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620. 姫は『希望』してないそうです

620. 姫は『希望』してないそうです




 12月11日。今年も残り20日となる。本当にこの1年間色々あってあっという間だったな。ここ最近オレは朝配信、昼間は打ち合わせや雑件、提出物をこなし、夜はすたライの練習というルーチンで動いている。


 無事に明日香ちゃんにも認めてもらい、『姫の親衛隊』のユニット全員で一緒にオリジナル曲の振り付けの練習をやっている。ちなみに……オレと明日香ちゃんだけが居残り練習をしている。意外なのは高坂さんが覚えが早くてダンスも出来るということ。やっぱり学生の時にバドミントンをやっていたから(?)だろう。


 今日は、この前のガチ恋オフコラボの時に持ち上がった……というか強制的だったが、例の姓名判断のコラボをする予定だ。全員とは絡んだことはあるけど、数えるくらいしかないしな楽しみではある。


 そして今は、夜のコラボ配信の前に高坂さんと彩芽ちゃんと今年残りのスケジュールと年明けのスケジュールの打ち合わせをしている。この風景にも慣れたもんだよな。


「すたライの収録は来週です。それとクリスマス企画が決まりましたので、詳細を説明します。今回は、2期生が主体となって企画をすることになりました。タイトルは『煌めく聖夜のFmすたーらいぶ感謝祭』で、色々なクイズや企画を用意してライバーはもちろん、スタッフやリスナーさんも楽しめるものになっているみたいです」


「高坂さんは司会じゃないんだ?」


「はい。今回は5期生がリーダーとなって、2期生とひなた先輩を抜いた16名を4人1組で4チーム作って優勝を目指すらしいです!なのでリーダー……緊張しますよねw」


「あの……チームは決まってるんですか?」


「はい。えっと……彩芽さんは私のチームです。ちなみに神崎先輩はすずめちゃんのチームですね!」


 まぁ配信はディスコード越しだろうから問題はないと思うけど。最近すずめちゃんと一緒になるな……今日も一緒だしな。


「それと年明けの元旦ですが、あけおめ座談会みたいなものはなくライバーが各々自由参加できる企画として、ジグソーパズル10000ピースをみんなで完成させるっていう企画をします」


「10000?無謀じゃないかそれ……」


「いえ。Fmすたーらいぶのライバーさんは、ひなた先輩を抜くと20名で1人500ピースですから。500ピースのジグソーパズルを完成させるのに大体早い人だと4時間程度。まぁ許容範囲内です」


「それは好きな時間に参加すればいいんですか?」


「はい。ちなみに配信枠は4つあるので、各々好きなルームに参加してジグソーパズルを完成させます。配信時間は深夜の0時からスタートして翌日の0時まで。パズルの絵柄は……これです。この企画のためだけの描きおろしで皆さんが着物を着ていて可愛いですよ?」


 その絵柄のサンプル画像を見せながら説明する高坂さん。お正月仕様で、ライバーが羽子板やら凧揚げ、独楽回しなどお正月らしいとても可愛い絵柄だった。


「ゆっくりやったり、一緒にやっているライバーさんと話したりしてもいいので!元旦から楽しみましょうという企画です!」


「あの。なんでましろん先輩はあるとちゃんと一緒にカルタやってるんですかこれ?」


「いや……なんでと言われても……オレは希望してないよ?」


「……来年もあるとちゃんは敵です」


 ……あるとちゃんというより運営のような気もするけど、それは言わないでおこう。そしてその後色々と細かいところを打ち合わせして、高坂さんは事務所に用事があるということなのでそのまま事務所に戻った。


 そしてしばらく作業をして、時間は22時少し前。彩芽ちゃんは配信中。それを観ながらオレは配信の準備を進めている。今回の配信内容は姓名判断の相性……とはほとんど関係ないかもしれないけど、楽しめる企画を用意したつもりだ。


「さてと……そろそろ配信開始の時間だけど、結構リスナーがいるなwまぁ初コラボだし、みんなにとっても良いコラボになるように頑張るか」


 そのままオレは配信開始のボタンをクリックした。

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