ゴミ収集車みたいな、黒い大きなトラックに乗せられた。運転席には蟹原部長が片手でハンドルを操作している。
助手席には私、後部座席にはトラックに乗りこむときに、相変わらず睨みつけてきた名前の知らない小おじ(注:ロリコンで眼鏡をかけた小汚いおじさんを指す)が足を広げて座っている。その隣にポチが小さくなって窮屈そうに座っていた。
「どこに向かってるんですか?」
「あー? 居酒屋」
蟹原部長は、こちらを見ずに軽い口調で答えた。
「はぁ……。それで、私は何をさせられるんでしょうか?」
「ヒーロー活動だよん」
軽い。そして仕事内容が全然見えてこない。
信号が赤に変わり、急ブレーキをかけた。シートベルトが体に食い込んで、胸がウッってなった。
「あ、そや。猿山君、みっちゃんにうちの仕事内容説明したげて」
と今思い出したように言うと、蟹原部長はスマホを手に取った。信号待ちでスマホ弄る人の車に乗るの怖いなぁ。
「えっと……」
後部座席の小おじ――改め猿山が、口を開いた。