237. 『姫。魔法使いになります!』~魔法使いになれたら★案件ゲーム耐久配信~⑥
時間は4時を回る。長時間耐久ゲーム配信も7時間がたった。こんなに配信をしているのは初めてかもしれない。
というか……ゲーム配信をしている人はすごいな。特に日咲さんはこれを流れで2~3日やってるんだよな……流石としか言えない。
ゲームは第1章の5話まで来ている。これをクリアすれば、目標は達成だ。
「あと少しだね。みんな大丈夫?無理しないでね?これアーカイブに残すから、時間ある時に見てもいいからね」
コメント
『最後まで観るよ』
『ここまで来たら最後まで付き合わせて』
『親衛隊も応援するぞ!』
コメントをしてくれる親衛隊のみんなには本当に感謝しかない。初めての長時間ゲーム耐久配信なんて普通は気が狂いそうなものだと思うが、みんな優しく付き合ってくれる。本当に優しい人達だ。
「ありがとね。でも……最後のボス強そう……しかも2体もいるし倒せるかなぁ」
そんなことを話ながら、ステータス画面を確認していると突然ディスコードに通話がくる。
「ん?あれ?」
《お困りのようだね姫?》
「ポアロ探偵呼んでないけどw」
《え?w》
コメント
『探偵来た』
『配信観てたんだろ』
『やっぱりゲームは探偵だよな』
「ごめん冗談。どうしたの?もしかして、ましろのこと助けに来てくれたの?」
《うん。まだ姫が配信やってたから、ちょうど見たんだけど、すごい悩んでたから思わず通話しちゃったよ》
「そっかありがとう。このパーティーで倒せるかなポアロ探偵?」
《レベル低いから厳しいと思うよ。姫の持ってるキャラクター見せてくれない?》
オレはそのまま自分のキャラクターを見せる。レベルを上げる以外に何か方法があるのだろうか……?
《おお!3期生と4期生揃ってるじゃん。そしたら……『パッシブスキル』を考慮してパーティー組めば全然いけるよ!》
「パッシブスキル?」
《え?おい姫、まさか知らないでその『魔法使いになれたら★』やってたの?それは草だよw》
「え?教えてポアロ探偵」
コメント
『そういや気にしてなかったw』
『さすが探偵w』
『探偵の参考にしよ』
《パッシブスキルっていうのは、自動で発動するスキルのこと。スキルの画面の右端に矢印あるじゃん。それで次のページ見れるよ》
「本当だ。矢印あるwえっとパッシブスキル……」
姫宮ましろ:パッシブスキル『すたーらいぶのエース』
パーティー全員がFmすたーらいぶのキャラクターの時、自分の能力値が20%上昇する
「え?強くないこれ?ましろ、こんないいの持ってたんだ」
《そうだよ。姫はそのパッシブスキルのおかげで、レベルが低くてもここまで進めたって感じなんだよw》
コメント
『ゲームの中でも姫すげぇw』
『さすがエースw』
『本当にそれw』
《パッシブスキルを考えると……えるるとかなえとジャンヌで組んで、姫でゴリ押せば倒せるよ?4期生はパッシブスキル強いから。確認してみて?》
「うん」
八神えるる:パッシブスキル『最高のエール!』
味方全員の魔法ゲージ上昇率を20%上昇させる
皇ジャンヌ:パッシブスキル『てぇてぇの聖少女』
味方の光属性のキャラクターの攻撃力を20%上昇させる
夢花かなえ:パッシブスキル『アイドル一直線!』
パーティー全員がFmすたーらいぶのキャラクターの時、魔導弾でも敵のシールドを2つ削ることができる。
《これなら全員魔導弾でシールド削れるし、魔法ゲージも溜まるし、姫の攻撃力もかなりあがるから余裕だよ》
「色々考えることが多くてゲームって難しいね。ポアロ探偵すごいよ……何で謎解きヘタなんだろw」
《おい!謎解きは関係ないよねwまぁ姫ならすぐ上手くなるよ。さて、パーティー編成してボスに姫の圧かけに行こうw》
「圧かけに行かないよw」
《え?行かないのw》
「圧じゃなくて、○すからw」
コメント
『草』
『○すはヤバいw』
『姫に逆らうなw』
『やっぱり1期生はやり取りがすごいw』
コメントはオレとポアロ探偵のやり取りに盛り上がり、リスナーも笑ってくれている。本当に楽しい配信だ。さて……ボスを倒すか