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第1章 第3話 初仕事②

 ゴミ収集車みたいな、黒い大きなトラックに乗せられた。運転席には蟹原部長が片手でハンドルを操作している。


 助手席には私、後部座席にはトラックに乗りこむときに、相変わらず睨みつけてきた名前の知らない小おじ(注:ロリコンで眼鏡をかけた小汚いおじさんを指す)が足を広げて座っている。その隣にポチが小さくなって窮屈そうに座っていた。


「どこに向かってるんですか?」

「あー? 居酒屋」


 蟹原部長は、こちらを見ずに軽い口調で答えた。


「はぁ……。それで、私は何をさせられるんでしょうか?」

「ヒーロー活動だよん」


 軽い。そして仕事内容が全然見えてこない。



 信号が赤に変わり、急ブレーキをかけた。シートベルトが体に食い込んで、胸がウッってなった。


「あ、そや。猿山君、みっちゃんにうちの仕事内容説明したげて」


 と今思い出したように言うと、蟹原部長はスマホを手に取った。信号待ちでスマホ弄る人の車に乗るの怖いなぁ。



「えっと……」


 後部座席の小おじ――改め猿山が、口を開いた。

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