虎の公開爪切りを開催した。
もちろんこの見世物を見に行った。
繋がれているとは言っても虎である。
柵によじ登り、がおうと吼えられりゃ、
そりゃ怖い。
何せ地も震えんばかりの轟音である。
観客はひと吼えのごとに
慌てふためくわ、ぶっ倒れるわ。
けど王戎はその中でも平然としていた。
身じろぎ一つせず、見物するのだった。
魏明帝於宣武場上斷虎爪牙,縱百姓觀之。王戎七歲,亦往看。虎承閒攀欄而吼,其聲震地,觀者無不辟易顛仆;戎湛然不動,了無恐色。
魏の明帝は宣武場の上にて虎の爪牙を斷つ。百姓に之を觀るを縱す。王戎は七歲、亦た往きて看る。虎は閒を承い欄に攀りて吼え、其の聲の地を震わすに、觀る者に辟易し顛れ仆さざるなし。戎は湛然として動かず、了には恐るるの色無し。
(雅量5)
王戎ボーイは謎の度量を示す逸話があって面白い。これとか次のお話が顕著です。