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第2章 第1話 えらい人②

 ドキドキしながら部屋に入る。応接間と出入口上のプレートに書いてあった。蟹原部長はソファーに座っていた。


 ちら、と恐る恐る顔色をうかがう。


「おう、座れや」

「はっ……はい!」


 思ったより怒ってない……?





「猿山の仕事とお前の仕事、交換することになったわ」

「はい?」


 猿山は、眼鏡をかけた小太り低身長でロリコンの小汚いおじさんだ。私と目が合うと睨みつけてくる。あとポチを虐める。


「うんうん、やっぱ世間知らずなみっちゃんにはそっちのほうがええよな」

 蟹原部長は腕組みしてるし、自己完結してなんか一人で納得してるし。


「あの、すみません。話が見えないんですが」

「これ獲物な」


 こちらの質問に答えずに、蟹原部長は懐から拳銃を取り出してガラス製のテーブルに置いた。カツンと、可愛い音がした。……拳銃は可愛くないけどね。


「ちょっと構えてみ?」

「えっ」

「大丈夫や、弾は入っとらん」

「こ、こうですか……?」


 重ッ! アニメとかだと二丁拳銃バンバンぶっぱなしてるキャラいるけど、現実だと絶対無理だ。


「撃つ直前まで、引き金に指はかけるな」

「は、はい!」

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