295. 姫は『仕返し』をするそうです
そして時間は19時50分。事前にさくらちゃんのマネージャーさんにも協力してもらい、配信で使える情報を集めておいたので、かなえちゃんと打ち合わせをし、さくらちゃんの公式企画が始まるのを待っている。
ちなみに今回は、ドッキリするまではさくらちゃんにはリスナーのコメントが表示されないようにしている。頃合いをみて、良いタイミングで凸に行くことにする。そして20時になり配信が始まる
「おう!こんばんは。Fmすたーらいぶ2期生、最強の女刑事とはこの遠山さくらのことだい!今日はな、春に発売されるグッズ紹介の公式企画になってるぜい!みんな楽しんでくれな!……あれ?ちょっと待って……コメントが見えねぇwおいおい。運営さん頼むぜいw」
コメント
『草』
『見えてないのw』
『早く直して』
「とりあえず直るまで、どうするか……このまま直らなかったら笑うよなw」
《ましろが直してあげようか?》
「え?ましろ先輩?」
コメント
『姫?』
『えっ凸?』
『どした?』
「え……ちょっと待って……え?」
《だからましろが直してあげようか?さくらちゃん?》
「ましろ先輩……え?なんですかこれ?」
《さくら先輩。コメント見れないんですか?大変ですね。かなえが直しましょうかw》
「かなえ?……これなに?え?」
《運営さん。背景と共に直してくださ~い》
オレがそう言うとコメント欄と共に背景には『戦乱の恋乙女・DX』のスタート画面が映し出される。
コメント
『これドッキリ?』
『おお姫の逆襲w』
『しかも警部が昔やってたやつじゃん』
「え?マジかwうわぁ!本当にドッキリなんですかw」
《さくらちゃん語尾変わるのやめてwじゃあ、かなえちゃんタイトルコールよろしく!》
《は~い!『さくら。意中のあの人を恋に落とします!』耐久ゲーム配信です!》
「戦乱の恋乙女wこれ案件ですかwあれ?グッズの配信は?」
《ないよwほら、さくらちゃんは『Fmすたーらいぶ学力王決定戦』の時にやったことあるって言ってたでしょ?ちなみにさ……明日のさくらちゃんのスケジュールってマネージャーさんから何て聞かされてる?》
「え?……打ち合わせと会議……あぁだからかwおかしいと思ったぜい!さくらが朝からこんなにスケジュール入ってるんですかって聞いたら、『頑張れば早く終わります』って……この為の仕込みかよ!w」
《そう。さくらちゃんのマネージャーさん協力してくれてありがとうございます》
コメント
『ドッキリ助かる』
『警部頑張れ』
『乙女の姿楽しみ』
「というかかなえ!お前裏切ったなw」
《先に裏切ったのはさくら先輩ですw長い物には巻かれたほうがいいんです。それに、かなえはリスナーさんの味方ですからw》
「お前それこの前さくらが言ったやつだろw」
《そうそう今は『姫花』しか勝たん!だからさw》
《そうです『姫花』しか勝たん!》
「なんかいつの間にカップリングになってんだけどw完全にアウェイになっちまったwあとで覚えとけよかなえ!」
コメント
『しゃーない』
『ゲーム頑張ろう』
『警部期待してるよ』
《いいんですかそんなこと言って?かなえにはとっておきの情報がありますから!ここでですね。さくら先輩のマネージャーさんからタレコミがありますので発表しちゃいますね!》
「タレコミ?余計なことすんなw」
《まずは……さくら先輩、『昔配信したことある戦乱の恋乙女がリニューアルしたの知ってますか?』って聞かれませんでした?》
「……聞かれたw」
《マネージャーさんの話だと、食い気味に『え!?そうなんですか!』と言い更に『今は忙しくて出来ないから、落ち着いたらやろうかな……』と答えてたそうじゃないですかw》
「お~い!バラすな!マジかw余計なこと言っちまったw」
《しかもその姿がすごい恋をする女の子みたいで可愛かったって来てるね?いやぁ……じゃあこの配信さくらちゃんにご褒美になっちゃったかなw》
コメント
『草』
『警部の乙女の部分w』
『これは恥ずかしい』
《まだありますよさくら先輩?》
「地獄なんだけどw」
《ちなみにやっぱり推しは前田慶次ですか?と聞いたら、『はい。前田慶次以外考えられないですよ!マネージャーさんもやってみてください。絶対好きになりますから!』とまたまた可愛く言ってたらしいですねw》
《マネージャーさんにも薦めるくらい良い男なんだねw》
「……うああああああぁ!もうやだぁ!」
《さくら先輩落ち着いてw》
《じゃあ早速、愛しの前田慶次と恋をしに行こうかw》
こうして仕返しのドッキリを成功させ、案件の『戦乱の恋乙女・DX』の配信が始まるのだった。