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第2章 第4話 対等でいたいから④

 今まで見たことのない、はっきりとした拒絶だった。


「すごくダサくてつけた親に殺意がわくので……」

「そ……そうなんだ」


 それでも、ポチよりはマシなんじゃないかな。とは思ったが。彼が鼻にしわを寄せて本気で嫌がってるみたいだったので、言わなかった。


「別に犬でもなんでもいいです。僕はバケモノ、人間扱いなんてしなくていいです。みっちゃんのそういう気遣い……迷惑」

「……そんな」




「それに、この『ポチ』って名前は先せ……大切な人に貰った名前ですから」


 大切な人。たぶん、言いかけた言葉は『先生』。でも、大切な人に貰った名前が『ポチ』ってそんなの悲しすぎるよ……。


 それに人間扱いしなくていいって、迷惑だなんて……。私の彼を『可愛そう、何とかしてあげたい』って思う気持ちもきっと、彼には不快なんだろうな。


 私のやってること、やろうとしていることも多分、彼は望んでない。全部、私のエゴなんだ。でも、それでも。

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