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王戎8  わいろに返礼

王戎が侍中じちゅう

皇帝の側に侍る役であり、

出世がほぼ確約されるポジション、

についた時、荊州の劉肇りゅうちょうという人から

黄潤布こうじゅんふ」と呼ばれる、

要はめっちゃ高級な布を

約36メートル分プレゼントされた。


「王戎さま、どうぞ今後とも

 よしなにしてくだせぇ」


的なアレ、要はわいろだ。


王戎、この布を

受け取りこそしなかったものの、

劉肇に対し、めっちゃ分厚い

お礼の手紙を送った。




王戎為侍中,南郡太守劉肇遺筒中箋布五端,戎雖不受,厚報其書。


王戎の侍中為るに、南郡太守の劉肇は筒中の箋布を五端遺る。戎は受けざると雖ど、厚く其の書にて報ゆ。


(雅量6)




なお余談だが、このことが後日宮中で大問題となり、「劉肇しょっぴけ、王戎も問い詰めろ」みたいな感じで炎上。そこを武帝さまが「いやいや王戎ほどの奴がそんなんで心揺らぐわけないでしょ、おちけつ」と、おんみずからとりなさねばならなくなっている。


この武帝さまの振る舞いについて、王戎さん特にお礼を言わなかったそうである。この人も結構ロックだな……。



劉肇

後漢ごかんの四代目、和帝わていと同姓同名。また東晋の名将「劉遐りゅうか」の息子とか。なのでその辺の事跡しか出てこない。まぁわいろで叩かれるような人に事跡なんか残りそうもないわな……。

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