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王戎7  王戎ちゃんつおい

王戎おうじゅうちゃん7歳の時のことだ。


みんなで遊びに行った時、

道ばたにスモモの木があった。


しかも、今にも枝を

折らんばかりの勢いで、

めっちゃ実がついている。


やべえ、頂き!


みんなが、わっと

スモモの木に走っていく中、

王戎ちゃん、ちょこんと一人残り、

みんなの様子を眺めていた。


あれ、お前行かないの?

仲間に聞かれると、

王戎ちゃんは答える。


「道ばたで、あれだけなってるんだよ?

 普通みんな取るでしょ。

 けど、そうじゃない。

 つまりは、そういうことさ」


そう、一口かじってみれば、

その李はかなりエグみが強かったのだ。




王戎七歲,嘗與諸小兒遊。看道邊李樹多子折枝。諸兒競走取之,唯戎不動。人問之,答曰:「樹在道邊而多子,此必苦李。」取之,信然。


王戎の七歲なるに、嘗て諸小兒と與に遊ぶ。道の邊に李の樹の子の多きを看、枝を折る。諸兒は競いて走り之を取るも、唯だ戎は動かず。人の之を問うに、答えて曰く:「樹の道の邊に在りて子多かば、此れ必ずや苦き李なり」と。之を取らば、然りたるを信ぜらる。


(雅量4)




虎にもスモモにも動じない王戎ちゃんつおい。

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