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荀粲1  清談の始祖

荀粲じゅんさん荀彧じゅんいくの末っ子。

何晏かあん夏侯玄かこうげん王弼おうひつと言った人たちが

花開かせる清談、その基礎を作った人だ。

ゴリゴリの儒家に生まれながら、

道家に走ったという、変わり種でもある。


かれは傅嘏ふかと並び、

玄談の旗手として知られていた。

そのため、しばしば二人は

激しく議論を交わしていたが、

それによって仲違いする、

と言うことはなかった。


ある時二人は、裴徽はいきの家で議論する。

議論を聞く中で裴徽、二人の見解を整理。

その論に通底するものを解きほぐし、

両者に伝える。


なるほど、そんな着地点が!

ふたりもまた、裴徽の解説を聞き、

大いに喜ぶのだった。




傅嘏善言虛勝,荀粲談尚玄遠。每至共語,有爭而不相喻。裴冀州釋二家之義,通彼我之懷,常使兩情皆得,彼此俱暢。


傅嘏は虛勝の言に善く、荀粲が談は尚おも玄遠なり。至れる每に共に語り、爭い有りても相い喻せず。裴冀州の二家の義を釋せるに、彼我の懷きたるに通じ、常に兩情をして皆な得さしめ、彼と此とを俱に暢せしむ。


(文學9)




このエピソードを読む感じだと、荀粲・傅嘏・裴徽が清談を本格的に始めた人、みたいな印象になります。なお清談のベースは老荘なんですが、そこに結構仏教も合流してきてたっぽいです。なので清談まわりは結構その辺の哲学談義が出てきます。

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