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第2章 第3話 ガールズトーク③

 居酒屋で見た人喰のことを思い出す。ポチがバールのようなものでサクッとボコって倒したけど、前は人間がやってたんだよね。


 今日蟹原部長に渡された銃の重さがまだ手に残ってる。私があと数年生まれたのが早かったら、ポチの代わりに人喰を銃で退治する仕事をやっていたんだろうな。


「今は安全よ。戦闘はほとんどポチあれにやらせるから。誰も死ななくなったわ」

 アイリさんはさっきとはうってかわって、明るい声で言った。

「よかったですね」


 よかった……か。目の前の先輩にあわせるためとはいえ、残酷だなと自分でも思う。安全、誰も死なない、だからよかった……それは全部人間の都合で。じゃあ、それじゃあポチはどうなるんだろう。人間の都合でずっと戦って、傷ついて……。


気になるの?」

 どくん! と心臓が跳ねた。アイリさんはこちらをじっと見ている。その見透かすような目が、なんとなく居心地悪くて目をそらした。


「みっちゃんは、ポチくんのこと好き?」

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