361. 姫は『鍋パ』するようです
そして配信が終わり、そのままなぜか日咲さんの思い付きで企画された『鍋パーティー』に参加することになる。というか配信前にカレー食べたんだけどな……
ちなみに日咲さんは鼻歌を歌いながら鍋やら食器などの準備をしている。ずいぶん楽しそうだな。
「日咲さん。誰が来るんだ?」
「えっ?内緒。でも颯太は初めての人がいるよ2人w」
「いきなりハードル高いんだが……」
「いや配信では話してるから大丈夫だよ。ちなみにあたしもこうやってご飯食べるの初めてだし。そもそもこの家に来るのも全員初めてだよw」
マジかよ……そして日咲さんは楽しそうに準備を続ける。この人本当に裏表ないよな。そしてしばらくすると、まず彩芽ちゃんがやってくる。
「お邪魔します……あ。お疲れ様です……これお菓子買ってきました」
「ありがとう彩芽ちゃん!颯太の隣がいいよね?そこ座って」
「彩芽ちゃん。無理しないで大丈夫だったよ?」
「あ。いえ……お鍋……やりたかったので。それに……颯太さんもいるので……」
「そっか。オレも彩芽ちゃんとお鍋食べるの楽しみだよ」
「こらこら!てぇてぇすんなw」
オレと彩芽ちゃんは日咲さんにそう言われて少し赤くなる。いかんいかん完全に無意識だった。するとチャイムが鳴り誰かがやってくる。
「お疲れ様です。七海さんお野菜買って来ましたよ?あ。神崎マネージャーと彩芽ちゃんも居たんですね」
「衣音。鍋作って。料理得意でしょ?ほら彩芽ちゃんも手伝うからさ?」
「え?七海さんも手伝ってくださいよw」
「ほら。あたしは配信で疲れてるから」
「誘ったの七海さんですけど。分かりましたよ。彩芽ちゃん手伝ってくれる?」
「うん」
そう言いながらもエプロンを借りて、持ってきた野菜をキッチンで切っている衣音ちゃんと彩芽ちゃん。日咲さんはと言うと、ソファーに寝転がりながら、彩芽ちゃんが買ってきたお菓子を食べ始める。
「日咲さん。お菓子食べたら鍋食べれなくないか?」
「前菜みたいなもんだよ。颯太も食べる?」
なんだよ前菜って……すると玄関からチャイムが聞こえてくる。日咲さんはソファーから起き上がると、玄関に向かい誰かを出迎える。そして部屋の扉の向こうから声が聞こえてくる。
「おいどしたwほら早く入りなよw」
「あの……緊張して……皆さんとほとんど話したことないですし……」
「私も緊張してるから。ほら先輩が待ってるから。入ろう?」
そして扉が開くとそこにはオレが見たことない女性が2人立っていた。1人はガチガチに緊張している可愛らしい女の子、もう1人は落ち着いたお姉さんって感じの女性。誰だろう……?
「あ。紹介するね彼は神崎颯太。彩芽ちゃんのマネージャーであたしの……親友。キッチンにいるのは……衣音と彩芽ちゃんは分かるからいいよね?ちなみに姫は明日早いから帰ったから」
「初めまして神崎颯太です」
「あっはい。あの……きらめき☆アイドルです!」
「え?あ。夢花かなえちゃん?」
「奏ちゃん。それじゃ分かるけど神崎さん困っちゃうよ?初めまして、皇ジャンヌとして活動してます霧島栄美です。こちらは夢花かなえとして活動している桜庭奏ちゃんです。よろしくお願いします」
なるほど。この女性たちがかなえちゃんとジャンヌちゃんか。イメージとは全然違うな。かなえちゃんは元気いっぱいのアイドル。ジャンヌちゃんももっと幼いイメージだし。
その後、鍋ができるまで雑談しながらお酒を飲みながら待つことに。ちなみにほとんど日咲さんが話していて、特に桜庭さんは緊張からほぼ固まっていた。そして鍋ができ、謎の鍋パーティーが始まった。