ましろの配信最後まで見届けてよ。かのんちゃん親衛隊隊長でしょ?」
「わかりましたよ。あとでかのんにもお菓子とジュース奢ってください」
同じ家。ただ違う部屋にいる。そんな彩芽ちゃんだが、こうして通話を繋げていれば一緒にゲーム配信をしているような感覚になる。それはVtuberであるオレと彩芽ちゃんの特権かもしれない。それが何だか嬉しかった。
そのあとは、無事に第1章の5話をクリアしたので責任をとることもなく、『姫宮ましろ』の初ゲーム長時間耐久配信は大盛況のまま無事にエンディングを迎えることができたのだった。