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王戎6  王戎さんと虎

明帝めいていが広場で、

虎の公開爪切りを開催した。


王戎おうじゅう、この時七歳。

もちろんこの見世物を見に行った。


繋がれているとは言っても虎である。

柵によじ登り、がおうと吼えられりゃ、

そりゃ怖い。

何せ地も震えんばかりの轟音である。


観客はひと吼えのごとに

慌てふためくわ、ぶっ倒れるわ。


けど王戎はその中でも平然としていた。

身じろぎ一つせず、見物するのだった。




魏明帝於宣武場上斷虎爪牙,縱百姓觀之。王戎七歲,亦往看。虎承閒攀欄而吼,其聲震地,觀者無不辟易顛仆;戎湛然不動,了無恐色。


魏の明帝は宣武場の上にて虎の爪牙を斷つ。百姓に之を觀るを縱す。王戎は七歲、亦た往きて看る。虎は閒を承い欄に攀りて吼え、其の聲の地を震わすに、觀る者に辟易し顛れ仆さざるなし。戎は湛然として動かず、了には恐るるの色無し。


(雅量5)




王戎ボーイは謎の度量を示す逸話があって面白い。これとか次のお話が顕著です。

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